満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

「BEFORE THE COLLAPSE~悠歌PART2」

2011-06-17 | 新規投稿




CD発売を来週に控え、来月は久々にライブもあるというのに、どこか心が晴れないような気分が多少ともあるのはそのライブでの集客に気を悩ませているからであるが、今日は我がバンド,TIME STRINGS TRAVELLERS(時弦旅団)で唯一、活発なソロ活動を行う山口君の北川ハオ氏とのデュオおよび、DEJAVUの二組のライブを観に行った。その演奏の素晴らしさとは裏腹に、観客の少なさが残念でもあり、若干の寂しさもあったのだが、会場で知り合ったドラマーの宮本善太郎さんと「昔、フェダインを上新庄のブルーシティに観に行ってた時なんかはお客さん5.6人やったなー」、「アルタードステイツもそうやで」等と、話しながら、マイナーなシーンの困難さを想っていたわけだが、そこから活動を拡大していった不破氏や内橋氏のようなバイタリティのかけらでもあればと思う。勿論、ある意味、生きざまが違うのであるが、自分の音楽を信じて、貫いていく意志の強さだけは持ちたいものだ。

というわけで、来週発売されるCD『Defreezed Songs』に収められた「Before the collapse~悠歌Part2」という15分の曲をYOU TUBEにアップしましたので、ぜひ、聴いてみてください。
(ちなみに文章中にリンクする方法がやっとわかり、喜んでいます。今頃、何をといわれそうですが)





before the collapse 97 - 悠歌part II Time Strings Travellers 時弦旅団

この曲は題名をつけてますが、97年にスタジオで即興で演奏したカセット音源です。後半の’悠歌Part2’は私がつくり、3rdアルバム『still songs』(99)に収録した曲です。<before the collapse(崩壊の前に)という曲名は当時、植嶋君(ギター)の脱退の予感があった事を思い出し、その危機の直前という意味でつけましたが、ここでの火の出るような激しいギター演奏がその後に実際、おこった事を予感させます。3:00あたりから始まる強烈なギターソロが聴きものです。彼の力は即興でメロディやフレーズを連続して作り出す事にありますが、決して、ノイズやフリーキーな音響に走らなくとも、カオスを創造し、物語性を感じさせるソロの能力に私は尊敬の念を抱いているんです。
2008年にリハーサルを再開した時、ギターは不在で、何人かのギタリストと試しましたが、しっくりこず、やはり、という事で、植嶋君を呼び寄せました。「気軽にギターを弾きに来てくれ」というヘルパー感覚で付き合ってくれたらいいという私の当初の思惑とは裏腹に、その後、オリジナルを量産し、積極性をもってバンドに参入、ライブではその牽引ぶりが際立つまでに至っています。

今もそうですが、スタジオでダラダラととりとめなく、ジャムをするのが常で、この曲も、35分くらい演奏したテープを私はpro toolで途中途中を切ってつなげ、15分に短縮しました。その音源にサックスをかぶせ、イントロにリズムマシーンや爆発音を導入し、’崩壊’を演出しました。英語のスピーチはキューバ危機の際のアメリカ議会の演説テープから拝借しました。あれは第三次世界大戦直前だったんですから、その危機的状況が演説者の口調にもあらわれてますね。
カセット音源故の音質の悪さをミックスダウンとマスタリングで最大限、修復してみましたが、やはり、限界があった事は否めません。ベースがヘタ&うるさいのがマイナス点ですが、全体の’熱さ’は自分でも気に入ってます。「悠歌パート2」は実際にはこの後、延々と10分以上続く演奏の大半をカットして、さわりのテーマだけ残しました。シンセがこの後、いい演奏をするのですが、テンポがだんだん、ズレてきたり、あまりにも演奏が長く、しかもベースソロがイマイチでだったので、オールカットして正解だと思ってます。結果、この編集テイクは我ながら出来栄えに自信があるんです。

2011.6.17




 

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