満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

@アニーズカフェ9/10

2022-09-10 | 新規投稿

ANSONIC
菊池行記(electronics) 武藤宏之(electronics)

こもった音質によるノイズアンビエントな音響が続く。まるでトンネルの中に響く自然音に機械の軋轢が加わった1つの風景の描写のよう。ハーッシュノイズ、モジュラー、グリッチ、あらゆる無機質な音が演者、観客との独特の距離感で発信される。一つ一つの音がリフであったり、アクセントになり展開を感じさせる生々しい演奏に好感。絶妙な音量は私好み。従って聴覚直撃型でカタルシス過多の数多のジャパノイズと一線を画す。中盤以降、音圧増すが、心地良さ変わらず。終始快楽度高し。

DISLOCATION
ガイ(guitar)  岡崎豊廣(electronics)
柳川芳命(sax)  森公保(drums)

ホワイトノイズとトレブリーなギター、リバーブ強めのサックスで静かに立ち上がるも、ドラムが加わった展開からフルボリュームな一体型演奏に。柳川氏、負傷を感じさせない力感。ドラム敢えて生音なのか、全体の爆音の中に埋没するが、奥から低位置で響くリズムの反復は気持ち良い。何処かで聴いたこのバランスは嘗て体験したラリーズの記憶に近い。
音塊が疾走した前半と変わり短いインターバルを置いて、後半、各自、短いセンテンスをランダムに注入するような局面に変化。前半では分かりにくかったエレクトロニクスによる様々な表情がここで判明。ここから発展させるかと思いきや、潔くもこのパートあっさりと終わらせ、演奏終了。もっと聴きたかった。多分、異なる場面が立ち現れただろう。

 

 

コメント
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