知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

帰宅実習・・・・冬の帰宅期間です

2008年12月28日 | Weblog
「帰宅実習」というと、過去の時代の名残りのような言葉ですね。


年に3回、利用者の方が、保護者の元に一時帰宅される期間を設けています。設立からの呼称で「帰宅実習」という名称で認知されていますが、実際は「帰宅」ではあっても「実習」はしていない訳で・・・。また名称については、職員で検討していきたいと思います。


3回は、ゴールデンウィーク(4/29あたりから5/5頃まで)、夏のお盆頃に1週間ほど・・。そしてお正月の期間(1週間ほど)です。


昨日、お正月を含む期間の帰宅が始まりました。
基本的な期間は、12/27~1/4ですが、これも保護者によって迎えに来られる都合もあり、様々です。

もちろん、保護者がいない方、保護者が高齢で迎えに来れない方、また病気や家庭の事情等で迎えが無理な場合等あり、この期間、残留される方も多いです。


施設が設立された頃は、利用者も若く(もちろん保護者も若く)、ほとんどの方が帰宅されていました。それでも5,6名の方が残られていましたが・・・。

ところが、最近は利用者と同時に保護者の方も高齢化し、また亡くなられたりして、残留が余儀なくなられた方が増えてきました。(今回の帰宅の期間も、一度も帰宅出来ない方が40名弱おられます。)


当然、比較的軽度の方で、最低限の援助で済む方もおられますが、残留される方の比率が、重度の援助が必要な方のほうが増えてきました。
当然、援助する側の職員が複数必要になります。

ゴールデンウィークや夏とは違い、世間的にもお正月・・・。心情的には休みたい・・、家の大掃除や来客の接待、家族が久々に集まる、帰省する・・等の問題があります。

これは、年齢に関係なくあると思います。


12月の勤務体制を決める際に、この期間は苦労します。

うちの施設では、若い層の職員さんが、頑張ってお正月も率先して仕事をしてくれています。これには助かります。思わず、私たち年配の人間が「大丈夫?」と心配してしまうときもあります。
なかには、正月は親戚が集まり、忙しくなるため(接待が面倒?)、むしろ正月は仕事してるほうが・・・という方もいるようですが・・(笑)。


さて、利用者の方はというと・・・

帰宅する日には、朝から玄関に集まり、自分の保護者はまだかまだか?と落ち着きなく待っています。でも、気持ちは、よく分かるので「まだ来ないねー」「もうすぐ、来られるよ」と言葉をかけています。


保護者の方の連絡会もあり、利用者の方の中には、それも待てずに一人玄関にて準備した荷物を持って、佇んでいる人もいます。

職員は(各居室の担当者が)、それぞれの保護者に現在の状況や本人の状態、薬の件等、連絡事項を説明して、一緒に見送ります。皆さん、帰るときの表情は、本当に嬉しそうですね。


一方、残留される方は、ちょっと寂しい感じが残ります。

1週間の間なんですが、少なくなった利用者の方の空間(寝ていた場所)に、のんびりする人、ひとりでTVを独占出来ると喜ぶ人・・・、それぞれがうまく時間を過ごしてくれます。

以前は、帰宅期間も長く(2週間)、職員も多く確保出来たために、この帰宅期間中でも残留した方のために、いろいろな取り組みが出来ました。普段出来ないようなこと・・、例えば、担当者と一緒に大きな町まで行って映画観賞や外食。大晦日に年越しそばを食べる(カップそばですが・・)。年末に鍋をする。大きな神社へ初詣に行く・・・等です。

しかし、帰宅期間が短くなり、また残留する方が増え(特に重度の方が増え)、職員が確保出来なくなると、そういった取り組みが出来なくなってしまいました。

職員を確保すれば・・・とおっしゃる方もいるかもしれませんが、職員が年末年始に取れる休み期間も決まっています。この期間に無理に確保すると、それ以外の前後の期間に影響が出ます。そうした問題もあり、本当に残念ながら取り組みは最低限になってしまいました。


施設内で、DVDの映画を観る。食事は、栄養士さんが工夫して、いつもとちょっと違うメニューにしてもらう。初詣は近くの神社に行く・・・等です。ん・・・寂しいなあ・・・。
利用者の方からも、何か出来ないか?との希望があり、今年は大晦日にみんなで、飲み物とお菓子で年越しをしようということになりました。


少しでも楽しんでもらえたら・・・と思います。


いいお正月になるかな?来年もいい年でありますように・・・。
コメント
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