晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・経営改善 製造業はなぜ儲からないのか /ザ・ゴール(コミック版) 岸良裕司監修

2021年11月14日 | ものづくり・経営改善 製造業はなぜ儲からないのか


「ルリマツリ」という花だそうです。
近所の道を車で走っている時に、家内から教えてもらいました。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第446回(2021年11月15日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 ものづくり・経営改善 製造業はなぜ儲からないのか
 /ザ・ゴール(コミック版) エリヤフ・ゴールドラット原作 岸良裕司監修
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1.はじめに
●1984年に出版された「ザ・ゴール」は全世界で1000万人以上が読んだ大ベストセラーで、TOC(制約条件の理論)で大変有名です。
●しかし、「日本で翻訳販売されると、貿易の不均衡がますます加速し、世界経済が破壊する」という原作者エリヤフ・ゴールトラット博士の意向で、日本での販売は2001年まで17年間禁じられています。
●私も日本語略の発売直後に読みましたが、物語り風に書いてあることもあり、なかなか中身の理解は難しいものでした。
●しかし岸良裕司先生が監修され、大変分かりやすい・大変理解しやすいコミック版が2014年に発売されています。

2.結論を言えば
●会社の目標(ザ・ゴール)とはお金をもうけること(35p)
●本社で使う指標は工場の現場レベルでは使いにくいのではないか、だから重要な情報が見えてこない!
 現場ではもっと別の新しい指標が必要なんだ!(42p)
●現場での役に立つ新しい指標①(47p)
 ①スループット(販売を通じてお金を作り出す割合)
 ②在庫(販売しようとするものを購入するために投資したすべてのお金)
 ③業務費用(在庫をスループットに換えるために費やすお金)
●現場での役に立つ新しい指標②(56pに別の表現がされている)
 ①スループット(入ってくるお金)
 ②在庫(製造プロセスにたまっているお金) 
 ③業務費用(スループットを稼ぐために出ていくお金)
●目標はスループットを増やしながら同時に在庫と業務費用を減らすこと(70p)

3.問題、対応策・方向性、スループット、バッチサイズ
問題
●問題は「効率」だ!もっと「効率」をよくすればこの工場を改善できるはずだ!(11p)
 ⇒これ間違い
●生産性なんてものは目標がわかっていなければ全く意味がない(28p)
 ⇒そのとおり
●効率を高めようとすればするほど目標からは遠ざかる(64p)
 ⇒残念なことです
●人を働かせることと利益を出すことは別のもの(168p)
 ⇒この点の理解が現場で不足しています
対応策・方向性
●工場の生産能力がちゃんと目標に沿って管理されているか調べてみる必要がある(67p)
●ロボットを導入した部署で生産性が上がったか?(20p)
 ロボットの導入は人件費の削減につながったか?(20p)
 ロボットを導入して仕掛などの工程途中の在庫は減ったか?(22p)
●ボトルネックを通過するフローを市場からの需要に合わせる(131p)
スループット
●スループットはボトルネックが決定している(142p)
 ⇒ということはスループットを上げるためにはボトルネックに注目すべき
バッチサイズ
●バッチサイズを半分にしてリードタイムを短くし、沢山オーダーを取ってこれる(186p)
●バッチサイズを半分にしたら工場内の在庫が半分になります(186p)

4.まとめ
●スループットを上げるためのボトルネックへの対応(212p)
 ステップ1.制約を見つける
 ステップ2.制約をどう徹底活用するかを決める
 ステップ3.他のすべてをステップ2の決定に従わせる
 ステップ4.制約の能力を高める
 ステップ5.ここまでのステップで制約が解消したらステップ1に戻る
●システムには必ずどこかに制約がある。その制約に集中することが全体最適になる。(212p)

結局は、適切な指標が掲げられずに、不適切な指標で工場を運営するので、ムダが出て利益が出ない、儲からないということですね。

井上 直久


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