晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・経営改善 製造業はなぜ儲からないのか/ コストダウンが会社をダメにする 本間峰一

2021年12月19日 | ものづくり・経営改善 製造業はなぜ儲からないのか

2021年最後の記事となりました。
皆さんはこの1年いかがでしたか?
私にとっては、退職して初めての年で、激動の一年だったように思います。


(ほぼ毎日散歩する石清水八幡宮の参道にて。
紅葉の落ち葉と石垣のコントラストがきれいでした。)

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第448回(2021年12月20日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 ものづくり・経営改善 製造業はなぜ儲からないのか / 
 「コストダウンが会社をダメにする」 本間峰一
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1.はじめに
 前回の「製造業はなぜ儲からないのか」の記事では、「ザ・ゴール」とスループットを紹介しました。結論は、(経営者から)適切な指標が掲げられずに、不適切な指標で工場を運営するので、ムダが出て利益が出ない、儲からないということにさせてもらいました。
 この「ザ・ゴール」では、物語り仕立てになっており具体的なところが少なかったです。具体的にはスループットや作業経費といった指標を、どうやってコントロールしていくのかに関する記述がほとんど出てきません(48p)。今回は、この「コストダウンが会社をダメにする」では、具体的なコントロールについて記載されていますので、以降でポイントを記載します。
 その前に、本のタイトルに関係して、なぜコストダウンが問題なのかを記載しておきますと、「改善活動は、生産能力を向上させ売り上げを増やすために行う活動だ」「改善によって空いた分で売り上げを増やさなければ利益は増えて来ない。」(30p)ということです。

2.キーワード

 ①スループット 売値ー外部購入費(材料費+外注費)=外部購入費
  
(本カバーの裏の写真)
 ②スループット・マネジメント スループット会計に欠けていたもの(48p)。スループット管理方法全体。基本的な考え方はTOCスループット会計に準じている。
 ③スループット・バランス分析 当該企業の利益構造を見極めること。スループットと作業経費の時系列的な関係。(79p)

3.ポイント

スループット・マネジメントにおける各部門の役割
 営業部門:同じスループットを稼ぐためには、薄利でたくさん売ろうとするよりも、良いものを少しでも高く売ろうと努力する方が、効果が出やすい。(66p)
 生産部門:①ボトルネックの解消(67p) ②外部購入費の削減(68p)外部購入業者からの購入単価を出来るだけ安くすることと、できるだけ外に出さないで自分で作ったりすること、すなわち内作化の推進
スループット・マネジメントのPDS
 SEE:①スループットバランス分析を行い、スループットと作業経費の関係と経過を明確にする(79p)
     ②在庫の増減による影響を取り除く(83p)
     ③一人当たりスループット額で比べる(89p)
 PLAN :①スループット目標額の設定
       ②実行計画の作成
       (具体的なステップの102Pに記載されています)

4.結論

 DO:利益を生み出すコツは足し算思考 スループットは足し算で貯めていくものである、という意識を従業員に十分に植え付けること(130p)。そして、スループットが1%であってもスループットが稼げるなら、それを実行すること。

目次
第1章 コストダウンのどこが問題なのか
第2章 大事なことはコストダウンではなくスループットの向上だ
第3章 スループット・マネジメントの進め方
第4章 スループット・マネジメントの限界
第5章 製造業以外の業種におけるスループット・マネジメント
第6章 スループット・マネジメントの応用

データ
著者  :本間峰一
出版社 :日刊工業新聞
出版年 :2008年
ページ数:188p
外観  :
 


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