晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

「食品工場の品質管理」 河岸宏和 / ものづくり・工場改善 食品工場

2017年07月16日 | ものづくり・工場改善 食品工場

九州の朝倉市・日田市の豪雨の映像を見るに、つくづく集中豪雨の恐ろしさを感じます。
そして、約10年前の、円山川の堤防が決壊し豊岡市の市街等が水没した災害を思い出します。
また、古くは、高校生時代に水害時に小舟で数日通学したことを思い出します。
被災された方にはお見舞い申し上げます。
今回の食品工場の品質管理の視点から考えると、工場自体が泥水を被ると、
衛生状態を元に戻される苦労は並みたいていの事ではないのでは感じます。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第346回記事(2017年7月17日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定
 「食品工場の品質管理」 河岸宏和 / ものづくり・工場改善 食品工場
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食品工場の関係の本の紹介は、今回が3冊目になります。
どの本も目から鱗が落ちるものばかりなのですが、今回は特に目から鱗が落ちる割合が高かったように思います。
特に、食品工場の衛生・品質管理の点からこの本を強く推薦したいと思います。

はじめに
私は会社では品質管理関係の仕事を主にしていますが、
食品工場の品質管理は全く異質なものと痛感しました。
それは人が食べるものに関係するので、消費者の安全が第一で、
安全・衛生が最優先になるからです。
この本はこのことを強く教えられる本でした。

著者の河岸先生は食品工場の品質管理を、運動会のテントに例えてされていますが、
この点を含めて初耳だなと思う点等を、3つの点からまとめてみました。

内容
1.経営的な点から知っておきたいこと
 知っておくといろんな点で役立つかも。
 ①ドべネックの要素樽(19p)
  作物が健全に育成するためには必要な各種の栄養が完全に供給されなければならない。
  作物の育成に必要な量に対して最も供給の少ない養分が育成を制限する。
  つまり、作物の育成は最小養分により決まるということです。
 ②エシックス(17p)
  エシックスは倫理観のことです。
  食品工場の品質・安全性の土台はこのエシックスにより支えられています。
  著者は、ビジネスエシックスとも書かれていました。
 ③メラビアンの法則(211p)
  不具合が発生してお詫び会見をする場合、相手に伝わる印象は
  服装(55%)ー声の大きさ(38%)-内容(7%)
  で決まるという心理学者メラビアン教授が提唱されている法則。
2.食品工場の品質管理の点から知っておきたいこと
 「えーそんなことにも気を配らないといけないの」と感じた点です
 ①工場内の街路樹(53p)
  工場内に植える樹木は、
  害虫がつかない種類で、葉が落ちず、実がならない
  ものが適切です。
 ②建物配置図(126p)
  以下の3つの図面を作成しておくと良い。
  半径30kmの地図・・・30kmは鶏インフルエンザが発生した時の移動禁止距離
  工場周辺の地図・・・10t車が毎日のように走行すると道路の損傷が激しい。自治体との打ち合わせが必要
  工場内の地図・・・水たまりができている、街路樹が伸びているなどの現状の問題点を記載する
 ③雨の日に確認したいこと(136p)
  工場の建屋や周辺に降った雨はどのようにどこに流れるか
  雨樋にゴミがつまって、排水が溢れていないか
  駐車場に降った雨はどこに流れて行くか

3.私自身が再認識したこと
  ①食品事故の要因(37p)
   物理的危害、化学的危害、生物的危害、ペスト、日付表示ミス、アレルギー表示ミス
   の6つが大きく分けるとある。
  ②アレルギー表示(58p)
   容器包装された加工食品では、
   卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに
   の7つを特定原材料として表示する必要がある。(2010年時点)
  ③カタラーゼ検査(203p)
   どの工程で異物が混入したか調べる方法で、
   昆虫・人毛などの生体反応がある異物が過熱工程以降に混入すると、
   その異物を過酸化水素水に入れると泡が出る。

最後に
河岸先生は、食品工場の品質管理に関するノウハウをこれでもかこれでもかというほど多数
提供されており、正直びっくりしました。
それだけ参考になる点があると強く思います。

                                       井上直久

データ
 タイトル:ビジュアル解説 食品工場の品質管理
 著者  :河岸宏和
 出版社 :同文舘出版
 出版年 :平成19年
 ページ数:230p
 目次  :(10章ありますが、省略します。)
 外観
 

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