晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 5S ② 5S定着化ワン・ツー・スリー 平野裕之

2013年08月25日 | ものづくり・工場改善 5S

第158回記事(2013年8月26日(月)発行。次回9月2日(月)発行予定)

<はじめに>
 今回から、5Sについて、実際の本の内容について書いていきます。
 最初に取り上げさせていただくのは、平野裕之先生の「係長・班長のための 5S定着化 ワン・ツー・スリー」です。この本はタイトルにわざわざ「係長・班長のための」という言葉が入っているので、”企業の成果に繋がる5S”の調査の視点からみると関係が薄そうですが、中身を読んでみると、現場での”5S”を戦略的に”企業の成果”に繋げていく内容があり取り上げました。(読み返す度に評価がアップしていきました。)

<外観>
Photo

<おすすめ度>
 他の本ともいろいろな点で比較し、一番おすすめ度が高いです。そのため、5点満点で5点としておきます。

<内容>
 この本の一番のおすすめポイントは、先ほども書いたように、現場での”5S”のオペレーションを進めることで、”企業の経営的な成果に繋がる”点です。その点を具体的に説明します。
 5Sの「整理」の一般的な定義は、「必要なものと必要でないものを区分けし、必要でないものを捨てること」となります。ということは、一度区分けをしたらそれ以上のすることがない(もしくはあまりない)ことになります。つまり、現場活動はマンネリ化に陥りやすいことになります。
 しかし、マンネリ化に陥いらないようにするため、5S活動は三つのステップに分かれています。
 第1ステップは行動する5S
 第2ステップは効果ある5S
 第3ステップは予防5S
具体的に「整理」について行うことをことを記載すると、
 第1ステップでは、(要るものと要らないものを分け)要らないものを捨てる
 第2ステップでは、要るものの数量を規制する
 第3ステップでは、不用品(要らないものと必要量をオーバした要るもの)が出ないよう予防する
となります。5Sの定義では、第1ステップのみの行動になりそうですが、さらに数量の規制、そして予防に進むことで、活動のマンネリ化が防げる筈です。
 (モノの)種類の(質的な)規制 → (モノの)量の(量的な)規制 → (モノの)予防規制
さらに、「企業の経営的成果に繋がる」という点からは、在庫品の数量を規制することで、在庫金額を圧縮でき、キャッシュフローを増やすことが出来ます。

 以上では「整理」を取り上げて説明をしましたが、同様に「整頓」「清掃」「清潔」「躾」についても3ステップでの進化・マンネリ化防止が記載されています。

<目次>
 STEPⅠ まず工場をキレイにしよう【行動する5S】
 STEPⅡ 5Sを習慣化しよう【効果ある5S】
 STEPⅢ 一流の5S工場にしよう【予防5S】

<データ>
 著 者:平野裕之
 出版社:日刊工業新聞社
 出版年:1992年
 定 価:1900円+税
 ページ数:158p
 版 型:B5
 

コメント
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