俺はしばらく夢をみていない。
朝立ちと同じくらい記憶にない。
とんとご無沙汰である。
正確には夢をみないのではなく
忘れてしまっただけなのかもしれないが。
とにかく最近の俺は夢などみないのだ。
それが昨夜突如として写真の主が現れて
俺に話かけたのだった。
「お前が逃げてちゃダメだろ。表現者が何してるんだ。
お前ならまだ追いこめるだろ?わかるか?わかるか?」
俺は声が出なかったのだがやっとこさ絞り出した声でこう言い返した。
「俺より先にくたばっちまったテメェが語るなよ。」
何故そんな事を口走ったのだろうか。
すると男は尖ったアゴを突き出し
目を剥き出して俺を睨みつけた。
長く反った美しい指で俺の胸あたりを指差すと
寂しそうに微笑んで消えてしまった。
男は何も言い返さず存在感だけを残して消えてしまった。
目覚めが悪かった。
普段から最高な気分で朝を迎える事などないが
最高に最悪な気分の朝だった。
夢の中で少し泣きそうになっていたからか
妙に胸がざわついていた。
見ない夢を見た。
ただそれだけの話だ。
ただそれだけの事だった。
朝立ちと同じくらい記憶にない。
とんとご無沙汰である。
正確には夢をみないのではなく
忘れてしまっただけなのかもしれないが。
とにかく最近の俺は夢などみないのだ。
それが昨夜突如として写真の主が現れて
俺に話かけたのだった。
「お前が逃げてちゃダメだろ。表現者が何してるんだ。
お前ならまだ追いこめるだろ?わかるか?わかるか?」
俺は声が出なかったのだがやっとこさ絞り出した声でこう言い返した。
「俺より先にくたばっちまったテメェが語るなよ。」
何故そんな事を口走ったのだろうか。
すると男は尖ったアゴを突き出し
目を剥き出して俺を睨みつけた。
長く反った美しい指で俺の胸あたりを指差すと
寂しそうに微笑んで消えてしまった。
男は何も言い返さず存在感だけを残して消えてしまった。
目覚めが悪かった。
普段から最高な気分で朝を迎える事などないが
最高に最悪な気分の朝だった。
夢の中で少し泣きそうになっていたからか
妙に胸がざわついていた。
見ない夢を見た。
ただそれだけの話だ。
ただそれだけの事だった。