「コンラッド・ハーストの正体」★★★★
ケヴィン・ウィグノール著、333ページ、650円、新潮社
「イメージは映画版の
ジェイソン・ボーン、
違うのは記憶喪失ではなく、
自ら自分の仕事の幕引きをしようと
黒幕に近づいていくことだ、
そして、読んでいる間中感じる
このもの悲しさは何だろう」
ヨーロッパで9年もの間、
ある男の指令を受けて
様々な人物を殺してきた凄腕の
殺し屋が主人公、
しかし冷酷な人物というより、
冷酷であろうという心情が伝わる。
映画的な小説だ、
緊迫のシーンがいくつも作れそうで、
その具体的なイメージが
読みながら浮かんでくる。
ただし異色なのは、
自分を直接知る者を殺すことで
主人公が今の仕事を辞めようと
孤独な戦いを始めたことだ。
死んでしまった、かつての恋人への
ラブレターのように時折挿入される
自分の心情を吐露する部分では
普通のアクションものとは違い、
その落差に人間的なものを感じて、
いい形で終わって欲しいなと
願わずにはいられない。
面白い形式だけど、
感情を吐露する部分があることで
アクションの勢いのようなものが
そがれてしまっていることも確かだ。
そしてラストまで読んだとき、
主人公の悲しみの本質を知って、
深い喪失間を共有することになる。
330ページということもあり、
休日の午後の一気読み、堪能しました。
★100満点で75点★
soramove
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初めて聞く作家の名前、次の翻訳も楽しみだ。
★映画ランキングはこちら
ケヴィン・ウィグノール著、333ページ、650円、新潮社
「イメージは映画版の
ジェイソン・ボーン、
違うのは記憶喪失ではなく、
自ら自分の仕事の幕引きをしようと
黒幕に近づいていくことだ、
そして、読んでいる間中感じる
このもの悲しさは何だろう」
ヨーロッパで9年もの間、
ある男の指令を受けて
様々な人物を殺してきた凄腕の
殺し屋が主人公、
しかし冷酷な人物というより、
冷酷であろうという心情が伝わる。
映画的な小説だ、
緊迫のシーンがいくつも作れそうで、
その具体的なイメージが
読みながら浮かんでくる。
ただし異色なのは、
自分を直接知る者を殺すことで
主人公が今の仕事を辞めようと
孤独な戦いを始めたことだ。
死んでしまった、かつての恋人への
ラブレターのように時折挿入される
自分の心情を吐露する部分では
普通のアクションものとは違い、
その落差に人間的なものを感じて、
いい形で終わって欲しいなと
願わずにはいられない。
面白い形式だけど、
感情を吐露する部分があることで
アクションの勢いのようなものが
そがれてしまっていることも確かだ。
そしてラストまで読んだとき、
主人公の悲しみの本質を知って、
深い喪失間を共有することになる。
330ページということもあり、
休日の午後の一気読み、堪能しました。
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