京都。

2009-04-20 15:52:03 | Weblog
 春になったせいで、様々な国から新しくやって来た留学生をどこかに案内する機会が、このところすこぶる多い。観光だけではなくて、クラブもバーも、ランチを食べる場所も夜ご飯の場所も本屋も服屋も。
 そうして思うことに、京都って案内して「どうだ、ここすごいだろ」ってなる場所がないですよね。誤解のないよう先に書いておくと、僕はもう10年以上もこの街に住んでいて、京都を好きだと思う。でもそれはあくまで「なんかここいいよね」の「いい」であって、ワォって感じじゃない。ナイスだけど、別にワーってなんない。僕は行ったことがありませんが、ヨーロッパの巨大な教会だとかカッパドギアだとかタージマハルだとかを見たらきっと圧倒されると思う。でも京都にはそういうのはない。良いとか悪いとかの問題ではなしに。せめて東大寺が京都にあってくれればと思うけれど。
 加えて、街があまり商業的に発展していないので買い物に連れて行く先もないし、高層ビルもないし、本屋は丸善が潰れて跡地がカラオケになるような文化的下降状況だし。近美もなんか普通だし。だから、良いとか悪いとかの問題ではないけれどなんかどこに行ってもいまいちガイドのしがいが無い。なんというか日常とは分断された異次元の楽しみを僕はこういうときに求めたいのだけど、そういうものはこの街にはない。

 加えて、驚いたことに結構多くの人が「日本人って毎日寿司とか天ぷらとか食べてると思ってた」らしいのだけど、僕がそういう店を知らないのでメキシコ料理屋だとか普通のモダンなカフェだとかにばかり連れて行き、「日本に来て一番驚いたことは日本人が日本食を食べないことだ。良太。私は日本に来たのに寿司をまだ食べていない」と言わしめるようになった。
 でもそれがリアルな日本人の生活なのだ。加えて、京都にはほとんどの国のレストランが存在する。フレンチだろうがネパール料理だろうがハワイ料理だろうがなんだって。そして僕はハワイ料理を食べに行ったことはあっても京懐石を食べに行ったことはない。

 ただ、しばらく京都に滞在している外国人は大抵京都のことを気に入ってくれているように思う。海は無いけれどいい街です。

luminescence.

2009-04-20 15:32:41 | Weblog
 写真はRichard Boxというアーティストの作品です。彼はBristol大学物理学科のレジデンスアーティストだということですが、高圧送電線の下に蛍光灯を並べて、送電線の作る電磁場で蛍光灯を光らせるという一連の作品を発表している。
 蛍光灯が高圧送電線の下で光るというのは話としてはずっと前から知っていて、でも実際に自分で試したことはなかったので、この春は流石に試そうと思って、それで高圧送電線がどこを走っているのか調べていたらこの写真が出てきた。本当にこんなに強く光るものなのだろうか。

 さて、試すなら電圧が高い方がいいので、京都のどこに高圧送電線が走っているのか調べてみました。中でも50万ボルト以上の電圧のものは超高圧送電線と呼ばれていて、福井の原発から京都の変電所までいくつかの幹線が走っているようです。僕が目を付けたのは福井県おおい町大飯原子力発電所から京都市西京区大原野にある西京都変電所を繋ぐ若狭幹線です。大原野という場所には大原野中学校という学校があって、僕が数年前にアルバイトをしていた塾にはこの中学校の生徒も来ていた。それから若狭幹線は僕の実家がある亀岡市を通っていて、僕は一時期毎日のように若狭幹線の下を通っていたことも分かった。何事も気にしないと気が付かないものだ。

 近いうちに蛍光灯を持って送電線まで行こうと思う。