1982年(昭和57年)11月3日文化の日に開館した、
埼玉県立近代美術館。愛称はMOMAS。(ザ・ミュージアムofモダンアート埼玉)。
オープンしてもう34年に成る。
この建物は黒川紀章氏が初めて設計した美術館で、当時話題になった。
氏は昭和9年愛知県で生まれ、京都大学、東京大学大学院卒業後、
東大丹下健三研究所に所属。丹下門下生には他に
槙文彦、磯崎新、谷口吉生など、錚々たる建築家がいた。
代表的作品は昨日、アップした中銀カプセルタワービルをはじめ、
青山ベルコモンズ、国立文楽劇場、沖縄県庁舎、六本木プリンスホテル、
豊田スタジアム、そして2016-6-3付ブログで紹介した
国立新美術館などがある。尚、夫人は女優の若尾文子。
平成19年73才で他界した。
閉館時間は10:00~17:30。休館日は月曜日、
(祝日、県民の日は開館)。入館料は無料。但しMOMASコレクションの
観覧料は一般200円。MOMASは西洋近代の巨匠から日本の
現代作家まで優れた美術作品を所蔵して展示している。
代表的作品としては、クロード・モネの「ジヴェルニーの積みわら夕日」
マルク・シャガールの「二つの花束」、バブロ・ピカソの「静物」
キスリングの「リタ・ヴァン・リアの肖像」彫刻としてアリステッドマイヨールの
「イル・ド・フランス」などがある。そして1階にはミュージアムショップ、
レストラン「ペペロネ」などの施設も設けられている。
1階から見た吹き抜けのセンターホール。天井のトップライトからは
自然光が入りB1Fの各彫刻作品を優しく包んでいる。
センターホールに展示してあるジャマ・マンゴーの「枢機郷」
同じくセンターホールにあるヴヴェナンツォ・クロチェッティの「マグダナのマリア」
センターホールをぐるり囲む様な1階ギャラリー。ここに展示してある
1884-86年オーギュスト・ロダン(1840-1917)作のブロンズ像
「ウスタッシュ・ド・サン=ピエールの頭像
1921年エミール・アントワーヌ・ブールデル(1861-1929)作の
ブロンズ像「チリーの女」 この像は見る角度によって
表情が変わる。正面から見ると泣いて入るようにも見える。
1929年シャルル・デスピオ(1874-1946)作ブロンズ像「ビアンキー二嬢」
MOMASは椅子の美術館とも言われ、館内にはたくさんの
グッド・デザインの椅子、69脚を所蔵している。
そして自由に座ることもできる。この椅子は1983年笠松栄作の
「折り紙チェアー/ツルーB」
デザイン1903年チャールズ・レニー・マッキントッシュ(イギリス)作
のヒルハウスのベットルームのためのハイバック・チェア
「ヒルハウス1」
デザイン1972-77年テルイェ・エクストレス(ノルウェー)作の「エクストレム」
デザイン1952-1953年ハリー・ベルトイア(イタリア)作の
「ダイヤモンド・ラウンジチェア」
デザイン1918年ヘリット・トーマス・リートヘルト(オランダ)作の
「レッド・アンド・ブルー」
デザイン1985年ペーター・オプスヴィック(ノルウェー)作の
「ガーデン:リトル・ツリー」
昨日北浦和公園のブログでも紹介したイタリアの彫刻家
エミリオ・グレコ(1913-1995)の作品「あゆみ」(1968年)。
この彫刻像の台座は高く、近くで見ると見上げるようだ。
置いてある場所もとても目立つ場所で女性の裸婦の割には迫力がある。
この作品は昔から大好きな彫刻だ。
橋本真之の1985年の作品「果実の中の木もれ陽」
題名の通り、木々の中に異様な姿で展示してあるといった感じ。
橋本省1986年の作品「流水の門」
田中米吉1985-86年の作品「ドッキング」
窓から突き出た柱みたいなものは黒川紀章が遊び心で設計に
盛り込んだのかと勘違いしてしまいそうな作品だ。
1階にはイタリアンとフレンチを独自にアレンジしたオリジナル料理を
出してくれるレストランペペロネが入っている。
ここでは窓の外の移ろいゆく季節を楽しみながら心豊かに食事をすることができる。
美術館入口前にでんと展示されている1984年
フェルナンド・ポテロ作の「横たわる人物」
美術館の階段を利用した作品。作者、作品名は分からないが
意表をついた発想で興味深い作品だ。
美術館の内から撮った柳原義達作の「風の中の鴉」。
氏は浦和出身、旧制浦和高校卒の彫刻家だそうだ。