大変な人気のJAL機体整備工場(羽田空港)の見学に行って来た。
予約は半年前から。しかもJTBの特別枠でようやく団体予約が取れた。
下の建物は新整備場駅のすぐ近くに建つM1ビル。
スカイミュージアムに着くと、現在のJALの主力機ボーイング777(トリプルセブン)の
模型が迎えてくれた。この大型機は平成19年に就航。
高さは6階建てのビルに相当。国内線の定員は500人。
国際線はファーストクラス、ビジネスクラス、トイレ、食事の調理場など
ある為244人だ。燃料は満タンで、ドラム缶900本程。
全重量は約340t(機体165t、燃料145t、乗客貨物、食事30t)。
大人の象で85頭分ある。
工場見学の流れは、航空教室、(ビデオ鑑賞)展示エリア見学した後、
生産現場のM1ハンガー移動連結通路M2ハンガー(格納庫)見学で
所要時間約90分と中味が大変充実したものだった。
ビデオ鑑賞とオリエンテーションの航空教室。案内してくれる
スタッフはすべて元乗務員か元整備士。それぞれの体験を交えて解説してくれる。
現場経験者でなければわからないエピソードが次々と飛び出してくる。
あんな重いものがなぜ飛ぶのかこの教室で理論的に分かった。
因みに羽田空港はディズニーランドの15倍の面積がある。
ではJALの歴史がぎっしり詰まったアトリウム内の展示エリアを紹介しましょう。
JALグループの歴代飛行機の1/50サイズのモデルプレーンを
螺旋状に展示してある。時代の流れに沿った飛行機の進化が見ることができる。
航空の歴史を彩ってきたJAL/JASの歴代制服を一堂に展示してある。
上から古い順で各時代の特徴がでている。
今はJALから消えた往年のエース機、ボーイング747(愛称ジャンボジェット機)の
断面模型。この機を見ると、私の友人がジャンボの教官をしていて、
まさか、日本航空が倒産をしてハローワークに行くとは
考えもしなかったと言っていたのを思い出す。
飛行機を誘導するマーシャラーの仕事をパドルを使って疑似体験することができる。
パイロットになった気分が味わえるコックピット。
国際線、国内線のシートが展示してある。これはJALファーストクラスのシート。
一部シートには実際に座ることができる。
他にも航空整備士、空港スタッフ、客室乗務員、パイロットの仕事の紹介コーナー、
JALの歩んできた歴史の大年表。皇室、特別フライト展示(このコーナーは撮影禁止)
制服体験、顔マッピング等々、航空マニアの人にはよだれの出そうな
展示が沢山ある。とても時間が足りないと思った。
さあーここからが機体整備工場(M1ハンガー)見学だ。ハンガーとは格納庫のこと。
飛行を繰り返すとここに入り、細部まで保守点検を行なう。
自動車の車検整備みたいなもの。
柱が一本もない、ジャッキ工法の建物。東京ドーム1個分以上の広がさある。
このナンバーは国籍登録番号で消すことができない。
このボーイング787は中古機として売却されるとか。
シップコンディションは現在の整備状況がひと目でわかるパネル。
航空業界では飛行機のことをシップ(船)と呼ぶのが慣例。
M1からM2への移動連絡通路を颯爽と歩く2人の整備士。ユニフォームがカッコイイ。
ここがM2ハンガー。日常整備を行う所で、ここではヘルメット着用。
ふた昔の名機、ダグラスDC-8(FUJI号)の部品発見。
こんな古い飛行機の部品をどうするのだろう。
この日は運の良い日だ。複数の飛行機を真近で見ることができた。
迫力の瞬間をカメラに納めようと思わずシャッターに力が入る。
いかにも整備の最中といった一枚。一体何をしているのだろう。
航空教室の内でエンジンの話があった。後方かなり後にトラックを置いて
エンジンをふかしたらゴロゴロ、ころがっていった映像を流していた。
エンジンはわかりやすく言うと風船の原理だと。
見学中、前に数台カーペットのワゴンが通った大きいものばかり
見ていたのでなんだこれは?と思ったが、機内にはカーペットが貼ってあったっけ。
機体のてっぺんに突起したものがある。これはWIFIのアンテナだそうだ。
これが付いたことによって機内でパソコン、スマホが使えるようになった。
エンジンの分解中の写真はTHIS IS整備工場の一枚だ。
翼の真ん中、黒ずんだ所が燃料タンク。なぜこのタンクはここに成ったのか?
答 ここしかスペースがないから。禅問答みたいだがこれ本当。
M2ハンガーに来ると色々なグループの見学者が来ていた。
このグループは女性が多い。赤いJALのヘルメットはすごくかっこよく見えた。
当社の次のヘルメットは赤にしようかと真面目に考えた。(スミダレッズ)
格納庫から全員、滑走路を見ている風景。たぶん整備士OBとみられる
我グループの案内者は注意ばかりする強面でこの時もこのラインから
前に絶対出ない様にと言われたので見事に一列に成っている。
目の前で2、3分おきに飛行機が着陸してくる。ここには
写っていないがもう少し右側に着陸ポイントがある。
この飛行機はそれをかなりすぎて着陸した。「あまり上手じゃないな」と
案内人はつぶやいた。しかし迫力あったナー。
入口の今週メンテナンスイズムが2通り貼ってあった。
これは毎週変わるそうだ。これも稲盛前社長のフィロソファーの現れか。
この見学ツアーをJALは昭和30年代から実施してきた。現在、年間の見学者数は
約8万人だそうだ。いかに人気がある必須ツアーかこの数字を見ればわかる。
又機会があれば違う視点でリピートしてみたいと素直に感じだ。