
京成金町線 柴又駅。なんとなくのんびりした
ちょっと田舎っぽい駅だが雰囲気がある。ここが
フーテンの寅さんの故郷、葛飾柴又の玄関口
観光客っぽい人が結構いた。

駅の広場の真ん中にあるフーテンの寅さん(渥美清)のブロンズ像

そのアップ写真、電車で来た観光客はここで最初に記念写真を撮る

駅から帝釈天参道に向かって少し歩いた所に
映画「男はつらいよ」の歌のあの有名なセリフの碑がある。

ここを過ぎて信号を渡ると、そこから「男はつらいよ」
ワールドの入口、帝釈天参道商店街になる
人情豊かな下町の情緒がたっぷり味わえる

柴又帝釈天参道、おみやげ、お食事マップ。これを見ていると
映画のシーンが思いうかんでくるのは不思議だ
きっと日本人のDNAに深く擦りこまれているのだろう。

商店街の風景。微妙に道が曲がっていて
昭和っぽい街並。なんとなく時間がゆっくり流れていてイイナー
こうゆう商店街好きだナー

寅さんの実家「くるまや」のモデルになったという
草だんご、和菓子の店「木屋老舗」どうしてもお土産に
草だんごを買ってしまう。

亀家本店の草だんごを作っている店員の皆さん

映画で必ずといっていいくらい出てくる帝釈天の二天門(明治29年建立)
もうまるで映画の世界と錯覚してしまう

逆に二天門から見た商店街

総ひのき造りの大鐘楼。映画ではこの下で
笠智衆が演じた御前様と佐藤蛾次郎の源公の
ホンワカしたやり取りを思い出す。

帝釈堂。柴又帝釈天は江戸時代初期(寛永6年)
に開創された日蓮宗の寺で正式名称は
経栄山、題経寺。帝釈天とは本来の意味では仏教の守護神である
天部の一つを指すが、日本においては
この柴又帝釈天を指すらしい。

昨年12月15日にオープンした山田洋次ミュージアムのポスター
ガラスに映った帝釈天と相俟ってイイ感じの一枚

寅さん記念館の向い側にできた山田洋次ミュージアム
8つのテーマで”山田洋次もう一つの世界”に出会える
残念ながら時間がなく中に入れなかった。

昨年の秋、山田洋次監督が文化勲章を受章したのを機に
リニューアルオープンした「寅さん記念館」
13のエリアに分かれ日本人の心の故郷「寅さん」の全てが楽しめます。

入口の上で出迎えてくれる背中を向けた寅さん
館名の看板文字を取り付け中
ユーモアたっぷり

山田監督をはじめ撮影、照明、録音、メイクなど映画製作の
現場スタッフを紹介。監督が使ったメガホン、デッキチェアなども展示してある

戦前の映画ポスター「二十四の瞳」「東京物語」
「君の名は」「愛染かつら」など昔の名作がずらり

実際の撮影に使用した「くるまや」のセットを大船撮影所から移設

撮影を再現している照明と録音スタッフの人形

タコ社長の朝日印刷所を再現、寅さんと博、タコ社長や労働者諸君との
名場面が思い起こされます

本物の活版印刷機も展示され簡単な印刷体験も楽しめます

館内には随所に「男はつらいよ」の映像が映され
主題歌と寅さんの声が流れています。
歩いているうちにあの時代にいやでもタイムスリップしてしまう


寅さんの実家「くるまや」の模型、くるまやは意外と広い
寅さんが2階で昼寝している。


「わたくし生まれも育ちも葛飾柴又です」コーナー
昭和30年代の帝釈天参道の街並みを遠近法を用いて精巧に再現
寅さんを探す楽しい仕掛けもある

寅さんおなじみの衣装

そしてあのトランク、寅さんの全財産、よく見るとふんどしがある。

奥に見えるのが江戸川の土手、その向こうに「矢切りの渡し」がある
伊藤左千夫の名作「野菊の墓」の一場面
二度と逢うことのない恋人たちが別れていった
哀しみの舞台としても知られている

帝釈天の先にあるのが大正末期から昭和の初期にかけて
建てられた「山本亭」モダンな長屋門で新旧織りまぜた
素晴らしいデザインだ

山本亭の裏口、ここから通り抜けるのが近道

書院造りの和室とモダンな洋間が調和した美しい邸宅
緑あふれる典型的な書院庭園が目を楽しませてくれる
山田洋次監督は寅さんシリーズをはじめこれまで
手懸けてきた数々の名作を通じて、日本の豊かな
自然とそこに住む人々の温かい心を丹念に描き続けてきた
それは私たち日本人にとって、大切でありながら
忘れかけていたもののひとつでした
山田洋次監督は永年探し続けてきたものを
葛飾柴又で見つけたのです。