スミダマンのほのぼの奮戦記

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河井寛次郎記念館

2022-07-29 06:11:22 | 建物

土と炎の詩人、その作品、陶房、登窯、コレクションを公開している河井寛次郎記念館。

昭和48年(1973年)2月1日にオープンした。

http://www.kanjiro.jp/

偉大な陶芸家・河井寛次郎は明治23年(1890)8月24日、島根県の安来市に生まれる。

東京高等工業高校(現・東京工大)窯業科を卒業、

京都市立陶磁器試験所に入所、研究制作に励む。

大正9年、30歳の時に現住所に住居窯を設ける。

大正15年、36歳の時に柳宗悦・浜田庄司らとともに日本民芸美術館を設立。

昭和11年、46歳で東京駒場に「日本民芸館」を開館する。

昭和41年、76歳で没。

この家(記念館)は寛次郎が日本各地の民家(主に飛騨高山)を参考にしつつ、

独自の構想のもとに設計し昭和12年(1937)に建築されたものです。

玄関を入って細長い廊下を進むと受付に出る。

そこに広がるロビー的空間には寛次郎自らがデザインした円形椅子、

木製ベンチ(断面が三角で朝鮮の炒事台をヒントに)、竹製家具、

柱時計(昭和12年新築時に柳宗悦氏寄贈)、箱階段(昭和12年新築時に浜田庄司氏寄贈)

などが飾られ置かれている。

なお、床は朝鮮張に擬したものです。

受付のある隣には存在感のある大型家具的なものが鎮座している。

これは寛次郎が製作した「自在鈎」だ。

飾られた〆縄もすごく立派。

暑い中ここまでテクテク歩いて正直ものすごく疲れたので窓際の椅子に座ったら

一見すると猫のオブジェが置いてあると勘違いするほど全く動かない太った猫が寝ていた。

他のお客もそう思ったのか触れると動いたのでビックリしていた。

受付のところには河井寛次郎の作品の絵葉書や書籍が沢山売られていた。

特に写真の作品を見ていくと寛次郎の作風がなんとなくわかってくるような気がする。

ロビー的なところの次に和室2部屋に行く。

この建物が新築された際、古い家具の柱を利用し、寛次郎自らが彫ったこま犬。

黒田辰秋作の飾り棚、寛次郎自筆の翻とデザインした額などが飾られている。

母屋から出るとゆったりとした中庭に出る。

中庭の向かい側には陳列室、茶室がある。

敷かれているすのこを渡っていくと素焼窯、釉掛けや絵付けを主にする釉壺コーナーなどを通る。

この中庭を過ぎると作品が展示されている休憩室になる。

向かい側には陶房がありここでも一部作品が展示されていた。

河井寛次郎は、その生涯を通じていつも子供のように感動する心を失わず、

ありとあらゆる物と事の中から喜びを見出し、

そして何よりも人と人生をこよなく愛し大切にした人であります。

この京都の街の真ん中にデーンと構えた登り窯。

この窯は昔に築かれたものを寛次郎が譲り受け、鐘徯窯と名付けていた。

火は二昼夜にわたって前の室から後ろの室へと燃やされ、

このために約2000束の松の割木を必要とした。

寛次郎は主に窯の前から2番目の室を使用し、作品のほとんどがここから生み出された。

ここは陶房内にある「けろくろ」。

足で蹴ってまわすろくろだ。

休憩室の前の作品展示コーナーに展示されていた作品でスミダマン的に目に留まったもの。

寛次郎作品は3つの作風の変遷が見られる。

中国や朝鮮の陶磁器に倣った初期、民藝運動と連動した「用の美」の中期、

そして戦後の自由な表現がみられる後期だ。

この縄ののれんをくぐると廊下状の陳列室に出る。

この縄のれん辺りのしつらえがとても京風でいいです。

河井寛次郎の作品です。

寛次郎のスケッチと作品の数々。

ここでご覧いただくものの中には作陶をはじめとした木彫。

文章を通じて激しい表現をしたものが数多くある反面、

建築・調度品・蒐集品の中には日々の生活に素を尊んだ寛次郎の静かな精神を見ることができる。

この記念館はそんな寛次郎であったことを皆さんに知っていただくとともに、

ここが作品を創作した場所であるだけでなく、高く、深く、人間を讃えつつ

生活をした場所であることを観ていただくために開館したとのことです。

寛次郎の数々の遺品も展示している。

それをじーっと見ているとそれぞれが今でも生々しく生きているようにも見えてくる。

2階の吹き抜けから見た1階ロビーエリアの光景。

この建物は純日本式の木造で材木も太い無垢材を使っており重厚感があって素晴らしい建物だ。

2階の2つの居間と上段の間。

特に1枚目の写真の和室は一段高くなっていて素晴らしい気を感じる。

吹き抜け横の板の間の部屋で寛次郎がデザインしたという椅子にしばし座り、

開け放たれた窓から本当に心地の良い肌に優しい風にあたり

しばし夢心地の世界に浸りきってしまった。

あーなんて気持ちがイイんだろう。

こんな気分、久し振りに味わえた。

河井寛次郎展のポスター。

おかげさまで何かの美、何かの感動、何かの驚き、何かのやすらぎを

覚えることができありがとうございました。

 

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
河井寛次郎記念館 (遅生)
2022-07-29 11:11:23
こんにちわ、初コメです。
河井寛次郎記念館、昔、行きました。

確かに、館内でしばらくして、落ちついた自分を発見して不思議な気分になりました。
ゴチャゴチャした故玩館も、展示を工夫して、来訪者に落ちついてもらえる場所にしたいと思っています。

あの街中で、登り窯を焚いていたというのも今では信じられません。
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Unknown (スミダマン)
2022-07-30 14:40:29
お暑うございます。コメント返信遅くなりました.
河合寛次郎記念館初訪問でしたが、素晴らしい、雰囲気のある記念館でした。
遅生さんの故玩館にもいつかお伺いしたいです。
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