知床は原生林に囲まれ、野生動物の宝庫。夕食を終えて、
知床ネイチャーガイドによる案内で、知床ナイトツアーに行って来た。
知床世界遺産エリアに入ると、バスの車内照明を全て消して、動物探し。
ネイチャーガイドさんは野生動物の出るポイント、ポイントを熟知していて、
まず最初に「北キツネ」を発見。キタキツネの生態は土手などに穴を掘り、
巣穴とする。春先に子どもを産み、秋にかけて雌が育てる。雄は単独で行動し子育てはしない。
昭和53年公開のドキュメンタリー映画「キタキツネ物語」で
よく知られるようになった。下の写真は知床第一ホテルロビーに展示されていたプロの写真。
この夜は遠くでしか見ることができなった「エゾ鹿」
その角をこの女性ネイチャーガイドさんが持ってきて、車内で回覧した。
この立派な角は1年で生え変わるそうだ。実際手に取ってみると
想像していたよりズッシリと重い。鹿の角はオスにだけ生え、立派な角ほどメスの気を引くらしい。
それにしてもこの女性ガイドさんの話は素晴らしく感動物であった。
知床野生動物のチャンピオンは何と言っても「ヒ熊」。
このガイドさんは我々に是非見せたいとポイントポイントを
サーチライトで探したが、なかなか見つけられない。
半ば諦めて帰る途中、最後のポイントの橋の下で大きなヒ熊を発見した。
それがこの一枚だが、周囲は暗くしかも、動きが速い為、
こんなボケた写真しか撮れなかった。右上の黒いものが、ヒ熊だ。
(9:26PM)この熊は川の中のシャケを採っていた。
それは素早い動きで幾匹もシャケのイクラ部分を食べてはすぐ捨てていた。
これを贅沢食いと言うそうだ。
それにしても人家の近い所で野生の熊と遭遇するとは!
ネイチャーガイドさんの話では自然優先で「人が檻の中で暮らす」という感じだとか。
この光景を見る事が出来ただけでも道東に来た価値があったと感じた次第です。
もう一つの目玉がこの「シマフクロウ」。これは随分探したが
発見することができなかった。シマフクロウは翼を広げると1.7mにもなる世界最大のフクロウ。
その名は島(北海道)に棲むことに由来する。
魚を主に食べる為、水辺近くで巣を構えられる大木のある林が生活の場所だそうだ。
今では北海道に120羽ほどしかいないと言われている。(このオブジェは実物の約2倍の大きさ)
翌日はウトロ温泉から網走まで長いバスの移動だった為、
道中何回かエゾ鹿を発見したが、車中からの写真は一瞬の芸。なかなか良いのが撮れなかった。
オホーツク流氷館で見た流氷の天使と称されている「クリオネ」
ゼリー状の透明な体はとても柔らかく、綺麗に透けた朱色の部分は消化器官。
口器、頭部は体の上部にあり、翼足と呼ばれる羽のような
足を羽ばたかせ移動する。クリオネの性は同一個体にオス、メスを
兼ね備えた雄雌同体。暖かくなると数千メートルの深海に潜ってしまう為、
生態は未だ神秘のベールに包まれている。
摩周湖の売店の所で出会った「エゾシマリス」。とても小さな体だが、
両手で木の実を持ってモグモグしている仕種がなんとも愛嬌があってかわいらしい。
ディズニーのキャラクターそのものだ。
摩周湖から釧路湿原に近づくと広い畑で何回も見る事が出来た「丹頂鶴」。
日本や中国では古来深く親しまれてきた鳥で
折鶴、千円札、昔話などで身近なことから日本を象徴する鳥になっている。
日本では1924年に釧路湿原で再発見されるまでは絶滅したと考えられていた。
現在は生息数が順調に増加し、740羽(2000年)生息している。
因みに1964年に北海道の道鳥に指定されている。
森繁久彌、加藤登紀子が歌っている「知床旅情」その歌詞の中に
「知床の岬に はまなすの咲くころ」と歌われている。
「ハマナス」の花と実。ハマナスはバラ科の落葉低木で夏に赤い花(まれに白い花)を咲かせる。
根は染料など、花はお茶、果実はローズヒップとして食用になる。
又、皇太子妃雅子さまのお印でもある。
キタキツネで紹介した知床第一ホテルのロビーに展示してあった他の動物写真、リス系の2枚。
さすがプロの世界は全然、違うナ。
ブログ「網走の街」でアップしたオホーツク流氷館で買った小さなクリオネマリモ。
マリモは球状集合体を作ることで知られている淡水生の緑藻の一種。
阿寒湖のマリモは国の特別天然記念物に指定されている。
これで北海道道東シリーズは終わりです。今回の「さいしん旅の
生きがい大学」は本当によく練られた中味の濃いスケジュールでした。
埼信とJTBで一年前から練りに練って、理事長はじめ幹部の方も
事前に下見してくるという念の入れよう。JTB内部でもここはこうすべきだとか社内会議が続いたとか。
正に360度の世界遺産知床に泊まる感動の瞬間を
体感できた道東3日間の旅でした。さいしんさん大変お世話になりました。