『カルロス四世の家族』
井上靖
古本屋で買ったまま積読していた本。
1989年の中公文庫で、巻頭カラー図版が数ページついて
定価420円(古本屋で200円)。
ううむ、安い。
値段はさておき。
井上靖の美術に関するエッセイをまとめたものです。
副題は「小説家の美術ノート」で、
題材は以下。
ゴヤ「カルロス四世の家族」
桂離宮
レオナルド・ダ・ヴィンチ小論
顔真卿の「顔氏家廟碑」
「信貴山縁起絵巻」第一巻
洋の東西を問わず、博学な人である。
桂離宮に関しては、どんな人がどんな気持ちで
この建物をつくったのかなあ、という観点で
小説家っぽいおもしろさがあります。
周囲を借景する気のない塀囲みをする、その気持ち。
確かに考えてみると謎なような、共感もあるような。
顔真卿(がん・しんけい)は、唐代末期の書家、政治家。
腐敗しつくした唐の王室において
(玄宗が楊貴妃といちゃついていた時代)
謹厳実直、不正はついつい指摘しちゃう、みたいな人だったらしく、
何回も地方に飛ばされている。
そして書の方も「真面目!」って感じの上手さである。
おもしろい人だ。
最後の「信貴山縁起絵巻」もおもしろかった。
第一巻は詞書(ことばがき、絵巻の説明文)がないのですが、
じゃあ想像してみよう!ということで
井上靖があらすじを書いてみた、って内容。
なんか楽しそうだな。
別名「山崎長者の巻」と言われていて、
不思議な鉢が長者さまの蔵を盗むという、
「何言ってんの?」となる内容です笑
もうちょっと絵巻の図版があってもよかったな。
テーマも書き方もバラバラではありますが、
なんというか、井上靖って博覧強記おじさんだなあっと
改めて思う一冊。
井上靖
古本屋で買ったまま積読していた本。
1989年の中公文庫で、巻頭カラー図版が数ページついて
定価420円(古本屋で200円)。
ううむ、安い。
値段はさておき。
井上靖の美術に関するエッセイをまとめたものです。
副題は「小説家の美術ノート」で、
題材は以下。
ゴヤ「カルロス四世の家族」
桂離宮
レオナルド・ダ・ヴィンチ小論
顔真卿の「顔氏家廟碑」
「信貴山縁起絵巻」第一巻
洋の東西を問わず、博学な人である。
桂離宮に関しては、どんな人がどんな気持ちで
この建物をつくったのかなあ、という観点で
小説家っぽいおもしろさがあります。
周囲を借景する気のない塀囲みをする、その気持ち。
確かに考えてみると謎なような、共感もあるような。
顔真卿(がん・しんけい)は、唐代末期の書家、政治家。
腐敗しつくした唐の王室において
(玄宗が楊貴妃といちゃついていた時代)
謹厳実直、不正はついつい指摘しちゃう、みたいな人だったらしく、
何回も地方に飛ばされている。
そして書の方も「真面目!」って感じの上手さである。
おもしろい人だ。
最後の「信貴山縁起絵巻」もおもしろかった。
第一巻は詞書(ことばがき、絵巻の説明文)がないのですが、
じゃあ想像してみよう!ということで
井上靖があらすじを書いてみた、って内容。
なんか楽しそうだな。
別名「山崎長者の巻」と言われていて、
不思議な鉢が長者さまの蔵を盗むという、
「何言ってんの?」となる内容です笑
もうちょっと絵巻の図版があってもよかったな。
テーマも書き方もバラバラではありますが、
なんというか、井上靖って博覧強記おじさんだなあっと
改めて思う一冊。