思惟石

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『うろん紀行』 読書案内?妄想紀行?

2022-11-15 17:26:42 | 日記
『うろん紀行』
わかしょ文庫

作者のお名前が「わかしょ文庫」さんだそうです。
そして出版社の名前は「代わりに読む人」社。
奥付が混沌としている笑

作者が月に一回、本に関わるどこかにおでかけする
というエッセイ。
第一回は笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』
にちなんで「海芝浦」に行きます。

って感じで読み始めて、んん?と思った。
笙野頼子要素をひとまず横に置くと、
これは岸本佐知子氏の『死ぬまでに行きたい海』じゃないかな?
出不精の作家が連載ということで重い腰をどっこらしょと上げて
軽妙かつ思索的というかたまに妄想的な文章を書く、という。
岸本氏も海芝浦に行ってたしね。
好きなんかな?

と、第一回から思考が乱れまくるのですが。
読むとおもしろい。

わかしょさんは海芝浦に行って
「思ってたんと違う」
と感じるのだけど、わかしょさんの頭の中にある
「タイムスリップ・コンビナートの海芝浦」
のイメージが、すでに原作と違うのである。
現実とも小説とも違う、自分だけの海芝浦イメージ。
この、「決して同じ場所にたどりつけない」感覚を
とても大切にしているように感じる。
良いよね。
こういう感覚。
コメント
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