思惟石

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『マーティン・イーデン』 ひとりイライザもしくはセルフ岩窟王小説

2022-11-01 17:00:53 | 日記
『マーティン・イーデン』
ジャック・ロンドン
辻井栄滋:訳

作者ジャック・ロンドンの自伝的小説と言われているけれど、
それはさておき、すごい熱量。すごいおもしろい。

主人公マーティン・イーデンはザ・労働者階級。
ふとしたきっかけで知り合った上流階級のルースに憧れ、
そこで垣間見た上流階級の暮らしにも憧れ、
自力で勉強してがんばる、というお話し。

ヒギンズ教授無しでがんばるイライザみたいだ。
もしくはセルフ岩窟王かな。

自発的に向上心を抱いて、無茶苦茶に勉強するエネルギーが凄い。
なにしろ500ページ中の450ページくらい(適当)、
ずっと頑張って這いずり回ってもがいている笑
つらい!

イーデンったら、なかなか成功しなくて読んでるこっちも
苦しいんですが、成功した後の苦しみも、歯痒い、沁みる。
んんあ〜!!!ってなる。

若い頃に読んだら、よくわからんけど、真夜中にちょっと
10キロほど走ってくる!と言いかねない。
よくわからんけど。

前半では無学なマーティンが「成功したい」と言いますが
だんだんと「地位」「名誉」のハリボテ感を知るようにもなる。
多分、彼が求めていたのは「教養」なんだろうなあ、
というのが、めちゃくちゃ共感する。
私も欲しいよ、「教養」!
コメント
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