思惟石

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『孤高の人』新田次郎

2022-02-15 17:01:03 | 日記
新田次郎氏は「山岳小説」の先駆者でもあるそうです。
私は20代半ばで一度だけ富士山に登りましたが、
「一生に一度の経験だな(良くも悪くもな!)」
と思いました。
いつか高尾山のビアホールに行くのが夢です。

それはさておき、私には縁遠い「山」の小説。
新田次郎も読んだこと無かったし、と思って
なんとなく読んでみた。

『孤高の人』は、不世出の登山家・加藤文太郎の人生を描いた小説。
主人公は実在&実名です。
え、そうなの?
令和のご時世では無さそうな話である。

主人公の登山記録も実際の山行に沿っていますが、
それ以外の人間ドラマ的なところはフィクションです。
そうなの?
フィクションとノンフィクションのバランスが不思議な作品である。

作者の新田次郎は元々兼業作家で、気象庁に長年勤務しています。
富士山頂観測所(!)にいた頃に
富士山をスタスタ登頂する加藤文太郎本人に会ったのだとか。

加藤文太郎が亡くなったのは1936年。
新田次郎が気象庁を辞して専業作家になったのが1966年。
『孤高の人』出版は1969年です。

作者の、山が好きで加藤文太郎が好きという情熱が感じられる小説!

ですが、若干、長いよね…!
山行描写が細かいのは『山と渓谷』の連載小説だからさもありなん。
しかし、人間関係部分が、薄い割に長い気がしたな。
うーん。

とはいえ一人の男の人生を淡々と描ききるというのは
こういうことなのかも、とは思う。
おもしろかったし。

とはいえとはいえ、加藤のコミュ力の無さと学習能力のなさは圧巻ですよ笑

相手を怒らせたって自覚してるなら、下手なりに謝ろうよ。
言葉が下手でも誤解を解くために何かを発しようよ。
笑顔が下手すぎて「冷笑に見える」って、あんた。
どこかで気づこう????直そう????

上下巻の長きに渡って、ずっとこのレベルなので、
心配を通り越して説教したくなる。
それ、絶対に加藤に嫌われるヤツだけど。
コメント
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