思惟石

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【読書メモ】2010年12月 ①

2019-04-26 15:15:08 | 【読書メモ】2010年
<読書メモ 2010年12月 ①>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。
長かった竜馬月間が終了し、勢いに乗って積ん読をやっつけた。
相変わらず仕事は忙しかったけれど、10月頃のような
読書メモも書けないような荒み方ではないので


『竜馬がゆく(8)』 司馬遼太郎
長かった…。
O次長とM次長との飲み会が、竜馬のおかげで盛り上がった。
おっさんはみんな竜馬(&歴史)が好きだな。
ありがとう竜馬。しかし最期は不用心にも程があると思う。

(というわけで文庫本全8巻読了!
 途中で一回休みはしたけど、ダレることなく一気にこの分量を読ませる
 司馬遼太郎は本当に偉大だと思います。
 ちなみに歴史好き次長ズと飲む会があり、竜馬の話しと
 その頃大河化が決まっていた「お江」の流れで
 浅井三姉妹の話しで盛り上がりました。
 日本史はビジネスに役立つなあ。
 ちなみに私の中で浅井三姉妹といえばAZAISMです)



『いつか王子駅で』 堀江 敏幸
競馬系の雑誌に連載されていたお話し。
どうりで馬の話しが多いと思いました。
馬の話しはついていけなかったが、
主人公が読んだ本の回想なんかは良かった。
咲ちゃんがトムソーヤをトム木挽きと訳したのもよかった。

(連載誌は『書斎の競馬』という雑誌だそうです。
 連載途中で休刊になってしまったものを書きあげたとのこと。
 当時は王子駅からひと駅の駒込に住んでいたので、
 私の住む街のすぐ隣に、こんなステキな時間の流れる場所が
 あるのだろうか…と不思議な気もちで読んでいた。
 私は相変わらず仕事がハードでした)


『チルドレン』 伊坂幸太郎
登場人物のちょっと気のきいたひと言がうまい人だと思う。
『オーデュボンの祈り』の頃より断然良くなってる。
一作目の印象悪かったからな。

(伊坂作品、総じておもしろいとは思っているのですが、
 作品によって記憶に残るか、好感が持てるか、の振れ幅が大きい作家なのです。
 ちなみにデビュー作の『オーデュボンの祈り』は出版後すぐに読んで
 すごい新人作家だなと思いつつ、クズ警察官の描写がクズすぎて
 嫌悪感を抱いていました。今でも伊坂作品は読むけど、
 ちょっと構えて読んでしまうのは最初の悪印象のせいだと思います)
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宮下奈都『誰かが足りない』

2019-04-26 13:17:47 | 日記
おいしいと評判でなかなか予約の取れない
駅前のレストラン「ハライ」。
10月の最後の日、ハライに集う人々を描いた6つの短編集。

それぞれの短編は何らかの「足りない」を抱えた人で、
その欠落(もしくは喪失)に静かに向き合った結果、
おいしいと評判の「ハライ」に行こうという
ささやかだけど前向きなアクション(予約)に収束します。

就活にも恋にも失敗した若い男。
認知症の始まった女性。
係長という名ばかりのブラック勤務にふりまわされる女性。
ビデオ越しでないと現実を見られないひきこもりの兄。
客に恋するビュッフェのオムレツ担当男子。
人が失敗する匂いをかげる不思議な能力のある女性。

なんというか、各短編のデキの良さには
正直、ばらつきがあります。
後半に行くにつれて、良くなる感じかな。
個人的には、ひきこもり兄が一番良かった。
まあ、総じて読みやすい内容とボリュームかと思います。

5点満点でいったら、3点。見事な真ん中。
ですが、
ハライに予約を入れる、という、ある意味小さな一歩ですが、
それでも全員が踏み出しているのは、良いと思う。
読んで損した~、とか思うことは無いと思われる作品です。

ちなみにこの作者は『羊と鋼の森』でブレークしましたね。
第13回本屋大賞受賞(2016)、直木賞の候補作にもなりました。
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