思惟石

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アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』SF金字塔!

2018-03-29 23:22:34 | 日記
アシモフといえば、HONDAのアシモの名前の由来。

って、私は知らなかったですが。
言われてみれば、オマージュを捧げたくもなる大御所ですね。

『鋼鉄都市』はアシモフの最初のロボット長編作品です。
1953年の作品。

アシモフといえば、あの有名すぎる
「ロボット工学3原則」の生みの親でもあります。
(編集者との共作らしいですが)
この原則にのっとった世界観をほぼ全ての作品で貫いていますが、
『鋼鉄都市』はそのなかでも評価の高い作品。

ちなみにこの作品、SFやロボット系だけでなく、
ミステリとしても、高評価です。

うむ、たしかに面白かった!
これは読んでおいて損のない作品です。

舞台はちょっとだけ近未来で、
地球は人口過剰でシステマティックな
(なんだか共産主義的な匂いのする)
超過密都市になっています。

で、宇宙人という外的存在がいるのだけど
それは、ほんの少し前に惑星移住を遂げた元地球人
(生態的にちょっと変化してる)で、
それでも「異なる者」としての嫌悪感を抱く地球人の感情があり
ついでに、ロボットにも「人の職を奪う者」としての憎悪があり
そんな複雑な地球社会で、宇宙人が殺されるという事件が起きて・・・

という、ミステリが軸にあるお話です。

主人公の刑事イライジャ(人間)と、
宇宙側から送られて来たパートナー、
R・オリヴォー(高性能ロボット)の
でこぼこコンビな感じはとても良いです。

イライジャは、地球人の例に漏れず
ロボットに嫌悪感を抱いていますが、
クレバーであり自分で考えるタイプの人。

宇宙人(早々に宇宙へ開拓に出た、元地球人)に
広い視野での宇宙論を語られると、
「今までの自分」を固辞しつつ、
何が自分たちの未来(イライジャには年頃のこどももいる)にとって
大事かということを考える柔軟さも持っている。

でも、妙なところが頑固で、ヘンテコな推理したりして、
なかなか愛らしい主人公です。

作者は科学者としても高名ですので
世界観の設定にも説得力あるし、
作家としても一流なので
キャラクターとストーリーも魅力的。
読んでいてい本当に納得できるし、楽しいです。

これが1953年の作品かあ〜
っと、しみじみ驚きます。

ちなみにルンバをつくった会社の名前
「アイロボット」も、アシモフ作品への
オマージュのネーミングらしいですよ。

アシモフ、ロボット界隈で愛されすぎ!
コメント
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