鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

渡辺崋山『参海雑志』の旅-田原から伊良湖岬まで-その6

2015-01-27 05:51:04 | Weblog
田原城下を出立して、高松村の冨士見茶屋で遅めの昼食を摂った崋山は、そこから1里ばかりを歩いて赤羽根村に至ります。この赤羽根村で海岸に出た崋山は、そこで最近設けられたという「遠見番所」を見学し、それをスケッチしています。このスケッチは『渡辺崋山集 第2巻』のP261に掲載されていますが、『近代デジタルライブラリー』の『参海雑志』で見てみると、そのスケッチはその主要な一部分であって、原画はそれが建っている場所などもわかるもっと大きなスケッチであることがわかります。その原画によると、赤羽根遠見番所は、かなり高い崖っぷちの上にあり、もう1棟、小さい東屋のような吹き抜けの建物も近くにあったことがわかります。浜辺にあったのではなく、「遠見」ができる高台(崖っぷち)にあったことが、この原画からわかるのです。 . . . 本文を読む