鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

渡辺崋山『参海雑志』の旅-田原から伊良湖岬まで-その2

2015-01-17 06:41:37 | Weblog
崋山は、田原から伊良湖に出て神島を訪問し、さらに佐久島や吉良を訪ね、東海道藤川宿に出て、岡崎宿から吉田、豊川、鳳来寺なども訪ねる予定でいたようですが、実際は藤川宿から吉田宿(豊橋)経由で田原へと戻り、岡崎や鳳来寺などを訪ねる予定を切り上げています。予定を切り上げた理由はよくわからない。同行者は鈴木喜六と供(荷物持ちか)の二名。神島へはその二人と船子の三人、崋山と合わせて六人で伊良湖から船に乗っています。天保4年4月15日(陰暦)の天気は曇。出立した時刻は「午(うま)の刻」(正午頃)。田原のどこから出立したのかは書いてありませんが、おそらく田原城内から出発したものと思われます。「高松の冨士見茶屋にてぞ飯す。田原よりこの村までハ二里なり」とあり、崋山ら三名は田原からまず高松に至り、その村の道筋にあった「冨士見茶屋」で、休息を兼ねて遅めの昼食を摂ったことがわかります。 . . . 本文を読む