河原の土手でよく見かけるイチゴの仲間です。
和名はナワシロイチゴで、6月の苗代の頃に実が赤く熟すことからこの名が付けられています。
小さなバラの蕾の様な形の花は、萼が開いた後にも花弁が開くことはありません。
花の構造としては雌蕊の柱頭の先端が僅かに開いた花弁から顔を覗かせているだけで
その周りを取り巻く雄蕊は短く、花の中に隠れていてその基部に密を溜めています。
いったい、こんな状態でも受粉を助けてくれる昆虫が居るのだろうか?
ふとそんな疑問が頭をよぎります。
撮影していると1頭の蜂が飛来して、この花をこじ開けようとしていました。
がしかし、凡そ10秒で退散・・・
花弁が落下した後の花を見ると基部の合着した雄蕊が露出しているのが判ります。
花弁はおそらく自家受粉を避けるための役割を果たしているのでしょう。
花弁は首尾よく遺伝子交換が行われた後に落下するものと思われます。
ナワシロイチゴ <バラ科 キイチゴ属> 落葉低木