山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

サネカズラ(実葛)

2013-11-24 08:47:31 | 被子植物離弁花

名にしおはば 逢坂山のさねかづら 人に知られて来るよしもがな(三条右大臣)

百人一首に登場するサネカズラです。

この一首を見る限り、古くは現在のように「実葛(さねかずら)」ではなく

「実鬘(さねかづら)」が使われていたようです。

カズラ(葛)は広く蔓植物一般を指しますが、カヅラ(鬘)は髪飾りのようなもの・・・でしょうか?

しかし、それはあくまで現代的な解釈であって、歴史的に見て、仮名文字の使い方に大きな変遷が

あったことを考えれば、一概に「葛」と「鬘」の間に意味の違いがあったかどうかはよく判りません。

サネカズラ<モクレン科 サネカズラ属> 常緑蔓性

基本的には雌雄異株の植物ですが、雌雄同株であったり稀には両性花も存在します。

蔓性とはいうものの、他の植物に絡みつくというタイプではなく、どちらかというと寄り添って

生きているいる印象が強い植物。

葉や枝には粘液が多く、古くはこの粘液を水に溶かして整髪料として使われていたらしく

別名でビナンカズラ(美男葛)と呼ばれるのはこのため。 

サネカズラ

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