「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

南伊豆地区6市町合併は衰退への序曲

2007-05-22 23:45:53 | 日記
道州制への動きが淡々と進められている。
自民党道州制調査会は道州制に関する5つの小委員会を設け、既に小委員会報告が取りまとめられ6月20日には中間報告として了承される見通しとなっている。

静岡県にとって最も注目すべきは区割りである。
先の地方制度調査会区割案では静岡県は全域が愛知県と同じ州となっていたが、少なくとも伊豆東海岸の市町でこの案に納得する人は少数であろう。
行政関係者でもない一般の市民にとって、伊豆急から伊東線を経由し熱海から見た県都静岡市は現実以上に東京よりも遠く感じられている。
レジャー、買い物、医療機関への通院等々熱海から同じJR東日本の東京に向かうのが圧涛Iだ。
県は石川嘉延を本部長とする市町村合併推進本部会議で下田市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町を一つの市に合併させる構想を示したが、単に県の出先機関の管轄を当てはめただけの県管理の都合優先の区割でしかない。
どこの市町を核にしてどのようなビジョンで地域の発展を図ろうというのか全く見えない。
むしろ、東伊豆町は熱海、伊東と合併し、関東からの誘客というルートに選択集中した政治経済の施策を推進した方が希望がある。
西伊豆町は県東部の中心である沼津と合併し道路整備に着手し伊豆東海岸とは違った観光誘客などをした方が希望がある。
冒頭の道州制調査会の中の区割などを担当する道州制推進小委員会は道州制の区割について既存の都道府県境に必ずしもこだわらないよう求めている。
道州制となったら伊豆の東海岸と西海岸が別の同州になるということも考えられる。
そうなればサービス競争が生まれ共に発展の可能性が出てくる。
同じ同州であっても違う市なら類似の競争もある得るだろう。
しかし、もし県の案のように弱小市町だけで合併したらどうなるか。
県や同州に陳情し頼るだけの惨めな衰退を招くだけだ。
わが国を取り巻く状況は確実に市町を初めとする行政の再編を強いている。
しかし、拙速な判断、人任せ、無関心は厳に慎むべきである。

後手後手

2007-05-21 23:16:53 | 日記
はしかが関東地方の学生に流行している。
その一番の原因は厚生行政の失策だ。
1989年、当時の厚生省は従来の単独ワクチンに換え、新三種混合ワクチン(MMRワクチン)を導入した。
ところが、副作用の報告が相次ぎ1993年に中止に追い込まれた。
この間、副作用を恐れた保護者は子どもに接種させず、未接種者が多い年齢層が生じた。この年齢層が現在の15~20歳に当たる。
今回の流行の引き金自体は偶然かもしれないが、同年代が集団で過ごす学生生活において感染が広がることは十分予測できたであろうにこれまで何の手も打っていなかったのは生命財産を守るべき行政としては無責任というものだ。
しかも、ここにきて、ワクチンが不足するかもしれないので、必要な人が接種を受けられるよう都道府県や医師会などに適正量のワクチン購入に務めるよう求める通知を出したというが、これだけ騒がれれば確保競争は避けられず、要請通知1本で効果があるとは考えられない。国が主導しての違ったコントロールの仕方があるのではないか。
地方自治体においても対応に温度差が出ている。
目黒区では未接種の小中高校生に無料でワクチン接種を行う対策を始めたという。
今はまだ静岡県内での流行はない。大学が集中しているようなところではないので流行はないと考えているのか、流行が起きたときに考えればよいとの事かもしれないが、危機管理としてはどういうものか疑問だ。
その上、はしかだけで終わりの問題ではない。
厚生労働省は一昨年から日本脳炎の予防接種を事実上中止している。やはり副作用問題によるものであるが、新しいワクチンの準備も当初の予定よりもかなり遅れ、現場は困惑している。
このため、今回のはしか同様、接種空白の世代が生じている。
今後、今回の教訓を生かして善後策を講ずるものと期待したいが、厚労行政のだめっぷりを見ていると、将来第二のはしか問題になる可能性のほうが高そうだ。

過労死なる殉職

2007-05-19 13:13:37 | 日記
「二階級特進、それだけなんですか。戦っている時はなんにもしてくれないで、階級章だけで。」
某アニメに出てくる台詞で、共感を覚え記憶に残った場面だ。
愛知県長久手町の立てこもり事件でSAT隊員が殉職し二階級特進となった。
普段の彼ら隊員の殊遇がどうだったのか知ることはできないが、彼らが使命を全うしようとする志気を維持できていたのならこれも一つの殉職者に報いるものとして認められるべきであろう。
民間にはない制度という異論もあろうが、常に命の危険を伴っている特殊な職業であることを考えれば本人のためばかりでなく組織の志気の維持という点からも必要なものだ。ただし、後段は日々の処遇を疎かにすれば全く意味はなくなるが。
一方、誤解もあるようだが、行政職のような普通の公務員には階級特進という制度はない。そもそも階級制度ではないからだ。
軍や警察などの組織は、敵に立ち向かう、犯罪に立ち向かうというように組織としての使命が明確で共有できるでことから階級制をとっており、階級というものが存在している。ゆえに、課や係をまたいで捜査指揮などができる。
普通の公務員は課・室・所ごとに所掌する事務が異なることから、課・室・所などが異なれば室長と主事という関係であっても職務指揮できない。ゆえに、同じ県という組織内であっても課・室・所のそれぞれのトップからトップに文書等で依頼するなどしなければならない。
一般の公務員は民間の従業者と同じで、警察官のような階級特進制度は存在しないのである。
ただし、一般の公務員と民間の従業者とで同じでないと思うことがある。
それは、従業環境等の福利厚生の意識である。
確かに公務員には行き過ぎた福利厚生もあるが、その多くは是正されてきたように思う。一方で過労死増加に代表されるような過酷な従業環境からくる殉死が民間では増えているように思えるのだ。
先の自動車メーカー「スズキ」の過労死自殺訴訟を観ると責任を認めたくない企業の論理が顕著で恐ろしい。大企業でさえこうなのだから中小ではいかばかりか。
よく、年金よりも生活保護の方が手厚く逆転しているといって生活保護手当を下げろという主張をする人もいるが年金の安さが問題であるという人もいる。
私は低い方や誤った方に合わせるべきとは思わない。
従業環境の違法の放置は拳銃の野放しに等しい。
一人一人が企業に立ち向かうことは難しい。行政は企業の経営者に遠慮せず、しっかり労働条件等の監視を厚労省は行うべきだ。それが行政への信頼に繋がる。

是々非々

2007-05-18 01:17:01 | 日記
米国に向かう可能性がある弾道ミサイルを、日本のミサイル防衛システムで迎撃するのは可能か、首相の私的諮問機関が検討を始めたそうだ。
問題は現行憲法下で自衛隊の対処が可能かどうかという憲法解釈論らしいが、人としてどうかということからいえば米国に向かうか米国から向かうかにかかわらず、人の命がそれによって失われる可能性があり、それを防げるのなら迎撃すべきだろう。
どちらに味方するのかを最初から決めて議論しようとするところに胡散臭さがある。
同盟国だから常に庇うべきというわけではなかろう。同盟国であっても、非があればそれを諭すべきである。その是非の判断の際に法解釈論を持ってするのかより人間存在の根底にある人道主義を以って判断するのかは議論があろうが、なによりも、事物の是非は自律して個別に判断すべきだ。

県という組織内にあってもまた同じである。
相手が如何なる立場にあるものであっても個々の事案に対し、是は是、非は非として判断し、行動すべきだ。
法令解釈をもってするか、その組織の存在意義としての(現在及び未来の)県民の生命財産を守ることから判断するかは人それぞれであろうが、前述の憲法解釈問題ほど法と現実が乖離しているわけではない。できることにはもちろん限界・制約はある。しかし、要は自己の良心に従って第一歩となる行動を起こせるかだ。
ただ保身に走っている者は権力者に怯えるだけでなく、自己の良心・正義にも怯えることになり、結局は人間として勝ることはない。
法と正義と真実の前に、自律した判断ができるようすべての職員に期待している。

(無題)

2007-05-17 23:18:43 | 日記
その人間の弱さなのか、手本となる知事の教育の賜物か。
某総務課職員、自身が最も責任のあることを棚に上げ主要事実を隠し他人・他課にミスの責任を擦り付けるかの所業。
私が見過ごすわけがないのに。
きっちり公文書として顛末を記し報告書を決裁に付した。異議や付加する事項があれば公文書の変更の決まりごとに従って修正の経過が記録されるだけのこと。必要があれば私が開示請求し公開するまで。すべては明日の総務課長の対応次第。

さて、職員の手本である知事殿、今週の定例会見で見事な答弁。
少々長文の引用となるが、あまり断片のみの引用では誤解が生じるので我慢してもらいたい。

「JR東海が、リニア新幹線を実験線ベースでは、単独ででも延伸するというニュースがありました。これはJR東海が全線を単独で自己のリスクで行うのであれば、民営化された鉄道交通会社ですから、その大きな志にエールを送りたいと思います。しかし、全線開通へ向けて、JR東海が全部自分のリスクで行うことを考えているかは判然としません。そこで、全線行うときに、社会資本として何らかの公的な資金の投入を期待しているのであれば、今回の実験線の延伸の話は、先に既成事実を作り、全体を巻き込んでしまう戦略とも受け止められるので、その辺りの真意を知りたいと思います。」
「JR東海もJR東日本も民営会社ですから、旧国鉄時代のように採算を度外視して要求するのはいき過ぎだと思いますが、もしも全体的に収益が上がっているのであれば、何かしかの地域への還元も考えてもよいのではないかと思います。」
「リニア新幹線の技術は確かに素晴らしい技術だと思いますが、果たして8兆円から10兆円の投資をして、本当に回収できるようなわが国の動向が大丈夫かという感じもします。」
「大前研一さんが、JR東海はJALに出資して連携し、空と高速鉄道を結びつけた総合的な交通事業を考えるべきだということを提唱されています。面白い提案だと思います。それが実現すれば、当然、富士山静岡空港新駅も一も二もなく、直ぐ行わなければいけないプロジェクトとして、2025年以降に手がけるなんてことではなくなると期待しています」

要するに、JR単独でやるならいいが国に頼るなよということが一つ。投資を回収できないような事業はだめよということが一つ。
そっくりそのまま静岡空港について帰してあげたい。まさに見事な手本ぶりだ。
加えて、JR東海がJALに出資して空港新駅実現を期待?会見で聞いていた記者はどう思ったのかねえ・・・