「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

過労死なる殉職

2007-05-19 13:13:37 | 日記
「二階級特進、それだけなんですか。戦っている時はなんにもしてくれないで、階級章だけで。」
某アニメに出てくる台詞で、共感を覚え記憶に残った場面だ。
愛知県長久手町の立てこもり事件でSAT隊員が殉職し二階級特進となった。
普段の彼ら隊員の殊遇がどうだったのか知ることはできないが、彼らが使命を全うしようとする志気を維持できていたのならこれも一つの殉職者に報いるものとして認められるべきであろう。
民間にはない制度という異論もあろうが、常に命の危険を伴っている特殊な職業であることを考えれば本人のためばかりでなく組織の志気の維持という点からも必要なものだ。ただし、後段は日々の処遇を疎かにすれば全く意味はなくなるが。
一方、誤解もあるようだが、行政職のような普通の公務員には階級特進という制度はない。そもそも階級制度ではないからだ。
軍や警察などの組織は、敵に立ち向かう、犯罪に立ち向かうというように組織としての使命が明確で共有できるでことから階級制をとっており、階級というものが存在している。ゆえに、課や係をまたいで捜査指揮などができる。
普通の公務員は課・室・所ごとに所掌する事務が異なることから、課・室・所などが異なれば室長と主事という関係であっても職務指揮できない。ゆえに、同じ県という組織内であっても課・室・所のそれぞれのトップからトップに文書等で依頼するなどしなければならない。
一般の公務員は民間の従業者と同じで、警察官のような階級特進制度は存在しないのである。
ただし、一般の公務員と民間の従業者とで同じでないと思うことがある。
それは、従業環境等の福利厚生の意識である。
確かに公務員には行き過ぎた福利厚生もあるが、その多くは是正されてきたように思う。一方で過労死増加に代表されるような過酷な従業環境からくる殉死が民間では増えているように思えるのだ。
先の自動車メーカー「スズキ」の過労死自殺訴訟を観ると責任を認めたくない企業の論理が顕著で恐ろしい。大企業でさえこうなのだから中小ではいかばかりか。
よく、年金よりも生活保護の方が手厚く逆転しているといって生活保護手当を下げろという主張をする人もいるが年金の安さが問題であるという人もいる。
私は低い方や誤った方に合わせるべきとは思わない。
従業環境の違法の放置は拳銃の野放しに等しい。
一人一人が企業に立ち向かうことは難しい。行政は企業の経営者に遠慮せず、しっかり労働条件等の監視を厚労省は行うべきだ。それが行政への信頼に繋がる。