「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

後手後手

2007-05-21 23:16:53 | 日記
はしかが関東地方の学生に流行している。
その一番の原因は厚生行政の失策だ。
1989年、当時の厚生省は従来の単独ワクチンに換え、新三種混合ワクチン(MMRワクチン)を導入した。
ところが、副作用の報告が相次ぎ1993年に中止に追い込まれた。
この間、副作用を恐れた保護者は子どもに接種させず、未接種者が多い年齢層が生じた。この年齢層が現在の15~20歳に当たる。
今回の流行の引き金自体は偶然かもしれないが、同年代が集団で過ごす学生生活において感染が広がることは十分予測できたであろうにこれまで何の手も打っていなかったのは生命財産を守るべき行政としては無責任というものだ。
しかも、ここにきて、ワクチンが不足するかもしれないので、必要な人が接種を受けられるよう都道府県や医師会などに適正量のワクチン購入に務めるよう求める通知を出したというが、これだけ騒がれれば確保競争は避けられず、要請通知1本で効果があるとは考えられない。国が主導しての違ったコントロールの仕方があるのではないか。
地方自治体においても対応に温度差が出ている。
目黒区では未接種の小中高校生に無料でワクチン接種を行う対策を始めたという。
今はまだ静岡県内での流行はない。大学が集中しているようなところではないので流行はないと考えているのか、流行が起きたときに考えればよいとの事かもしれないが、危機管理としてはどういうものか疑問だ。
その上、はしかだけで終わりの問題ではない。
厚生労働省は一昨年から日本脳炎の予防接種を事実上中止している。やはり副作用問題によるものであるが、新しいワクチンの準備も当初の予定よりもかなり遅れ、現場は困惑している。
このため、今回のはしか同様、接種空白の世代が生じている。
今後、今回の教訓を生かして善後策を講ずるものと期待したいが、厚労行政のだめっぷりを見ていると、将来第二のはしか問題になる可能性のほうが高そうだ。