明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

「餃子おやじ」も満足のオシャレな専門店 野方『野方餃子』

2018年09月05日 | 餃子
最近、けっこうな餃子ブームになっている。
餃子専門店だけでなく、餃子をウリにした居酒屋も増え、「餃子女子」なんて言葉も耳にするようになった。
餃子が幅広い層に支持されることは喜ばしいことだが、雑誌やネットの餃子女子向けの記事は、正直イラっとくる。
なぜなら、それらの記事で推奨されるお店は、以下の毎度お決まりのフレーズが使われるから。
○ニンニク・ニラ不使用♪
○肉汁たっぷりでジューシー♪
○ワインやデザートも豊富♪
○店内にはジャズが流れ、女子会やデートに最適♪
○餃子屋さんとは思えない、オシャレでスタイリッシュな雰囲気♪

♪の代わりにハートマークが付いていたりするが、だいたいこんなモンだ。
餃子だけでなく、女性向け飲食店の記事の内容って、もう何十年前もから変わってないよね。
匂わなくてジューシーでデザートがあってジャズが流れてデートができてオシャレで…と、
どうも、「こういう記事書いときゃ、女は喜ぶんだろ」という、書き手の古臭い偏見を感じるのだが。
そもそも、ワインやジャズの有無って、女性にとってそんなに重要かね?
そういう方は、ジャズが流れるうどん屋さんが下高井戸にあるから、ぜひ行ってみてほしい。
お店の名前は『ジャズ・ケイリン』。ジャズだけでなく、店内モニターでは競輪中継も流しているよ(笑)。

個人的に一番ムカつくのが、最後の「餃子屋らしからぬスタイリッシュさ」という主張。
餃子店は汚ない、という固定観念は、女性がジャズ好き、以上に不愉快だ。
確かに、有名餃子店は、どこも決して小綺麗ではないけれど、その分良心的な価格で営業しているケースが多い。
逆に、しゃらくさいオシャレ店に限って、ウマくもねえのに割高なケースがよく見受けられる。
だいたい、お店が汚いのは歴史の積み重ねによるもので、長年支持を受けている証拠ではないか。
「ナニがオシャレ餃子だバカヤロー。餃子ってのはそういうモンじゃねえんだ。そうでしょマスター!?」
などと、餃子で一杯やりながらクダを巻く私に対し、肯定も否定もせず聞き役になってくれたのは、
私が日本一好きな餃子店高円寺『赤天』のマスターであった。



 
こちらのお店も、決してキレイではないけれど(失礼)、最近若い女性客が増えてきている。
バカな記事を鵜呑みにしない、本当に餃子が好きな女性たちなんだな、きっと。

前置きが長くなったが、今回紹介するのは、野方にある『野方餃子』さん。
以前から、餃子のお美味しい店とは聞いていたが、こちらの特徴を調べたところ、
さきほど挙げた「餃子女子・ありがち記事5条」のすべてが当てはまったため、行くのに抵抗があった。
ある日、意を決して入店してみたら、オシャレな内装と店員さんたちがお出迎え。
ガラス張りで外から丸見えなのだが、その方が店内の様子がわかって女性でも入りやすいのかな。
私のあとにも、お客さんが続々とやってきて、すぐに満席に。ほとんどが家族連れか女性客だ。
店内ではやはりジャズが流れており、壁にかかった大型テレビでは、BSの野球中継を放映している。
対戦カードは、なぜか日本ハムvsオリックス。オリックスファンの私としてはありがたかった。

まずは飲み物として、ビールの中から「レーベンブロイ」550円を選択。餃子店で置いてあるのは珍しい気がする。


続いて餃子も頼んだところ、女性店員から「当店の食べ方をご存知ですか?」と聞かれたので、いいえと返答すると、
「にんにくには酢醤油ラー油、酢にはコショウ、2種のタレを…」と丁寧に説明してくれた。
店員さんの説明と、ほぼ同内容のことが卓上のメモにも記されてあったので、参考のため載せておく。


なお、店員さんは説明中、わざわざ酢を小皿にブシューと注ぎ、酢コショウタレを完成させてくれた。


実は私、酢が苦手なので、「どうせ使わねえのにもったいねえな…」と困惑していた。
壁のテレビではオリックスが先制。だが、店員さんは作業に集中しており、他の客も興味ないらしく、全員無反応。
結果的に、この時間帯の大型テレビは、私のためだけに流れていたことになる。なんだか申し訳ないね~。

野球を眺めているうちに、注文した餃子が運ばれてきた。まずは水餃子450円。


そして焼餃子450円も。これほど均等で美しい焼き色は、久しぶりに見た。


まずは焼餃子をタレなしで食べてみる。女性客が多く、ニラとニンニクの入らない餃子ゆえ、味は薄めかと思いきや、
ひと口かじれば、薄いけれどもパリッとした歯ごたえの皮から、旨味と肉汁があふれ出す。
おお、予想外の濃厚テイスト!
水餃子もやはり、モチモチ皮が具材の旨味を逃さず包み込んでいる、高品質な一品。
せっかくなので、お店推奨の食べ方も試してみることに。使わないと、酢コショウがもったいないからね。
ニンニク・酢醤油ラー油は悪くはないが、具材の味自体がしっかりしているので、ニンニクだけで良かったかも。
一方の酢コショウは、私の嫌いな酢独特の酸味と匂いを、濃厚餃子がしっかり受け止め、別の味わいを引き出した。
お姉さんが小皿に作ってくれたのを、使ってみてよかったよ。
そもそも酢コショウについては、酢が苦手だからだけでなく、最近は流行りだからとばかりに使うヤツが多いので、
そういう風潮に対しても抵抗があったのだが、この餃子には確かに合う。
というか、ここの餃子、かなりレベル高いよ!

ビール2本と計12個の餃子をたいらげ、すかさずホッピーセットの白490円と、別の餃子も追加。
まずは乾酪餃子480円。「乾酪(かんらく)」とはチーズのことらしい。知らなかった。
外観は焼餃子とほぼ一緒なので、中身を見せようと思ったが、皮がしっかり閉じてあり、開くのに苦労した。


こちらも美味しかったけど、元々の具材が濃厚なので、チーズの風味はあまり感じられなかった。
続いては、「麻辣坦担水餃子」580円。 ※「坦担」の表記はHPより


ゴマダレとラー油(?)と三つ葉がたっぷりかかった水餃子だ。
+100円で三つ葉をパクチーに変えられるが、私はパクチーが世の食べ物で一番嫌いなため、遠慮しておいた。
食べてみたところ、ゴマダレの甘味を強く感じた。個人的には、もうちょっと辛い方が好みだね。

あとはデザートとして、「柔らかもつ煮込み」490円をオーダー。 ※店内メニューでは「柔か」


モツが本当に柔らかく、クリーミーで上品な味わいだった。もうちょっと量があるとうれしい。
さらに、本当のデザートとして、「レアクリーム杏仁」330円を。おっさんだって、甘いモノ食べたっていいだろ。


杏仁は確かにレアな仕上がりだが、牛乳プリンみたいだったので、もっと杏仁の香りが欲しかった。
ただ、サービスでついてきた右側のミント茶は、口の中をサッパリさせる、最高の口直しとなった。
餃子4種とデザート2種(?)にアルコールで、すっかり満腹になったところでお会計。
レジの店員さんに「いつも野球中継を流しているのですか」と聞いたら、「いえ、特に決まってません」とのこと。
「また来ます」と告げ、壁テレビでは相変わらずオリックスがリードしていたのを見届けてから、店を出た。

オシャレで女性客の多い餃子ゆえ、多少のアウェイ感はあったが、味や接客は申し分なかった。
餃子店らしからぬというか、野方らしからぬ(失礼だね)スタイリッシュなお店だったので、
餃子女子だけでなく、「餃子おやじ」も大満足である。
機会があったら、愛人(←いるのかよ)とのデートや、「おやじ会」で利用させてもらおうかな。
なお蛇足ながら、この日のオリックスは、その後逆転負けしてた(怒)。



野方餃子
東京都中野区野方6-18-8
西武線野方駅から徒歩約5分、都立家政駅からは推定約12分
営業時間 月~日 17時半~24時、金~日・祝は、11時半~14時半も
定休日 無休
※ラストオーダーは昼夜ともに閉店30分前

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 24時間飲める大衆らーめん酒... | トップ | 中毒者を生むラーメン 西荻... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

餃子」カテゴリの最新記事