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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

お手頃価格の気さくな「ちょいバル」 荻窪『グレートスコット!』

2019年06月04日 | 居酒屋・バー
以前、「コロッケの美味しい酒場」として紹介した、荻窪の『ほしたけ食堂』さんが、
店主ほしさん・たけさんの家庭の事情により、3月で閉店となってしまった。


あの、ほっこりコロッケを食べられなくなったのは残念だが、荻窪には、まだまだいいお店がある。
それが、今回紹介する『グレートスコット!』さん。
お店の場所はなんと、ほしたけ食堂のすぐ隣である。過去には何度か、両店をハシゴしたものだった。
英語力のない私は知らなかったが、「グレートスコット!」とは、「なんてこった!」のような意味らしく、
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の博士も使用していたとか。
正式な店名は『ちょいバル GREAT SCOTT!』。常連たちは「グレスコ」と呼んでいる。

バルとは、「スペインなどにある、バーとカフェを合わせたような、庶民が気軽に利用できるお店」と聞かされたが、
私が知る限り、日本のバルは、オシャレきどりの店員(&常連客)がいて、内装や料理の盛りつけなど、見た目ばかり重視して、
酒も料理も値段が高い割には量が少なく、内容的にも薄っぺらい、満足度の低い店が多い気がする。
とりあえず、いつも薄汚い格好をしていて、オシャレな店は似合わず、お金にも縁がない私は、
バルは気軽に利用できないのは間違いない(←自分にも問題があるのでは…)。

一方、ここグレスコさんの価格はどうかといえば、やっぱり生ビールが950円もする。
店名通り「なんてこった!」なお値段で、あーあ、これだからバルはイヤなんだ…というのはウソ。
私が頼んだのは、約1リットルのラージサイズ。レギュラー(400ml)なら550円と、ごく普通の価格だ。


写真のラージビールの脇にある「ハムカツ」は、この分厚さで300円だった(最近はメニューにない)。
一緒に頼んだこちらの「ちっちゃすぎるピザ」も300円。作る手間を考えたら、破格である。


何度か通い、店主と会話できるようになったので、上記の「日本のバルに対する悪印象」をぶちまけたところ、
「そういうバルもありますが、ウチは見ての通り、全然気取ってませんからね」と応えてくれた。
店主が目指しているのは「洋風の赤ちょうちん」だとか。なるほど、それは言い得て妙だ。
確かに、酒も料理も全体的にお手頃価格で、ひとりでも気軽に「ちょい飲み」でき、お食事だけでもOKだという。
グレスコさんみたいなお店こそ、本当のバルではないのか。

ここからは、今まで注文してきたメニューの一部を紹介していく。
まずは、最近は必ず頼む「モリンガハイ」。お店に貼ってある内容説明がこちら。


北インド原産ってのが怪しげではあるが、そのぶん効果もありそう。写真右がそのモリンガハイだ。


味自体は、濃い抹茶ハイにも似ており、要するに栄養たっぷりの青汁ハイみたいなもの…かな?
お値段は普通が500円で、先述の1リットルのラージサイズだと900円。
何度かお替わりし、途中で「だいぶ酔ってきたから、今度は普通サイズで…」と告げようものなら、
店主が「大丈夫。モリンガは健康食品ですよ!」と、推してくるので、次もやっぱりラージを頼んでしまう。
大ジョッキの半分くらい焼酎を入れておいて、ナニが健康食品だか(笑)。
とはいえ、モリンガハイを飲んだ翌日は、思い込みかもしれないが体調も良く、二日酔いになりにくい気がする。
飲んだ日の夜も、記憶をなくしたのは2回だけだし…って、やっぱり酔ってるやんけ。

ドリンクは、ウーロンハイや緑茶ハイ(価格はモリンガ同じ)、あとは「サングリアの赤」600円を頼んだことがある。


一般的なものより、果実がたくさん入っていてビックリした。
もちろん「洋風赤ちょうちん」なので、ウイスキーやワイン、スピリッツに各種カクテルなどもある。

続いては料理メニュー。店主はオーブンを使用した料理が得意なようで、
こちらは、さっきのモリンガハイの左側に食べかけが写っていた「豆腐と玉子サラダのチーズ焼き」500円。


「豆腐とサラダ(玉子サンドの中身だが)だし、モリンガも飲んだからヘルシーだね」と店主に同意を求めたら、
「あ、そうっすね…」とこちらを見向きもせず返答してくれた。ちょっと、構ってくださいよ!
こちらもやはり、オーブン調理の「豚ロースのローズマリー焼き」650円。恵比寿あたりなら1000円以上取られるぜ。


実は私、ローズマリーの味を知らなかった。豚ロース肉は、生姜焼きで喰えばいいじゃねえか、と思っていたし。
こんな私がローズマリーを頼んでも、笑うことなく(内心笑っていたかも)提供してくれた、店主に感謝したい。
サラダメニューからは、「本日のポテサラ」500円を紹介。「本日の」ということで、日によって内容が違う。
とある日の食材は「コーンとバター」と聞き、迷わずオーダー。


甘いコーンとピリ辛の黒コショウを、バターとポテトがやさしく包み込む。
「イモやバターを使っても、サラダはヘルシーだよね」という私の意見に、店主は「あーハイハイ」とメンド臭そうに同意。
この日のシメは、以前から気になっていた「焼きカルボナーラ」1000円を選択。


オーブンで少し焼かれての登場だが、焦げてはいないのはさすが。
他店で食べるカルボナーラほど重くはなかったが、さすがの私も「ヘルシーだよね」とはたずねなかった。
また、別の日のシメでオーダーしたのが、「フォンダンショコラのアイス添え」550円。


おっさんが食べるのには違和感があるだろうが、バルはカフェでもあるのだから、こういうスイーツがあってもおかしくないよね。
デザートでは「焼きパイナップル」もあったが、こちらはまだ食べたことはない。

そして、ここグレスコで私が一番好きな料理は、写真の「サラダチキンとしめじのクリームグラタン」650円だ。


グラタンは2種類あり、お店は「海老とミニトマトのスパイシーグラタン」をおススメしているようだが、
私はトマトが苦手だし、サラダチキンの方がヘルシーっぽいので、こちらをチョイス。
例の「ヘルシー問答」は、店主に無視されたので省略(苦笑)。中身はこんなかんじ。


ベースはホワイトソースだが、「焦がし醤油仕立て」と、和洋折衷のテクニックだ。
気に入ったので、次に行ったときも注文し、そしてその次に訪問したときは、特別に「玉子入り」で作ってもらった。


右のエリアにたたずむ、まだ柔らかい玉子ちゃんを中央に移動させ、そしてやさしく崩す。


ほ~ら、どう見てもウマそうなビジュアル。オレはやっぱりキミ(黄身)が好きだ!
玉子入りグラタンを作ってもらえたことでゴキゲンになり、このあとはモリンガハイをだいぶ飲んでしまった。
最初の方で告白した、記憶をなくした2回のうち1回がこの日である。

さっき和洋折衷と記したが、ここグレスコさんは、洋風以外にも料理レパートリーがある。
あるときの日替わりメニューには、中華の「麻婆豆腐」(値段失念)があった。


唐辛子ではなく、山椒系のしびれる辛さ。これはいかん、酒がすすんでしまうではないか…。
店主自身は「調理人としてのキャリアは長くないし、たいしたことないですよ」と謙遜するが、
食材の組み合わせや調理法は、斬新かつ絶妙。料理人としてのセンスがあるのだろう。

そんな店主の料理と気さくな人柄が受けているらしく、女性客も多く訪れている。
メニュー豊富で安価、雰囲気も居心地もよく、しかも土日は昼間っから営業している(笑)。
こういうバルが、もっと日本中に増えてほしいなあ。



ちょいバル GREAT SCOTT!(グレートスコット)
東京都杉並区天沼3-30-2
荻窪駅北口から徒歩約3分
営業時間 火~金17~24時 土14~24時、日14~23時
定休日 月曜
※料理のラストオーダーは閉店1時間前
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