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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

人生初の犯罪行為を懺悔 野方『無極』

2019年06月18日 | ラーメン、つけ麺など
恥の多い生涯を送って来ました。
いきなりだが、私は先日、過去の恥をさらに上塗りするような、許されざる罪を犯してしまったのだ。
冒頭の文は、太宰治「人間失格」の書き出しであるが、あのときの私は、まさに人間失格
無責任ではあるが、自分が自分でないような…己をコントロールできない状態に陥っていた。
見苦しいとは重々承知しつつ、今回のブログで、その罪を懺悔していこうと思う。

奈良で創業し、関西を拠点とする、『無鉄砲』という人気ラーメン店がある。
水と豚骨だけを強火で炊いた、濃厚を超えた重厚ともいうべきドロドロのスープが特徴。
『天下一品』の「こってり」と同様、ポタージュというか煮込みのような状態のスープだ。
東京では、中野区の沼袋駅に支店があるが、重厚豚骨スープを求め、連日大勢の客が詰めかけている。
写真は、沼袋店で提供している、基本の「ラーメン」780円。


一般的な豚骨ラーメンより少し割高だが、チャーシューが4枚入るし、ネギ増し無料だし、
なによりオンリーワンな重厚スープゆえ、満足度は相当高い。当然、替玉(150円)もしたくなる。
人気店なのに接客もちゃんとしているし、しいて不満を挙げれば、床が滑ることくらいかな。

沼袋店がオープンしたのは2010年だが、ほぼ同時期に隣駅の野方で開業したのが、系列店の『無極』
正式名は『無鉄砲つけ麺 無極』で、無鉄砲の重厚スープに太麺を浸して食べる、つけ麺専門店だ。
開店直後に何度か食べたが、ラーメン以上にドロドロのつけダレは、もはや液体ではなく個体で、スライムのよう。
その茶褐色のスライムが、太麺にバッチリ絡むため、麺を食べ終わる頃には、タレもなくなっていた。
味が濃いのは好きだが、さすがに濃厚すぎる…というのが、当時の私の感想であった。

それから数年たった、今から2ヶ月ほど前。例の濃い~つけ麺が食べたくなり、久々に訪問。
いつもの「濃厚豚骨つけ麺」830円に、厨房にあった肉が気になり、「肉増し半分」170円を追加注文。
麺の量は、並も中盛りも同額なので、以前と同様、「中」でお願いした。
まずは、隣席にいた先客に、肉増しつけ麺がきた。さっき見た、大きな肉が2枚も乗っており、
半分にしておいて正解…と安心していた私の席にも、同じヤツがきた!


麺と肉のアップがこちら。こんなに大きな豚バラ肉が、2枚で半分とは!?


普通(350円)だと4枚になるのか。頼まなくてよかった…というか、この肉の量で170円はお得だよね。
一方の、ドロドロつけダレがこちら。写真では判別不可だろうが、かなりの粘度である。


久しぶりの無極つけ麺は、やっぱりド豚骨な風味。「ウホッ、やっぱりすげえ!」と食べ進めていく。
途中で、紅生姜や醤油づけニンニク、魚粉なども加える。すべて肉の上に乗せて撮影したのが下記写真。


オープン当初から変わらぬ重厚ダレに、相変わらずの極太麺、そしてほどよく脂身を含んだデカ肉。
トリプルパンチをくらい、さすがにノドが乾いたので、ついつい水を飲む。
すると、なんだか腹が膨れてきたような気がする。麺も肉も、まだ半分くらい残っているのに。


その頃、隣席にいた先客が、麺と肉を残して退散。ケッ、だらしねえ野郎だ…と軽蔑しつつも、
数分後には、自分のハシも止まってしまった! 

断っておくが、このときの私はシラフで空腹と、体調面に問題もないし、味自体も、以前と変わっていない。
そもそも、かつての私は中盛りなんてペロリとたいらげ、その上の大盛りにすればよかった、と後悔したくらいだ。
なんとか食べ切るべく、再びつけ麺に向かう私。有料の肉増しはともかく、無料で増やした麺を残すのは、
重大な犯罪行為である!
その後、さっきの写真よりは食べ進んだが、どうしても最後の2割ほどが入らない。これ以上食べたらおそらく…
マーライオンか、犯罪者か。悩んだ挙句、私は後者を選択した。
「すみません、ごちそうさまです…」と小さくつぶやき、店員さんと目を合わすことなく店を出た。
ムダに長い、私の暴飲暴食人生において、初の失態である。
帰り道の足取りは、異様に重かった。むやみに動くと吐きそうになる、という理由もあったが。

事件(?)の直後、何人かの知人に、自身が犯した罪を告白したところ、さすがは私の知人たち。
無料で増やした商品を残すことは、お店の好意を裏切る重罪と認識しており、
「それは間違いなくギルティだ」「お前を見損なった」「自首した方がイイ」と、全員に非難された。
彼らの忠告も受け止め、罪を償うべく、自首することにしたのが3日前。
もちろん、行き先は交番ではなく、ご迷惑をかけた無極さんだ。

店内に入ると、前回と同じ男性店員がひとりで回していた。彼が店主なのかは不明(開店当初は、女性が店主だった)。
入口の券売機で購入した食券は、「つけ麺並」830円と、「大盛り」100円の券。
彼に食券を渡しながら、私は数ヶ月前の罪を告白した。
「すみません、前回こちらで食事をしたとき、無料で麺を中盛りにしていただいたのに、残してしまいまして。
この大盛り券は、あのときの麺のお代として購入しました。どうかお許しください。あ、今日は並でお願いします」。

文字にすると上記のような内容になるが、実際は途中で噛んだり、罪の意識で目が泳いだりしたはず。
お店側からすれば、大盛りの券を買って並を注文し、よくわからん謝罪をしている挙動不審の男だ。
そんな怪しい客に対し、店員さんは「イヤ、そんな気にしなくていいですよ」とやさしい言葉をかけてくれ、
しかも、厨房から出てきて券売機を開け、100円玉を取り出し「お題は結構ですので」と返金してくれるではないか!
私「イヤイヤとんでもない」店員「イヤイヤ結構です」という応酬があり、結局返金してもらってしまった。


【ワンオペで忙しいのに、券売機からの返金という余計な仕事を増やし、作業を中断させる】
↑この行為も、明らかに重罪である!
平凡な市民が、無意識のうちに犯罪に巻き込まれたことで、その後、次々と新たな犯罪に手を染めていく…
そんなサスペンスドラマみたいな事態が、実際に起こるとは。あのときの店員さん、重ね重ねゴメンなさい。

なお、券売機の写真も撮影したのだが、ドアの部分にガムテープが貼ってあるのが気になった。


これってひょっとして、テープを剥がせば、カギを使わずに開閉できるのでは…って、
それは本当の犯罪なので、絶対にやっちゃダメだぞ(←誰もやらねえよ)。

ついでに、この日食べた「濃厚豚骨つけ麺」の並も、紹介することにしよう。


麺の量は、中盛りで茹で上がりが540(大盛りは720)グラムだが、並でも360グラムだから、決して少なくはない。


つけダレの中にも、写真のような肉片がゴロゴロ入っているので、肉増しにしなくても、じゅうぶん満足できる。


さらに、前回は「醤油づけのニンニク」を入れすぎて気持ち悪くなったのも、残した理由だと思い、ニンニクを避けた。


上記写真のように、卓上には「にんにく醤油」と「紅生姜」が並んでおり、前回の私は、紅生姜だけを取るつもりだったが、
隣りの容器内に紅生姜をこぼしてしまい、やむなくニンニクごと取り出し、肉の上に乗せたのだ。
さっきの画像を再掲。ニンニクと紅生姜の盛り付けが汚いのは、それが理由である。


そもそも、こちらのにんにく醤油は、浸かっているニンニクを避け、液体だけを入れるのが一般的な使用法らしい。
並盛だった今回は、さすがに残さず食べ切ることができたが、やはり現在の私には、ここのつけダレは重い。
次回からは、豚骨スープを魚介スープで割った、あっさり目(※お店のコピー)の「Wスープつけ麺」にしようかな。

いずれにしても、私が知る限り、東京で一番濃厚だと思う豚骨ラーメンは『無鉄砲』、
おなじく一番濃厚だと思うつけ麺は『無極』だ。
「とにかく濃いのが食べたい!」という方なら、一度は試してみるべきだと思うよ。
私も、罪を許してくれた店員さんの気持ちに報いるためにも、今後もせっせと通い、売上に貢献しようと思う。

最後に。ブログタイトルを見て、私が逮捕されるのかと喜びつつ読んだ方は、期待を裏切り申し訳ない(笑)。
ちなみに、【人生初の犯罪】というのは、今回の「無料麺増し残し」は初めて、という意味であり、
犯罪自体は、これまでの人生において、ちょくちょくやっている気も…(←オイオイ)。



無鉄砲つけ麺 無極
東京都中野区丸山2-1-1
西武線野方駅から徒歩約4分
営業時間 火~金 11~15時、17~21時 土日祝11~21時
定休日 月
※詳細はHPで→http://www.muteppou.com/


追記 現店舗での営業は2020年6月で終了。
今後は沼袋の「無鉄砲東京中野店舗」にて、毎週月曜日につけ麺を提供
追追記 中野の週イチ営業も、やめた模様です

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