しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

占星術殺人事件 島田荘司著 講談社文庫

2018-07-28 | 日本ミステリ
SFが続いたので、趣向を変えてミステリーを読みました。

本作、週刊文春の'12東西ミステリーベスト100で国内3位となっています。

1位が「獄門島」2位が「虚無への供物」ともはや古典と言っていい作品ですから、近年の作品としては最高の評価を得ている作品といえるでしょう。

本書は1981年発刊、江戸川乱歩賞の最終候補作に残った作品とのことで島田荘司氏のデビュー作となります。

”2014年1月イギリスの有力紙「ガーディアン」で本作が「世界の密室ミステリーベスト10」の第2位に選ばれた”りもしているようです(wikipedia
その他

本自体は数年前にブックオフで入手済み

近年改訂完全版も出版されているようですが....。
まぁオリジナル版でいいかなぁと。(どうなっているのかは気になりますが)

内容紹介(裏表紙記載)
怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は「六人の処女炉から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そしてー力月後には、六人の若い女性が行方不明!奇想天外の構想、トリツクで名探偵御手洗潔をデビユーさせた、衝撃的傑作。


かなり評価の高い作品なので期待の方もかなり高かったのですが....。

「おどろおどろしさ」と「トリック」の融合、個性的な名探偵といったところ、過去の事件を題材に解決不可能感を出す展開に感心はしましたが解決まで読んでみると「あれっ」という感は受けました。

それだけ明解な解決ではあるんでしょうが...。

最後の解決編の部分かなり引っ張っている気がします。

処女作=初登場の御手洗潔のキャラを表現したかったのかなぁとは思うのですが、あそこまで引っ張るとかなりの人が「こうなんだろう」というのが想像つくような...。

最初のおどろおどろしさと、不可能感に対して、動機のありきたり(不自然)感とトリックの単純さ感(これはいいことなのかもしれないですが)のギャップを感じました。

本作いわゆる「新本格」の勃興にかなり影響があったということになっているようなので、時代背景考えると当時としてはオリジナリティあったんでしょうが....。

松本清張の「東経139度線」で亀卜、鹿卜と組み合わせた理屈付け、高木彬光の「黄金の鍵」(昔読んだような記憶が...)を引いて小栗上野介と結びつけて東経138度48分線作品やら援用して過去作品のオマージュしたりと工夫している感は感じましたが、小説を根拠にしての推理はどうねんでしょう?

結局この辺はほとんど解決に関係のないミスリードなわけですが....。

「不朽の名作ミステリー」としてはどうかなぁなどとは感じました。

私の求める推理小説は細かいトリックよりも「やられた感」となんとも「怪しい情念」なのですが...それほど高い評価ではないかなぁ...。

小中学生のとき私がよく読んだ高木彬光はこのタイプな気がします、情念出すぎ感ありますが。

でもまぁ普通には面白いですし。私のようなミステリー門外漢にはわかる魅力もあるのでしょから是非ご一読を。


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