児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

発表授業

2011年07月23日 | 徒然

昭和音楽大学の2年生に「芸術文化と社会Ⅰ」という授業をやりはじめて今年で6年、必修なので落とすと来年もまた同じ顔を見ることになる。学生も嫌だろうけれどもこちらもあんまり嬉しくない。初めの年はこっちの持っているものを何しろ渡そうとしていた(それもパワーがあれば意味はある)のだけれども、「授業は双方向のコミュニケーションが必要」、などといつもアウトリーチ講座で云っている手前、やはり工夫は必要だろう。まあわかっていることと出来ることは違うのだけれどもね。

本当は毎時間にミニワークショップのような形で出来るのが良いのだろうけれども、それはこちらの準備が大変なのと80分の授業時間ではすこし消化不良になりそう。まあ少し余裕が出来るまで待っておこう、ということで昨年から学校の協力も得てやっているのが発表授業である。主にこの業界で働いている卒業生のところにインタビューに行き、その業種の仕事について他の学生にわかるように授業形式で発表してもらう。昨年は今ひとつうまく言ったという感じがないのだけれど、今年は発表時間を短くしたのと、事前にある程度発表の仕方を話したことで、なかなか良い発表も出来ている。今年の生徒が優秀なのではなく、こちらの言い方の進歩の方がいくらか利いているとは思うのだけれど、まだまだいくらでも改善の余地はあることに気がつくので、少し申し訳ない。

調べて他人に発表すると云うことは、自分が一番情報を持っているわけだから、どこから話していくかというのが相手に理解して貰うためには重要になる。まず大づかみな業種の性格、そして相手の団体の仕事のコンセプトと内容、そして、ここの仕事の詳細、ついでにこの業界で働くと云うことの個人的な意義,と話をすると考えると、話しを聞きに行く前のそれなりの準備、話しながら引っかかる場所の突っ込み(定義とか、自分本位の意見とかであれ?と思うことはよくあるので、そこはきちんとフォローをして質問するとか)、興味を持てる話の順番、構成、話し方、ビジュアルの使い方など、色々と注意すべき事はある。学生にとってはこれをみんなクリアするのは難しいだろうけれども、相手のことを考えながら、相手に話の内容がどうは言っていくかを確かめながら話す、という事は重要である。来年になると,企画を立てプレゼンをして行く、と言う課程があるので、そのときに少し役立ってくれればと思うのだけれど・・・

来週月曜で今年の昭和音大の授業は終わりである。最後に何を話そうか。企画書の書き方、と言うのもあるし、プロデューサーに必要な10の力、というネタもあるけれど・・・・。それが終わるとまた8ヶ月強ほどの期間、新百合ヶ丘に行かない日々になる。