児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

同窓会みたいな(オペラキャット)

2011年09月24日 | 徒然
昨日は第一生命ホールで2005年に育児支援コンサートやった絵本と音楽のコラボ「オペラキャット」の再演。とはいえ、完全な再演ではなく、地方の会館向けに出演者を減らし、且つ前半は新たに楽器紹介で音を聴いてもらう時間を作るという新しい演出。絵本に登場する音楽も「音楽監督」的に関わって頂いているピアニストの長町氏が曲をいくつも変更して来ているので、まあ再演というより枠組みを活かして再度作り直した感じでもある。その分制作的には簡単ではなかったと思うけれども、創ることは大事なので帰ってその方が良かったのではないかと思う。参加者がそれなりなストレスを全く感じないで創作作業は出来ないので、それをどうクリアしてみんながハッピーになっていけるか、というのは制作の基本でもあるわけだから。音楽はそういう制作的な作業が必ずしも他のジャンルに比べて多くない(というか少ない)ので、だからこそ自主制作は大事なのである。うまく行けば演奏家やスタッフとの緊密感が一気に強くなり、それが「あの人とは良いことが出来た」という記憶としてお互いに残っていく。それが企画者としての信頼関係というものであろう。今回の公演の趣旨が奈辺にあるかはわからないけれどもバランス感覚は大事である。
第一生命ホールは後ろに映写幕を吊るとしても音楽ホールであり、必然的に音響的には「音楽には良いが言葉には不利」ということは否めない。その事をふまえて言葉と音楽を操らないと難しい(まあ完璧というのはないですけれども)。2階席にいたので比較的そのストレスは感じなかったけれども、まだ言葉が聞き取りにくい,という声はあり、一方で音楽をもっと充実したいという声もある。微妙なところだ。
演出は前の時には猫のアルマ役をやった家田さんが今回は演出にまわり、特に前半の第一部での構成は楽器と音楽に注目しやすそうだったし、後半の設定を知る意味でも子どもたちにとって良かったと思う。
演奏家もヴァイオリンとチェロは初めてだったけれど、長崎や瀬戸田でやったときの人もいて再会というところもあったが、それ以上にサポーターにとっても6年ぶりの再演は嬉しかったようで、ちょっと同窓会的な懐かしさを感じている人が多かったようだ。6年が経過しているので、そのとき幼稚園でももう小学4-6年とかなわけで、さすがにまた見に来たよ,という感じではなかったけれど・・。