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児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

いわきの新しいホール

2007年09月05日 | いわき
いわきの新しいホールがおおよそ完成し8月31日に引き渡された。まだまだ内部の作業が続いているが、来週くらいから徐々に備品などの運び込みも始まる。事務所も居候の市役所7階から月末には新しい建物に移ることになる。
一昨日、中を見せてもらった。未だ入れないところも多く不十分とはいえ大体の雰囲気がつかめてきた。
少し心配していたバックヤードの空間だが、舞台後ろの通路などが思ったよりも広く安心した。リハーサル室なども反射と吸音板を上手く利用したように見え機能的に使えそうな雰囲気。しかし、スペースが多いので導線などの確認をもう一度しないといけないかもしれない。
巨大な建物だが、全体に豪華さではなく機能重視の考え方で作られているということか・・。肝心の大ホールの音響は未だ舞台に入れないので未だ判らない。しかし、音響的妥協を少なくしているので期待できるはずである。個人的な期待は大阪のシンフォニーのように重厚で芯のある低音が聞けることだが。
まあざっとしか見ていないので判らないことも多いが、引っ越す頃にはほぼ完全に出来ているだろうと思う。
カメラを忘れていったので今回は文章だけ。

IWAKI COFFEE Ⅰ

2007年04月22日 | いわき
いわきの町を歩くと、喫茶店にIWAKI COFFEEという黒い看板が出ている。きっと協会のようなものがあるのだろう。まだ、狭い範囲しか歩けていないのであるが、城下町で蔵などの古い建物もあるいわきの平地区は、ちょっとそんな面白さもあるエリアだ。いわきの珈琲屋さん巡りその1。
一昨日に行ったのは駅のそばのS香という、一時の珈琲屋さんの典型のような雰囲気の店。ブレンドはまあまあだが、厚焼きのトーストがあって、それが好きなのでついつい頼んでしまいおなかがいっぱい。ここは借りる部屋に近いところなのでもう少し私の好みに近いと良いのだけれど。
昨日は、帰りの列車を一便遅らせて、蔵を改造したK楽。カウンターだけの店。
ブレンドも何種類かあり迷うのだが、一番店のお勧め風の「味わいブレンド」というのを頼む。豆も何種類も置いてあり豆としても買える。
ここは夜は七時までと書いてあり、マスターに「早いですねえ」と言ったら「この辺は人通りが無くなってしまうから・・」と言っていた。この通りは昔は町の中心地だった通りだと思うのだが、やはり大型店舗の周辺に賑わいが移っていってしまっている感じが強い。「でも、七時に来て飲んでいく人も居ますよ」と言うことでかなりいい加減に開けているみたい。
味わいブレンドは、ちょっと軽めで飲みやすすぎる印象だけれど美味しかった。時々行きたくなるだろう。2階はバー。


草野心平さんの朗読

2007年04月07日 | いわき
3月19日に行った草野心平の記念館(3月20日にブログでも書いた)に行ったときに、本を前にして詩の朗読を聞くというブースがあった。多分本人の声なのだろう。ボタンを押すとテープで朗読が聞こえる仕組みになっている。
この声が非常に素晴らしい。訥々としているのだが、あれほど言葉尻がしっかりしているのも珍しいと思えるような力強さがある。フレーズフレーズへの重みがきちんと地面にくっついているような感銘を受けた。
今、詠むことを前提に書かれた詩というのはそれほど多くないし、前提にしないにしても詠むことに存在意義の大きさを感じられる詩もそれほど多くはない。近年音楽家がコンサートの中で歌詞や詩を読むことに何回か付きあって感じることである。
このテープ、その上に読み手の心の動きが手を取るようにわかるのは、これは場に残存している本人の気持ちが強いからなのか、読み手としてはプロでないということなのかはわからないが、それだけで山の中まで行った甲斐があると思えた。

いわきプロジェクトのスタート

2007年04月02日 | いわき
いわきに来ている。今日(1日)は昭和音大の入学式に行き(まだ新校舎を見ていなかったので)、駅から近いのに感激し、厚木よりもコンパクトにまとまっている新百合ヶ丘駅周辺のお店などを少しのぞき、準備をしてから出てきた。夕方に乗った特急は満席で、水戸まで立たないといけなかったが、だんだん暗くなってくる景色を見ながらの汽車の旅というのは、なかなかいろいろなことを考えるものである。学生の時初めてのひとり旅は夜行列車に乗っての東北だったのだが、そのときも暗くなる窓を見ていろいろと感傷的になったりしたものである。
新しいホールの立ち上げに関与するのははじめてではないし(カザルス、岐阜、三鷹、第一生命)、それほど浮き浮きともしないし、ブルーにもならないが、もしかすると私が関わって立ち上げるホールはこれが最後かもしれないと思うと、それなりに考えるし、心配もある。特にこれだけの大きな施設で、ジャンル的に専門的な会館ではないことを目指しているとすると、初めてでもあるわけだ。
2年前の自主事業の委員会での検討時にも、初めは今まで極端に少なかった公演をきちんと鑑賞型としてやっていくことから始めようという合意があったと思うので、そこからきちんとやりながら、自治体のホールらしいコミュニティと公演の関連を付けていく(そのために演奏家とのミッションの共有は大事だろうが)ことにしていくのが良いように思う。
第一生命とトリトンアーツネットワークが昨春に標榜した「アーツ・イン・コミュニティ」は民間の、昭和音楽大学が新百合ヶ丘に引っ越したのを受けて始めようとしている「アーツ・イン・コミュニティ」が学校の、そして地域の公共ホールの「アーツ・イン・コミュニティ」(これはまだ名前を付けていないが)と3つが揃うような感じである。少しぱくられているような気分のところもある。しかし、日本では様々な手法などに名前を付けると、他の人は2番煎じのように思って別の名前を付けようとする傾向がある。それ故に、一つの考え方にいくつもの名前が付いて定義がぼやけていく。それは良いことなのかどうかちょっと疑わしい。