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児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

アリオスジャック

2008年10月13日 | いわき
今日はいわきでファンファーレ・チオカリーアのコンサートなのですけれど、その前に午前中からいろいろと仕掛けがあり(イベントもあって)、チオカリーアまつりになっているのです。
この団体はルーマニアのブラス(と言っても厳密にはブラスでない管楽器も入っているけど)ジプシー楽団。とんでもなくテンション高そう。
昼前にいわきに着いたら、建物の公園側に飾り付けの最中。
このあとジプシーの映画とかお面作りワークショップとかいろいろあって、パレードがあってそして本番。楽しそうだけれど、なかなかハードな一日です。事業スタッフも総出。
しかしロマの出自が北インドだったらしいと言うことを初めて知りました。この歳になっても知るべきことはたくさんある。

アリオス、初めてのピアノコンチェルト

2008年09月27日 | いわき
9月26日、いわきの大ホールで読売日本交響楽団の演奏会があった。いわきアリオスにピアノコンチェルトが入るのは実は初めて。ホールにとってピアノ協奏曲は案外ハードルが高いのである。オーケストラは山台を組み100人近いメンバーを並べるわけだから、舞台上の何処が音がいいとか言うことはあんまりお構いなしになるのである(そう言う気持ちではないだろうが、位置関係をそんなにいじるわけにはいかない)大体ピアノは舞台の前っ面に置くしかなく、そこは舞台の中で一番音が良い場所と言うことはまずない。多くのホールでは、後ろの壁に近い管楽器の音が一番良く反射してくるわけだ。音量のバランスはとても難しい。オケも判っていて修正しようとするのだけれど思うようにいかないことも多い。20年ほども昔、セシル・ウーセというフランスのピアニストがN響と前田講堂でやったときは本当にピアノが出てこなくて苦労した(というかどうしようもなかった)。もう少し後ろに置けば・・と思うのだけれど物理的に不可能なのである。それに、その頃はN響にああしたら・・とか言える身分でもなかったのだけれども。
今日はリハーサルを聞いて安心した。三浦友理恵さんは小さい体つきだけれど思い切りの良い演奏をしていたのもあり、ほとんど問題がなかったのだ。プロが、それもたくさんの似たようなホールでの経験をしていく中でやってきたことなのだから決定的にダメということはあるはずもないか? それでも秋から冬にかけてピアノ協奏曲がいくつもある(一番の目玉は11月のゲルギエフのロンドンフィルである)のでほっとした。
ホール全体の音は半年がたって少しづつ音のブレンドが良くなってきたように感じられる。反響板はしょっちゅう使っているわけでもないので、エージングには少し時間がかかるかも。でも、昨年秋、まだ完成したばかりで初めて音が出たとき(見学会でアマチュアだけれどもヴィオラを弾く人が、ちょっとだけと言って音を出してくれた)の、触るとそこが切れて血が出るような張り詰めた、ピリッとした緊張感はなくなっているのだけれど(あれは気のせいだったか?)、落ち着いた豊かさに変貌しつつあるのだろう。


いわきのかえっこバザール

2008年09月01日 | いわき
夏休みの最後の日が日曜日だというのは、親や子どもにとって幸福なことなのか辛いことなのかよくわからないけれど、昔は1日に宿題わすれたーと言ってごまかしてきて週末に慌てて作るというのをやった記憶がある。自分が子どもの時だったか子どもが小学生だったときか・・・
藤浩志さんが仕掛けている「かえっこクラブ」の第1回が夏休みの最後にいわきアリオスで行われた。
いわきアリオスの、他の会館では見つけにくい特徴の1つは「マーケッティング」のセクションを置いたことで、その使命は二つある。1つは本当にマーケッティングを行うこと。もう一つは「子どもや若い人がなかなか積極的に来ないアートセンターにおいて、そう言う人たちを呼び込むマーケティング企画を行うことである。まあ若い人に限ったことではないけれど、何処のコミュニティでもまず若い人の不参加は大きな問題であって、会館という場所に来る、というのもなかなかハードルが高いのである。アリオスのようにオープンスペースがあり、目の前に公園まであるという立地は、そう言う場所としての機能を求められているとも言えると思う。

今日のかえっこバザールに来ていた子どもたちは非常にヴィヴィッドな反応をしていた。ポイントを稼いでそれを使う、という資本主義の基本的な構造が子ども達を惹きつけていることは間違いない。この仕掛けこそが藤浩志さんの真骨頂であろう。藤さんは、ひとたびパターンが出来たら、自分たちでやる方が楽しいという主張であり、そのことも良いと思うのだけれど、そううまく行くものだろうか・・ちょっと見守っていきたい企画であるとはいえ、子どもの熱心さは当然親や大人にも伝染する。手伝ってくれている大人のボランティア?やスタッフたちが、本当に楽しそうにしているので、こういうことはいろいろなやり方で続いていって欲しいとおもう。というかやらなくちゃね。(写真は最後に行ったオークションの様子)

はじめの一歩

2008年08月15日 | いわき
いわきではお盆の時期を活用して、舞台技術関連の初心者むき講座をしている。
いわきはきちんとした舞台がなかったからか(古い市民会館はあったわけだけれどあんまりその辺に感心が言っていなかった節がある)、舞台ものについては市内にそのノウハウが蓄積されていないのである。きちんとやらないと本当に危ない!と言うことも含めて、ちょっといい加減なところがあったように感じられる。アリオスのスタッフの一番心配していたのもそこで、この舞台技術初心者コースは、今後、市民と一緒にいわきで何かを作っていこうと言うときに必須の前提条件とも言えるとセミナー企画なのである。人を育てるのは時間がかかるし、その中で本当に質感に拘り、リードする人が出てこないとその先の創作にはなかなかたどり着かないのだ。その為の時間はアリオスにとって大事。
はじめ舞台の方から「はじめの一歩」という企画の名前を聞いて、トリトンの「はじめのいっぽ」とダブるのではないかと思ったけれど、実は世田谷パブリックシアターではやっていた企画らしい。トリトンでは2001年のオープニングの時に「しつないがく・はじめのいっぽ」(はな・はと・まめ・ます)という企画をやった。そのときは、小学校の小学1年生の教科書の最初の4つの言葉をタイトルにして、室内楽を来たことのない人に聞いてもらおうとした。たしか、アメリカとます、だったと思う。アメリカはなんと木管5重奏ヴァージョン。
とはいえ、このときも苦戦したなあ。昨年から、お昼の時間の短いコンサートで再開し、室内楽と言うよりもソリストでの企画として行っている。
「千里の道も一歩から」なのか「百里の道は90里が半分」なのかはわからないけれど、はじめのいっぽという言葉には、続けることを前提とした響があって、3年たったら、「セカンドステップ」が用意されるのが本当のような気がするのだけれど、その辺を企画で上手くやっている会館はあまり多くない(新潟がいちばん戦略的かな。でも違う層がいると言うことかも知れない)。そうそうステップの感覚を持っている人がそんなにいないからか。

いわきのはじめの一歩は年間2回とかのペースで続けていくことになるだろう。ここのスタッフのキャリアは素晴らしい人たちが多く、はじめの一歩ではもったいないような人たちばかりであるので、先生には事欠かないのだ。

鈴木秀美さんのバッハ

2008年08月02日 | いわき
いわき。
鈴木秀美さんのバッハ2晩のコンサートである。91年だったか彼が帰国して本格的にデビューをするというときのカザルスホールでのコンサートを聴いている。台風が来る前というとても湿気が多いときで、カザルスホールをキンキンに冷やして湿度を下げ、張り紙をしてお客さんにお詫びしながらの演奏会だったはずだ(主催ではないのでそんなに詳しくは知らないが)
あのときから変わらないのは、湿度だけ下げる(又は上げる)という空調はホールではあんまり聞かないという状況。日本でオリジナル楽器をやるような会館にはあった方が良い設備なんのだけれど・・・
10月くらいの時期にホールが暑いので冷やすと、外気を入れて一気に湿度が上がってしまうというところもずいぶんある。会館は省エネとの戦いでもあるので難しいのだろうけれど、オリジナル楽器ではその影響が非常に大きい(特に弦楽器の中でも大型のチェロの影響は一番大きいかも知れない)ということを、設計の人にも分かってもらっていると良いのだけれど・・・。いわきでもこの問題を挙げた記憶はあるのだけれどしばらく忘れていた。
まあ、こういう悪態は「そういうことを知っててなんでこんな夏のど真ん中にやるの?」と言われると言葉がないのだけれどね。

昨日の演奏は素晴らしかったみたいである(何しろ満席で聴けないのだ)が、鈴木さんは17年間でずいぶん湿気に強くなった、そういう弾き方が出来るようになった、とは言っていた。
今日は昨日よりもすこし湿気が多いみたいである。毛布を多めに用意して冷房を強めて本番に突入になると思われる。
写真は、空気にならすために少しでも楽器は舞台の同じ環境に置いておいた方が良い、ということで舞台に放置された5弦のチェロ(もちろん6番用)

たんけんアリオス2

2008年07月24日 | いわき
アリオスのバックステージツアー「たんけんアリオス」の2回目が行われている。
一回目は5月の連休の時だったけれど、そのときも今回も予定の人数がすぐに一杯になる人気である。まだまだ、アリオスに対しては市民の興味は継続しているみたいだ。ありがたいことだ。裏方も5月の時以上に張り切って舞台づくりをしている。(写真は市民に舞台を説明をしているの図)
明日からは、渡辺亮さん(打楽器奏者。ポピュラーの方。サンバとかを中心にいろいろな活動をしている人)のワークショップがある。場所もいわき公園とそのそばの新しい中央台公民で、おでかけ企画である。テーマは河童。彼は河童マニアであることがこの間一緒に飲んだときにわかり、河童は昔は熊本にいて、そこから筑後川に移ってきたという話しとか、田主丸の話しなどで盛り上がった。私の広くて浅い知識では全くついていけなかった。すごい!。チラシに使った絵も全部彼の作だそうで・・・。
河童がテーマなのも草野心平の縁である。渡辺さんがなんか芯になるテーマが無いと難しいという話しをしていて、河童で一気にまとまった感じなのである。いわきは草野心平様々である。企画は、こういう風にテーマがあることで当方も演奏家も受講者も盛り上がる要素になるのである。これもあっという間に定員になってしまった。

JRいわき駅前

2008年05月26日 | いわき
いわき市にとって、駅の周辺の活性化は非常に重要だと思っているとおもう(まあどこの街でも同じだけれど)。ただ、市の人口が分散しているいわき市がとくに必要としているのは街の賑わいの中心機能でその意味でも駅周辺の再開発は大事なのだと思う。力の拮抗した町の合併というのが難しいのは、そのあたりかも知れない。北九州にしても、中心地の醸成というのは、都市機能としては必須なのだろう。でもなんで? 分散型では機能的に弱いのか,と言うことになると専門外の自分にはあんまり自信がないのだけれど。幸福の思考方向が分散している現代の生活にとってどうなのだろうか。
いわきの駅前には、ラトブという大きな商業施設(まあパルコ型と言いますか)が昨秋できたのだが、今度は駅ビルを改築し長崎や仙台みたいにロータリーをペデストリアンデッキ化する計画だそうだ。いま、駅ビルがほぼ壊されたところという感じ。
ただ、いわきに通うようになってずっと気になっていることがある。写真(駅前)の向こうの方のビルの屋上にある「自由党 日本一新」と言う看板である。駅前だけれどいいのかなあ。

NUUさんと草野心平記念館

2008年05月14日 | いわき
NUUさんは、草野心平記念館の学芸員の方の協力があって今回の「つんつんつるんぶつるんぶつるん」というCDが出来たのだととても喜んで居るみたいだった。だから最初のコンサートにこの記念館を選んだと言うことがあるのだろう。非常に気の入った演奏会だったと思う。
コンサートの最後はCD全曲。とはいえあんまり長いCDではないのでその分だと30分もかからないくらいだろう。いわきアリオスが急遽編成した14名の合唱隊も、無事に役割を終えることが出来た。合唱隊は商品としてはどうだったのでしょうかしらん、と思うけれども、楽しい雰囲気は出せたのではないかな。心平の蛙の詩にはいろいろと曲が作られて居るけれども、その中でNUUさんの曲も残っていくと良いですね。
いわき市のレジデンシーとしては、うまく行ったのではないか。

ちなみに、草野心平記念館ではちょうど蛙の特集のイベントをやっていて、朗読会(市民が,自分が選んだ詩を朗読する)とか、日本にいる様々な種類の蛙の写真と切り絵の展示とか・・・。小さな記念館だけれど、なかなか気に入っている場所。


NUUさんと草野心平と蛙

2008年05月10日 | いわき
NUUさん(シンガーソングライター。彼女は歌を産むといっている)のレジデンシー第2弾、今年は小川郷である。昨年からNUUさんは小学3年生の時に出会った草野心平の蛙の詩(特にるんるんるるんぶ るるんぶるるん というやつ)に惹かれていて、ついに作曲もしCD黙すということになったのだそうな。
今回のレジデンスは全部小川郷(心平の生まれた町)で、心平の生家、記念館、昔店を持った小川郷駅のすぐそばのスペースなど。昨日今日で3つ、明日は最後に記念館でCDの全曲を演奏発表することになる。

昨日は、生家の今での演奏。初めてPA無しの生を聞いた。彼女の歌と声の特徴は、不思議な言葉の感覚と声のリアリティにあると思うけれど、生声にするとより聴き手の反応の良さを引き出し、きちんと意味が伝わってくる。もちろんPAを使うことで音は大きくなるしよく聞こえるのだけれど、直接話しかけられるような気がする,という意味では予想通り生声の良さはあるように感じた。これは貴重である。ただ、声楽的に訓練され大きな声を作れる人ではないので広さと人数には限界があるだろう。でも聴き手の反応のスピード感はこっちの方が良かったようで、そのことは見ていて妙に嬉しかった。

夜はアリオスに戻り、日曜日に草野心平記念館で行う、CDの全曲演奏のための練習。これにはコーラス隊が必要だそうで、アリオスで編成した(といっても合唱団の有志とアリオス職員で編成したのだけれど)合唱隊が後ろで2曲歌うことになったものだ。一週間前に楽譜を渡されたのだけれど、全く歌えない。やはりこれは耳から聞いて覚えるしかないだろう、というもので、昨日は不安いっぱい。でも何とかなりそうな気配ではある。
プロデューサーやスタッフもこう言うときは、意気に感じて出るのがルール。

写真は 草野心平生家。玄関を入って土間を上がったところに囲炉裏が切ってある。囲炉裏から部屋の方向に撮った写真であるが、これに似た作りが親の田舎の長野県でもあった。妙に懐かしい。




いわきアリオスのバックステージツアー

2008年05月07日 | いわき
今日はいわきアリオスバックステージツアの日。まあゴールデンウィーク子ども向け企画というところか。
今日は、はじめに裏方チームの大プレゼンテーション(音響照明舞台)があり、その最後に迫りから案内をしてくれるお姉さん(スタッフ)が出てくる。流石日本最強の,といっても良いアリオスの設備は見栄えがすると感心。そのあと、大ホールをほぼ一回りしていただき、各場所でちょっとづつ遊んでちょうど2時間。
午前午後各3組づつに分かれたので、合計80名くらいになったかな。案内は二人づつだったけれど、先頭と最後に付いて、ドアの開け閉めとかもあり、ちょっと大変だったかも知れない。
ステージスタッフの人たちも普段は人に言われてやることの方が多いだろうから、こういうことはすごく良いと思う。その上、いろいろと機構を試すこともできるわけだから一石3丁くらい。今回はほとんど全部裏のスタッフが企画制作でありました。
第一生命ホールでやろうと思ったときは、いろいろ制約があったり、見せるところが少ない(機構的には音楽ホールはつまらないから)こともあり、オープンハウスというスタイルにしたわけだけれど、裏の人が活き活きとしているという意味ではこっちの方が面白いところもある。本当は両方できると良いのだろうけれど、それはそれでまた難しいのかも知れない。
というわけで、今日は面白くできた。また7月の夏休みに入ったところでやる計画がある。