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児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

いわきおであり研究会4

2011年01月24日 | いわき

前回の更新のあと、それぞれの演奏家が学校に行ってアウトリーチを行った。お互いにそれを見ることが出来たのも良かったかもしれない。

最後は常磐市民会館横の公民館の広間で4人による小さなコンサート。150人ほどのお客様が来てくれてなかなか雰囲気の良いコンサートのなった。ちょっとお風呂場みたいな空間だったのだけれどいっぱいのお客様のおかげでほどよいところに落ち着いたのもよかった。最後、それぞれがカスケードの時よりもずっとリラックスして演奏しているように見えたのもアウトリーチで一人でその場を支配するという経験のたまものか・・・


おであり研究会カスケードコンサート

2011年01月18日 | いわき

8日のおでかけアリオス研究会の記事からもう10日も経ってしまった。その間色々とあったのだけれどパソコンは壊れるし、忙しいことも有り更新できなかった。その間のことを敢えて書くとすると・・・

1月9日はいわきで会議10日はいわきの仙台フィルニューイヤーコンサート。今年はパスカル・ヴェロの指揮。フランスの粋の詰まったコンサート。なるほどという感じ。1月11日は地域創造そのほかで会議、12日から北九州に行き13.14日と地元演奏家のアウトリーチ(ソプラノ、ソプラノ、フルート、クラリネット)、それが終わって熊本に行き、地域創造の邦楽事業のガラコンサート。楽しいコンサートだった。邦楽器は転換とか案外面倒そうなのであるけれど、市町村のホールのスタッフの動きも良くてスムースに行ったしきれいなコンサート。16日に帰京してその足で三鷹市芸術文化センターでニューイヤーコンサート。これは毎年アウトリーチをしてくれている、丸山+中川、小川+風の木管5重奏団、神谷+田村の3グループの総括演奏会のようなもの。6年目の今年は有料ではじめて満席になったと喜んでいた。6年間同じ演奏家で続けて居るが、これからどうしていくのかが三鷹市と企画側の見識だろう。まあ、みんなが白髪のおばあちゃん、おじいちゃんになってもやっていて、「むかし小学校で聞いたあの人がうちの子どもにも演奏してくれている・・・」というのもなかなかおつではある。

17日は芸大で2月に行うアウトリーチのプログラムのミーティング。話す内容は地域でやって居るのと基本的には同じである。でもこのくらい一緒にプログラム案について本人のやりたいことを突き詰めて考えていくのはこちらは楽しいし本当に刺激になる。良いものである。そのあといわきに来て、今日が4人の演奏家のお披露目を兼ねたカスケードコンサート。普段のカスケードとはまた違った雰囲気になるのは知り合いが来ているからだと思うけれども、同じカスケードでもこれはこれでまた違った肌触りの暖かさがある。やはり緊張する本番は演奏家のいろいろな要素がアウトリーチとはまた違ってむき出しになるような感じがある。やはり演奏家というのは良い本番の前には良い表情をする。

写真は最後に4人が一緒に演奏。(カッチーニのアベマリアと乾杯の歌)

 

 

 


おでかけアリオス研究会3

2011年01月08日 | いわき

おでかけアリオス研究会は7月のオーディションで4人を選抜してから、やっとランスルーまで来た。今日は午後いっぱいを使って、4組の演奏家が本番通りにやってみる。そのあと20分くらいづつミーティング。これが終わると今年度の研究会は、18日から21日までの本番を残すのみ。ランスルーは一番やりにくい時だと思われるので、今日のできで判断はしにくいのだけれど、まあまあのところに来ていると思う(演奏家の本番力を信じないとこういう事業は出来ないので、あんまり心配してもね)。

今回は、他の場所に比べてスタッフに意見を言う人が多いので、こちらは他より楽だという面とまとめるのに苦労することもあるんだろうなあ、という部分とがある。しかし、普通4組のランスルーとミーティングをやるとバテバテになるので、その意味ではずいぶんと気の回しようが違うかもしれない。面白いのは今回の4人の演奏家は、いわきに戻ってきて一定のキャリアを持っている2人と、まだ若くて東京にいたり、帰ってきたばかりの2人が好対照であること。どちらもそれぞれの良さがあってお互いに刺激を受けてくれているのだと嬉しいのだけれど・・・。でも、みんながそれなりに仲良くしてくれているのは、多分スタッフも含め一緒に行こうとしているところ(目標とも言うけれど、もう少し違う何か)がわかっているからだろうと思う。それがこういう事業の一番良いところかもしれない。やって居る最中に写真は撮る余裕がないので、写真はランスルー前の写真。


いわきのアウトリーチ研究会(おであり研究会)2

2010年12月26日 | いわき

アウトリーチ研究会のプログラム検討の時間が終わった、今日は10時からだから大体6時間。四人の演奏者(フルート、ソプラノ、ピアノ、ヴァイオリン)のそれぞれが持ち寄ったアウトリーチ向けのプログラムについて、四人とアリオスの担当者と広報と私との8名で話をしていったのだけれど、まだ全員による立体的な討論にならないのはまあ仕方がないとは言うものの今後の課題である。ただアートの世界だけに価値観をぶつけ合ってもうまく行くとは限らないのが難しいところだろう。そのあたりのやり方のブレイクスルーとして見つけてくれる人がいると良いのだけれど・・・

今回は20代前半の音大を出てまだ時が経っていない2人と、40程度で既にいわきでの活動実績を持つ2人がいるのだけれど、同胞意識というのがすこしづつ出てきているようなのが嬉しい。とはいえ演奏家なので判らないところもあるのだけれど・・・・

フルートの紺野さんはオーディションの時に一番大人の生き方を感じた。いわきの久ノ浜で活動していくのは大変だと思うのだけれどちゃんと自分の演奏をメンテナンスしているのがすごいと思った人。木田さんは第九の合唱で過去2回お世話になったソプラノ。オープニングの時は自ら不足している合唱団の練習を面倒見て頂いたり、きちんと歌える力を持った人。ピアノの鈴木さんはアリオスが出来たので帰ってくる気になったという、アリオス関係者が泣いて喜ぶことを行ってくれた人。田村さんのアウトリーチを熱心に見て一番吸収する意欲があるように思える。ヴァイオリンの常光さんはいわき期待のヴァイオリンでまっすぐな感じがする。弦楽器は各地で常に良い人が少ないことが大きな悩みなのでこういう人がいると嬉しい。いずれにしろみんな一所懸命に考えてくれていて、前回渡した企画シートのおかげもあるとしても、今日集まったプランもピントが合っているものが多く、嬉しい誤算。その割にミーティングに時間がかかったのだけれど。

このおであり研究会は比較的丁寧に進めているので、次は1月8日に全員のランスルーを見て、その後1月19日からのアウトリーチの本番となる。このときは北海道の深川からも見学に来るそうだ。

 


田村ピアノコンサート(ここが私のベストシート)

2010年11月28日 | いわき

いわきの音活支援の公演は、田村さんのリサイタル。1705席の大ホールでのコンサートになった。といっても大ホールでやりたい、というのは田村さんのアイデアで、そこで一番好きな席を探してもらい、後半はそこでゆっくりと聴く。約120名ほどのお客さんなのできわめて贅沢(というかふつうはあんまり考えない数字だが)な遣い方である。このアイデアで田村さんは研修会のワークショップとかでは何回かやって居るけれども、それを下敷きにしてリサイタルの中で本格的にやるのははじめてかもしれない。体力的に(身体も精神も)かなりピアニストにとって過酷な企画だと思うけれど、田村さんは(身体はともかく)心から楽しんでこういうことをやれる人。

ホールの中の席の位置によって、音響が変わるというのは経験的にはみんな知っているが、スタッフでもなかなか経験して確かめることは出来ないし、設計の人とかホールの人は(名誉にかけて)あんまりそのようなことはいわない事が多いので、結局、何となくあの辺が良いらしい、という口コミに頼ることになる。その意味で一般の方向けに「席によって音が違いますよ、自分にとって良い席を探してください」というのは貴重出し勇気の要る企画だとも言えると思う。まあ、あんまりそのような事は気にしないのだけれど。

帰りがけに、自分の一番良いと思う席に印を付けて頂いたのだけれど、1階の前方から4階までかなり票が割れた。あと、ピアノでは常識の下手側が売れる、ということもなく、上下ほとんど同数。面白い結果である。

前半は舞台上にあがってもらって、説明を聞いたり寝転んで聴いてみたりしたあと、席探し。後半は所謂通常に近い形での演奏会、と言う構成。広い会場の中を歩き回ったので草臥れた方も居たみたいだけれど、怪訝な顔をして入場していった人が、途中では楽しそうに階の移動をしたりしていて(特に男性)、こういう機会きをおもしろがってくれているのがわかったので、まあ成功と言えるだろう。段取りにまだまだ改善の余地はあるもののスタッフも充実した一日でした(珍しく20名ほどのグループの先導役をやることになり、こちらも楽しかったけれど)。

アリオスの舞台や照明のスタッフの能力の高さ(これは単純な意味での能力というのでなく人間力というようなもの)を音楽の企画では珍しく活かせたのもなかなか有意義だったと思う。

写真は終了後、席の移動の案内等に協力してくれたスタッフたちとの記念写真

 

 


いわきのアウトリーチ研究会(おであり研究会)

2010年11月18日 | いわき

今回の田村さんさんのアウトリーチは、7月にオーディションをした在住の演奏家にそれぞれ見て頂いた。今日の夕方に全員が集まってお茶をしながら田村さんと話をした。いろいろな意見が出たけれども、みんな本質的にこの事業の趣旨を理解してくれていると思う。安心した。1時間程度のつもりが1時間半を超えてしまったけれども、案外突っ込んだ話もあってなかなか有意義な時間になったと思う。

 


田村さんのアウトリーチ

2010年11月17日 | いわき

いわきでは音活支援を活用した事業とピアノストーリーという独自事業を合わせて、田村さんに凡そ音活の倍のスケールの仕事をお願いしている。そのために夏に一回、秋に2回いわきに来て頂くのだけれど、昨日から4日間は主にアウトリーチをお願いしている。彼女のアウトリーチの基本的な構成は彼女のアウトリーチに対するおもいとか考え方を基礎にしてブレがない。個々のアイテムについては時々すごいと思わせる工夫とか新しいアイデアがあったりするし、臨機応変の話のしかた(始まる前に先生とかと話をしたその場の情報を本当にうまく活かしたもって行き方をする)に関する勘の良さも見事なものだけれど、基本がしっかりしているのであやうさを感じることがない。もちろん一回一回はうまく行ったり行かなかったりするのだけれど、そのことが重大な問題だとは思えないのである。もちろん、プロデュース側とアーチスト側では違いがある。アーチストはいろいろな可能性の中から、自分の最善のものを見つけようとするし、考え方も様々であるということはないけれども、プロデューサーは様々な演奏家の考えを、前向きの可能性として捉えると言う傾向がある。あれも良いけれどこれも良い、だからやってみよう、という感じになるのである。この辺の不思議なずれは無いとは言えない。

今日の三和と好間の山あいの小学校はどちらも小規模で、全校生徒を対象にしたアウトリーチだったけれど、どちらも非常に良い反応。特に学校に着いたときの校長先生の顔から期待感があふれていたので、これはうまく行かないわけがない。それにこたえるように田村さんの説明は丁寧にになり神経が届くようになって、その分時間が延びるのだけれども、先生も生徒も全然気にかけていないかのごとくである。午前中の学校の校長先生は、途中で少し伸びそうである事をわびると「少しでも長く一緒にいられるだけで子どもは嬉しいのです」とおっしゃった。

全校生徒がお互いの顔を知り尽くしているような家族的な構成の学校では、組織の機能がうまく働いているのだと思う。こういう小規模校でのコーディネートの最大のポイントは、それを見分けるこちらの目である。今日はそれがうまく行った日だったと思う。


茂木大輔の面白楽器学

2010年11月07日 | いわき

茂木さんとのつきあいは長くなるけれども、いわきでもオーケストラの入門編企画として茂木さんの解説は非常に貴重である。
今は普及事業への取り組みに熱意を持つ指揮者もかなり多く、指揮者とオケが一体となって取り組み成果を上げている話も良く聞くのだけれど、茂木さんの発想は若干他の人とは違うかもしれない。そしてそれが貴重なのである。のだめの監修で名前が売れてしまった今でも、つきあいはじめた頃からの彼のこういう事業に対する発想はそれほどずれていない。三鷹で聴き手と一緒に育ってきたという経験は貴重である。いわきではずいぶん先を走っている人とつきあうという苦労はあるけれども・・・。
最近はビデオカメラを使う手法を得て、言いたいことがあふれて時間が延びる、ということが昔に比べれば少なくなった。映像を使うのは音楽を聴くスキルアップとしての普及型企画にとって諸刃の剣の面もあるけれども、音楽を聴きながら必要な情報を補うのには良い手段である。それを何とはなしに視覚を通じて目から入る事で理解が並行的に行われると言うことも有り得るのである。
今回はリハーサルでは茂木さんの体調が今ひとつ(風邪か)だったのだけれど、本番ではきっちり調子を合わせてきて充実した演奏会になった。二つの低音楽器をテーマとしたので地味とも言えるけれども、非常に貴重な協奏曲が2曲聴けたことはとても面白かった。企画の趣旨と離れるかもしれないけれど、クーセヴィツキーのコントラバス協奏曲とヴォーンウィリアムスのチューバ協奏曲を一度に聴けるなどという機会はないので、遠くからわざわざ聴きに来た人もいたみたい。
吉田秀さんと池田幸広さんは本当に熱演。機会が少ないと言うこともあるのだろう。気合いの入り方は並大抵ではなかったようで、昨日のリハーサルからソリストがどんどん発言していくのでオケは少しお大変だったかもしれないが、そのおかげで今日はきちんと出来た、と言う部分もある。
楽しいコンサートでした。ただこういう企画にありがちな意外に客が増えないという事実とどう向かい合い解決していかがこれからの課題だろう。


3年目の夏(いわきのヴィルタスSQ)

2010年09月01日 | いわき
ヴィルタスSQは今年3年目。夏の滞在型は2回目である。今年は南の勿来地区。地元の方の強力もあり、リハーサルの公開と、地元の協力者のための簡単なレセプションでの演奏、お寺と勿来の関の吹風殿という施設での小さなコンサート。小さなといっても内容は日の出(水谷さんがファースト)、ベートーヴェンの5番、ラヴェルというフルコンサートのしスタイルである。吹風伝でのコンサートでは、周りの駐車場で地域の産品をつかった食の祭典のイベントや流しそうめんなどが併設。日曜日と言うこともあって入れない人が何人もでた。
今回の5日間、お互いに何となく慣れておおむね良い感じであったように思う。お寺は雰囲気は良かったのだがこの猛暑でスタッフも含めやや草臥れた感じだったが、吹風殿は半分窓を開けて景色も見え、冷房も効かせての演奏で、ここは良い雰囲気で出来ていたように思う。拍手がとても良くて予定外のアンコールつき。
実は2日前の練習時は昨年に比べてあれっというところもあったのだけれど、さすが室内楽の猛者たちである。本番は充実した良い演奏だった。

たんけんアリオス(いわき)

2010年08月02日 | いわき
いわきアリオスはたんけんアリオスとしてバックステージツアーをやってきたが、そろそろ見るだけでは飽きてしまう時期になってきたので、今年から脚本を作って貰い、地元の役者にも手伝って頂いて、その物語に照明や音響や舞台やスポットなどの体験を組み込むような少し新しいやり方を工夫した。
今回のたんけんアリオスはその第1回目。いっぺんに多くの人に体験して貰うスタイルではないが、それなりに楽しいものができたようだ。やはりストーリ-のあることが人に及ぼすものは多大である。このスタイルでやってみて、いずれはまた新しい方法も考えていく必要があるだろう。
この企画は単に市民に体験して貰うと言うだけではなく、アリオスの若いスタッフの良い経験の場としても考えて居るようなので、そのあたりは舞台サービスのセクションの回転はうまくいっている,といっても良いだろう。
今回は、アリオスの怪人役が舞台の親分の西村さん。まあ出番は1回だけれどなかなか良い役を持って行った感じがする。