拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

あの頃みんな若かった―『CHRONICLE 0-ZERO-』

2007-02-13 22:28:29 | L'Arc-en-Ciel
1994年のラルクのビデオシングル「眠りによせて」から1996年の「Lies and Truth」までのPVを収録したDVD『CHRONICLE 0-zero-』をフラゲしてきた。まだドラムがsakuraだった頃の初期ラルクファンはもちろん、最近ラルクを知った人も過去を知るために是非とも手に入れておきたいPV集。結成から15年のキャリアを積んだ現在に10年以上前の、バリバリヴィジュアル系だったころの映像作品を発売してしまうとは、ラルクもやること大胆だなぁ。youtubeが完全に浸透し、ミュージシャンのPVなど見ようと思えばいつでも見れる時代にこのようなPV集の需要がどれだけあるのかは疑問だが、やはりファンとしては一本の作品集として手元に置いておきたいので商品化は嬉しい。あぁ…みんな…若い(笑)!hydeさんは半端じゃなく美しい。あれはもう女性だ。そしてtetsuが怖い。
ところで今回発売された『CHRONICLE 0-zero-』、実はこのシリーズの1と2は既にとっくに発売されている。「HONEY」から「Driver's High」までのシングルのPVを収録した『CHRONICLE』と、「LOVE FLIES」から「STAY AWAY」、そしてベスト盤のみに収録の名曲「Anemone」のPVを収録した『CHRONICLE 2』。所謂ラルク全盛期にこの二つのPV集は発売されていたのだ。両者とも、ただPVを寄せ集めただけではなく、観るものをファンならずともビックリさせるようなとんでもない内容となっている。ナンセンスの極地とハイグレード映像美を誇るPVが奇跡的に絡み合った『CHRONICLE』と、ブラックユーモア満載の『CHRONICLE 2』。そしておまけとして収録される歴代傑作CM集(彼らのCMは傑作揃い。この頃の彼らの戦略は凄いな)。もう、こんなにキレのあるセンスが炸裂してるPV集はないぞ。本当。それなのに『CHRONICLE 0-zero-』は至って普通。肩透かしを喰らうくらいな普通のPV集。確かにジャケットを飾るピーナッツの意味不明さは「さすがラルク!」なのだが(ナッツ菓子=「懐かし」説が有力)、若干期待はずれである。当時のCMも収録されてるけど、まだこの時代は電通や博報堂と組んで革新的な宣伝戦略をしてなかった頃だから割と普通の新曲告知だ。あ、でも「風に消えないで」のCM中に次のシングル「flower」の宣伝をサブリミナル的にねじ込む手法や、ナレーションに『ちびまる子ちゃん』でおなじみのTARAKOを起用して視聴者を無理矢理振り向かせるという手法にはこだわりを感じる。
「虹」以降のこだわりぬかれた映像作品と比べればかなり見劣りするものの、初期ならではの勢いと「トホホ…」な感じ、そしてなにより美人なhydeが素敵である。以下、数曲にコメント。

「Blurry Eyes」
記念すべきデビュー曲。私は誰とカラオケ行っても大体この曲を歌うので、私の身の回りの人々にはすっかりおなじみだと思われる。PVの見れる機種で歌えばその場にもれなく笑いをもたらす万能曲。目を疑う程の美女っぷりが際立つhyde、口開けて上を向く瞬間が怖いtetsu、マダムっぽいken、普通に男前のsakura、「見よ!!」とばかりに踏まれるエフェクター、回る回るメリーゴーランド…ツッコミどころ満載…いやでも曲自体は本当に名曲で、未だに「これが一番好き」ってファンも多い。アコギが奏でるバッキング、饒舌すぎるベース、ドラマチックな曲構成。初期ラルク史に渾然と輝くエヴァーグリーンソング。

「夏の憂鬱」
これ、アルバムバージョンとシングルバージョンがえらい違いで。「♪It's just time to say good bye~」という歌い出しが優雅なシングルバージョンの方が好きだなー。この曲、あのユーミンも「独特過ぎる憂いがある」と絶賛しておりました。PVの方は例の歌い出しの部分がこれまた劇的。hydeの登場の仕方、ビビるわ。ファンの間では有名なkenの半ケツが見れるので興味ある人は是非見てみるといいね。

「flower」
この時期のPVにしては完成度高め。びっくりするぐらい映像が綺麗になってる。ヘドバンしまくりながらハーモニカ吹きつつ歌うhydeの頸を心配しつつその映像美と名曲に酔いしれる。檻の中から歌い叫ぶラルク、という感じだが、実はラルクが居る側が檻の外だという説もある。後半のブリッジ部分で突然出てくるウサギが可愛い。この曲でラルクはブレイクしましたねー。ラルクがメジャーと繋がった瞬間。私のラルク好きもここから始まった。


さて、トータルタイムは64分とパッケージに書いてあるのにプレーヤーの表示では52分となってるので「これは隠しトラックがある」と思っていろいろいじくってたら、やっぱありました。まだ見つけてない方は是非試してみてください。自分で探したい方は以下読まないでください。



①ソングリストの「Vivid colors」にカーソル合わせて「←」キーを押すと同曲の別バージョンのPVが見れる。
②「Lies and Truth」にカーソル合わせて「→」キーを押すと、アルバム未収録なのが意味不明な名曲「Brilliant Years」がバックで流れる中、貴重な過去のオフショット集が見れる。

●今日の一曲
「夏の憂鬱」/L'Arc-en-Ciel