拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「♪ひとりで泣いてる時も思い出してね あなたの笑顔がきっとすぐに駆けてくる」

2006-11-01 19:05:44 | テレビ
昨日は『ちびまる子ちゃん』の実写版第二弾を見た。役者陣がまる子の世界の強烈なキャラに随分と慣れてきたのか、前作よりもハマり具合が良くなっている。そしてお話自体も、原作の良い場面をしっかりと活かして見せていて相変わらず素晴らしかった。「口笛が聞こえる」から両親の離婚話に持っていくのなんて上手いなぁと思った。まる子が作文で家族の醜態をさらし、ひんしゅくを買う話は原作ではなくアニメのエピソードだったが、いいのを引っ張ってきたと思う。しかもハマジの「ありのままでいいじゃん」の名言を導入して、とても温かな良い話になっていた。何度も笑ったし時には泣きそうになったり。こういう家族みんなで安心して見ることのできるドラマって今、ゴールデンタイムには他に無いよなぁ…。
それにしてもまる子役の子の演技は凄まじかった。前作で「可愛いまる子っぷり!ハマってるわ~」とほのぼのしながら見てたけど今回はほのぼのどころじゃなかった。前作よりもパワーアップした変顔、無邪気な笑顔、オロオロしてるときの情けない表情、そして悲しみを爆発させる号泣シーン。とんでもない子役が出てきたなぁ…と感服。お姉ちゃん役の子とかたまちゃん役の子も前作よりもかなりハマったナイスな演技を見せていたけど、なんかレベルが違ったぞ。走り方も「まる子」そのものだったしなぁ…。「りぼん」での連載時代からのファンも衝撃のまるちゃんぶり。彼女はなんというかアレだ、北島マヤだ。「役になりきって生きる」という点において彼女は北島マヤ級の才能があるのではないか?今彼女は9歳らしい。5、6年後、もう一度『ガラスの仮面』を、彼女を北島マヤ役に立てて制作してほしいとさえ思った。その際の亜弓さん役はあのたまちゃん役の少女で。月影先生はハマりすぎだったので野際陽子のまんまで。安達裕実時代よりも凄いのができるかもね。あー、本当凄かったよ、泣くところ。特に嘘を告白した時の号泣。
とはいえおねえちゃんやたまちゃん、その他のクラスメイト役だって前作以上の活躍を見せていたのは確かである。おねえちゃんは両親の離婚の危機のショックを妹に隠すといういじらしい演技を見せた。西条ヒデキへのファンレターを見られて激怒するシーンは笑わせてくれたし、その後まる子とつかみ合いの喧嘩をするシーンでは、ほっぺたをつねるなど大人げないやり方でまる子を圧倒(自分もつねられてたが)。たまちゃんは遂に夢見る優しい少女「タミー」に変身。あれが原作に登場したときは「たまちゃん、まともな子だと思ってたが(笑)」と大喜びした私だが、今回も笑わせていただいた。彼女がタミーぶりを発揮し、帰りの会でまる子を庇うために決死のマシンガントーク→脱力の場面も最高だった。前作では優しい親友としてのたまちゃんが全面に押し出されていたが、今回はタミーの登場で、たまちゃんのおとぼけ的可愛さが炸裂していた。
花輪君、ハマジ、みぎわさんも光ってたなぁ。花輪君はキザな態度はもちろん、ふいに見せる「フ、困ったナァ」的な表情が上手かった。ハマジは背が伸びたのが若干気になったが、おもしろい顔面は健在。まる子の妄想の中での結婚式シーン、「いいじゃんいいじゃんプップクプー」などなど、バカバカしい場面を見事に再現。みぎわさんはかーなりパワーアップしてたなぁ。子役にして原作からボコっと出てきたようなあの強烈キャラを演じきるなんてプロ根性に拍手。
今回から登場した新キャラたちも上手に『ちびまる子ちゃん』の中に組み込まれていた。若い頃の両親を演じた玉木宏(父ヒロシと同じ名前だー)と国仲涼子のおとぼけカップルぶりは、エンディングテーマで「アララの呪文」にのって踊るシーン含め、見ていてとても楽しめた。イケメンなのにスルメのことしか頭にないヒロシ(笑)。そして、まだ40代なのに友蔵じいさんの友人の中野さん役を何の違和感もなく普通~に演じた温水洋一さんに拍手(笑)。あの人は特にキャラを作らずして、温水さんのまんまであの『ちびまる子ちゃん』の世界にハマってしまった奇特な人だということが、よくわかったよ。 
ああ、なんかいろいろと羅列してしまった。最後にもうちょっとだけ。今回『さくら家、大ピンチ』の名で放映された両親の離婚危機のエピソード。実はケンカの原因はヒロシが高価なトレーニングマシンを買うと言い出したことがきっかけだったわけだが、それをふまえると両親のシリアスな口論シーンでのヒロシのセリフ「オレは家族のためを思って言ってるんだ!!」は最高に笑えるセリフになるよね。

タイトルは「アララの呪文」の歌詞。その後につづくのは「♪なんとなく可笑しいね~」