文京区小石川に伝通院の別当、浄土宗寺院の「澤蔵司稲荷」(慈眼院)はある。創建年代は不詳。元和6年(1620)に伝通院中興・開山廓山上人が沢蔵司稲荷の別当を「慈眼院」としたことからその頃にはすでに創建されていた。本尊は阿弥陀如来像。澤蔵司という若い僧は浄土教修学で小石川伝通院に入門し3年で浄土宗の奥義を極めた。善光寺がある善光寺坂を伝通院方向へ進むと「稲荷大明神」のお告げにより建立されたという小さな社がある。澤蔵司の幟建つ参道、石段を上ると修行僧、狐の化身「澤蔵司」が祀られている。武蔵野の台地が小石川台となって神田方面に下る傾斜地が小石川で山手と下町が坂をはさみ混在する街である。善光寺坂には文京区指定樹の「ムクノキ」(樹高約13m、目通り幹回り約5m、樹齢400年)が聳えている。この一帯は夏目漱石、石川啄木、菊池寛などの文人がそぞろ歩いた町、徳川家ゆかりの「伝通院」を中心に神社仏閣が溶け込んでいる。境内には芭蕉「一しぐれ 礫や降りて 小石川」は詠んでいる。(2108)







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