文京区小石川に徳川将軍家の菩提寺として知られる浄土宗寺院「無量山傳通院寿経寺」はある。創建は応永22年(1415)、本尊は阿弥陀如来像である。将軍家の帰依も厚く、傳通院の名も家康の母の法名に因んでいる。5年前に完成した新しい二層の「山門」を抜けると広大な境内となる。その正面に昭和63年建造の堂々とした入り母屋づくりの「本堂」がある。永井荷風はノートルダム寺院にこの寺の美しさを例えた。右手に「書院」と「寺務所」が建ち並ぶ。山門左手に「鐘楼堂」と「法蔵地蔵尊」、本堂左奥の墓地には「於大の方」、「千姫」、「孝子」と徳川家ゆかりの女性のお墓がある。その他に作家の柴田錬三郎や佐藤春夫もここに眠っている。本寺はかつて関東十八檀林の一つとして盛観を極めた。江戸三大霊山、江戸三十三箇所観音札所の第十二番札所である。(1909)













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