鬼子母神堂(法明寺の仏堂)

豊島区雑司ヶ谷に本院「威光山法明寺」(日蓮宗の寺院)の飛地境外の仏堂「鬼子母神堂」はある。安産・小育の神様(鬼子母神)をお祀りするお堂として又、江戸三大鬼子母神の一つとして崇敬を集めている。木像鬼子母神の尊像は永禄４年(1561)清士の池の辺より掘り出され東洋紡に納められ天正６年(1578)村人がお堂を建立したのが始まりである。雑司ヶ谷駅より江戸の旧観を残すケヤキ並木が続く石畳の参道を進むとお堂をお護る様に左右に石の仁王像が建っている。境内左手には都指定の天然記念物に青々と茂る樹齢７００年の「大イチョウ」(大公孫樹)、奥正面に美麗な鬼子母神を祀る「本殿」、その周りに「法不動等」、「妙見堂」、赤い鳥居を配した「武士芳稲荷堂」、「大黒堂」、他に「石像・石碑」など数々の有形文化財が配置されている。重厚感に満ちた建造物(伽藍)はいずれもが迫力があり、寺域の大きさは由緒ある鬼子母神であることを窺わせる。(1310)