ナイアガラ公園の温室のデスプレイが替わり種々の菊が並べられてありました。その中でも目立ったのがこの花です。花びらの裏が銀色っぽい白で、紅白の縮らせたリボンで作った造花かと思うくらい現実離れした菊です。
亡き夫は菊の花が嫌いでした、特に白い花が。
お葬式を連想するから、というのがその理由です。
お葬式は嫌いで(その場で気絶するかもしれないという不安があったようです)どんな義理のある人のお葬式にも出ませんでした。
この風変わりな菊をみて思ったのは、この菊でも彼は同じことを言ったかしら、ということです。
日本でならお祝い事に使えそうな紅白の豪華な花にはお葬式の悲しい湿った感じは想像できません。
昨年の今頃私は病院通いをしていました。良くなる気配の見えない夫を励ますことは自分自身を励ますことにもなりましたが、彼の力が尽きた時、私も生きる力を失っていました。周囲の人々の思い遣りに支えられて今日まで来ましたが、思い出が蘇り、また悲しみのどん底に居ます。
特に友人に会って楽しいひと時を過ごし、元気になったと自分でも思える日が過ぎ去ると二歩後退の感じで。。。
でも、少しづつ本を読み始めていることは進歩でしょう。
来年の横浜エスペラント大会には出たいと思うのでエスペラントの本を毎日数ページ心掛けています。「頑張って行っておいで!」と彼が言っています。
自分はただの一度も故郷に帰らなかったのに、私が日本へ行きたいと言うとなけなしのお金をはたいても行かせてくれた人でしたから。
菊の花を見ると、どうしても彼の菊嫌いを思い出してしまいます。