つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

紅黄とくれば……

2006-02-18 14:02:02 | ファンタジー(現世界)
さて、困ったときのマリア様頼み(?)の第445回は、

タイトル:マリア様がみてる いばらの森
著者:今野緒雪
出版社:集英社コバルト文庫

であります。

背表紙の折り返しに書いてあるのから見ると、これがたぶん第3巻。
1巻は紅薔薇ファミリーの祐巳、祥子、2巻が黄薔薇ファミリーの令、由乃の話になっていたので残るは白薔薇と言うことで、白薔薇さまロサ・ギガンティアの話題が中心。

紅薔薇のつぼみの妹ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン プティ・スールの祐巳は、いつもながらの平均点を確保すべく、2学期の期末試験に向けて勉強に余念がない。
そんな中、いつもはそんな祐巳とおなじく休み時間も勉強に精を出しているはずのクラスメイトのお喋りの中から白薔薇さまロサ・ギガンティアの名前が出てくる。

さして気にしなかったその噂は、実はある少女向け小説で出版された自伝的小説の作者が白薔薇さまロサ・ギガンティアであるということ。
舞台は当然リリアン女学園、そしてそこでの生徒ふたりの恋を描いたもの。
白薔薇さまロサ・ギガンティアの過去を知っている生徒から見れば、自伝としか思えないそれの真相を解き明かすため、祐巳と由乃が行動するのが表題作の「いばらの森」

もうひとつは、この小説のおかげで話題となった白薔薇さまロサ・ギガンティアである佐藤聖がまだつぼみだったころに出会った後輩の少女久保栞との出会いから別れまで描いた「白き花びら」で2本立て。

まぁ、何というか……。
ウィキペディアの「マリア様がみてる」の項目で、白薔薇さまロサ・ギガンティアがファンの間で未だに人気トップと言うのがよくわかる。

普段は祐巳曰く「セクハラ親父」で、豪放磊落な様子を見せつつも、祐巳と祥子のいざこざにはたいてい面倒見のいいお姉さんを演じ、悲恋の過去を背負い……とまぁ、人気が出るキャラと言うのはこういうものだ、と言わんばかりのキャラ。
きっと、作者もノリノリで書いていることであろう。

それにしても、やはりと言うか、2巻でも思ったが、このひと、ノリはいいのだが文章はさほど上手ではないな。
要所要所で詰まるのなんの。
書いてる人間の悪い癖なのかもしれないが、自分ではわかるが、読んでいる人間にはすんなり入ってこない描写というのがあるんだから、もうちょっと気をつけてもらいたいもの。

あと、雑誌のほうにも出している関係か、展開が早すぎる。
特に「白き花びら」なんかは顕著だろうねぇ。
枚数制限とか、いろいろあるんだろうけど、少なくとも全体の3分の1くらいは増やして、展開ごとの余韻というか、落ち着く場所を作ったほうが、全体としてより雰囲気のある話になるのではないかという気がする。

いかにもなストーリーでおもしろくないと言うわけではないのだが、こうあらが目立ってくるとなかなかいい評価は出せないだろうね。
ノリで読むにはいいけど、評価するならぎりぎり及第と言ったところか。



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最初にまんがはつかないけれど

2006-02-17 21:01:16 | その他
さて、やっぱりいいなぁの第444回は、

タイトル:日本の昔話
著者:柳田国男
出版社:新潮文庫

であります。

日本民俗学の大家である柳田国男の著作になる日本各地で語り継がれている昔話を集めたもの。
なんと、と言うほどではないけれど、最初のはしがきは昭和5年になっていてもともとは古い本。

中には10行程度の短いものから、2,3ページに渡る比較的長いものまで、合計108の昔話が収録されている。
それでも200ページに満たない薄めの文庫だけど、1話1話がとても短いので、通勤時に読むのに最適。
10分程度の電車の中でも、3つ4つの昔話を読んでいられる。

で、肝心の中身はと言うと、やっぱり、すごい懐かしい感じがいっぱいでとても心地よく読める。
自分の家や近所のじいさんばあさんに、と言うわけではないけれど、テレビでやっていたまんが日本むかしばなしを見ていた人間にしてみると、マジで懐かしい(^^

はしがきに著者本人がなるべく広く知られているようなものを収録した。
と言うようなことを書いてあったので、知っている話はごろごろある。

定番中の定番、ひとのいい正直者の爺さん婆さんと、欲深な爺さん婆さんの話や、正直者の青年が長者になる話、キツネやタヌキのいたずら話、逆に鶴の恩返しに代表されるような動物の恩返しの話、英雄譚、仏教説話によく見られるような因果応報の話などなど、ほんとうにいろんな昔話がある。

もちろん、わらしべ長者などの極めて有名な昔話もしっかりと収められている。

でも、知っていると言っても、土地土地によって微妙に違うところがあったりして、そういうところを見つけるのもおもしろい。
私はまったく知らなかったのだが、おそらく知らないひとはいないかぐや姫の昔話は地方によっては「鶯姫」という名前でストーリーはほぼそのまま、ってのがあったりして、へぇと感心したり(^^;

ただ、やはり古い時代の本だけあって、漢字の使い方が古い。
たとえば、いまでは「むこ」と言うと「婿」だけど、この本では「聟」の漢字をあてている。
また、どこに伝わっている昔話かの特徴とかがはっきりしていると、話の最後に地名が書いてあるけれど、これがまったくいまの地名と対応していない。
「肥後天草郡」とかだとわかるけれど、「磐城石城郡」とかいったいどこだ!? ってのがかなりたくさん。

こういうのに詳しいひとならいいんだろうけど、あいにくとまったく詳しくないので、上総とか書かれても、確かあの辺り……くらいしかわからん……(爆)

とは言うものの、どこの昔話だろうと、こういう昔から語り継がれてきた物語には、やっぱりどこか心に残るよさと言うものがあるんだろうね。
短いお話ではあるけれど、読んでこれっぽっちも感じるもののない小説なんかよりも、断然いい。

なんかふと、若いひとに読んでもらいたい気がしたなぁ。
マンガやラノベばっかりじゃなく、しかも堅苦しい古典でもない、こういう素朴な日本の昔話を、ね(^^

ばばんばばんばんばん

2006-02-16 18:31:57 | 木曜漫画劇場(紅組)
さて、やっぱりドリフが出てくるのは当然かなの第443回は、

タイトル:温泉で会いましょう(全2巻)
著者:唐沢千晶
出版社:白泉社 花とゆめコミックス

であります。

鈴:このところ、クラシックばっかり聞いてるLINNで~す。

扇:クラシックのロックバージョンとかなら聞きたいSENでーす。

鈴:ロックバージョン……ワーグナーなんかそのまんまロックにしても違和感ないだろうなぁ(笑)

扇:つか、あれはロックだろ? メタルとは言わんが。
春だけ有名なビバルディの四季と同じで、ワルキューレの騎行だけ有名だけどな。

鈴:それを言うなら、ボレロのほうがまだ無情だろ。
どっかのアニメのおかげで、名前だけは売れてるからな。作曲者知らない人間のほうが多いだろうし。

扇:どっかのアニメって、三国志の銀河バージョンやった話のことか?
三国志と言や、『蒼天航路』終わったよ……ま、詳細は聞くな。

鈴:そのとおりだーやねぇ。
人間の代わりに戦艦で三国志やった話のアニメ版だな。
……って、終わったの、あのマンガ。コアな人気があったような気がするが?

扇:コアな人気はあったと思うぞ、要は主役に体力の限界が来ただけだ。
三国志もの、西遊記ものは、中途で打ち切りが多いことを考えると、頑張った方だと思う。

鈴:そうだなぁ。まちゃあきの西遊記もそうだったしなぁ。
それにしても、いまやってるフジテレビ系の西遊記って、やっぱ昔のを知ってると、なんか、かなり、いまいち……。

扇:でも、結構人気あるみたいだな。
慎吾ちゃん出てるから、ってだけでもないらしい。
まー、旧西遊記はな~、寺が燃えたら「火事だーっ!」つって、消火ホース持ち出すような話だったからなぁ。(笑)

鈴:それもおもしろかったんだよなぁ。
でも、いまの西遊記の筋斗雲がサーフボードっていったいなによ……。
あの、人差し指と中指立てて、口の前で振る呼び方でないと私は認めんっ!(笑)

扇:まぁ、サーフボードの時代なんだろう。
というか三蔵法師は夏目雅子以外は認めねぇ!
ごっつい綺麗な顔でキッツイこと言いまくる、あれがいーのだ。

鈴:よかったねぇ、夏目雅子……。
ほんまに、三蔵法師は夏目雅子のものだな。男装の麗人なんて言葉じゃ陳腐になるくらいだったしなぁ(遠い目)

扇:本当に美人だったよなぁ……。(しみじみ)
って何で西遊記で盛り上がってるんだ、今日は水滸伝の話だぞ。

鈴:水の部分だけ合ってるな。
……って、本編の話してないな、ぜんぜん。
じゃぁ、「温泉で会いましょう」だけど、主人公の少女(始め見たときにはまったく少女に見えなかった)が、離婚した両親や弟の事情で、たったひとりで温泉旅館に旅行することになったところから始まる。

なぜ家族旅行にそんな旅館!? と疑われるのではないかと思える旅館華翠楼は従業員がすべて男。
そしてその旅館を取り仕切る3兄弟と、お節介な主人公の五十嵐潮が織りなすコメディであります。

扇:両親、調べずに決めたな絶対……離婚後の夫婦は複雑だから仕方ないが。
要は逆ハーレム旅館ってネタなんだろうが、ネタ以外に何も存在しないのがこの物語の不幸なところだな。

鈴:まぁなぁ。
1話で終わっとけばなぁ、とリアルタイムにLaLa DX読んでて思ったものなぁ。
まぁ、そうは言っても、いちおう木曜劇場だし、キャラ紹介しとくか(投げやり)

扇:素でララデラって出るあたりが君らしいな……。
その前にお知らせです、URLはそのままで。


つれづれ読書日記


つれづれ読書日記、気分的に進化!

『作家別目録』更新!
『怪しいページ』も更新……してるかも。
御覧になりたい方は、最新記事の『目録へのショートカット』、もしくはこちらから!


つれづれ読書日記


扇:それではお楽しみ、キャラ紹介のコーナーです。
まずはメンバーの紹介からどうぞ。

鈴:主人公の五十嵐潮。ショートカットで1話の初っぱな見たとき、女の子だったとは、1ナノメートルも思わなかったキャラ。
けっこうお節介で、1話で因縁が出来てしまった華翠楼の3兄弟の世話を焼くことになった不幸な(?)ひと。
まぁ、3兄弟それぞれ、一癖も二癖もあるようなヤツだし、苦労しないほうが難しいとは思うけど~(笑)

扇:えー、微妙に女の子です。
というか、キャラ的に弱かったよねこの子。
先々週紹介した『月夜烏草紙』の主役みたいに自己主張全開ってタイプでもないし、かと言って他の三人をシメるほど体力あるわけでもないし。
ちなみに、見た目男の子ってことを(作者が)気にしてたのか、浴衣姿で温泉ぶち込まれた時は妙に身体のラインが強調されてました、絵的に。

鈴:なぜそういうところに気付くかなぁ>身体のライン
さておき、とりあえず、次は華翠楼の3兄弟、温司、泉水、遊。
おかたい金銭至上主義の温司、愛がすべてでお軽いキャラの泉水、潮よりも着物を着れば女の子らいし遊。
以上。

扇:そりゃ~、オジサンだからさね。
って、以上かよ。
コミックス裏表紙の解説文に毛が生えた程度で終わってんじゃねぇ!

鈴:だって、さっき言ったじゃん。
1話で終わっとけばなぁ、って(爆)

扇:貴様っ! 人の振り見て我が振り直せ、という言葉を知らんらしいな。
たとえ作者が、要は裸の男集めて逆ハーレム状態だとか、メインの三人はいかにもな美形キャだとか、薄~い主人公が意味なくモテるとか、そういうかき集めたネタに頼るだけの話のオチも付けられん漫画家だったとしても、我々までそれに染まってはいかんのだ!

鈴:いや、読んでるだけ染まってはないんだがなぁ……(冷静)
まー、その評価に関しては、まったく否定せんがな(爆)

扇:じゃ、彼女を反面教師にして真面目にキャラ紹介しましょうね、先生。(事務的)

鈴:え? 終わったんじゃなかったのか!?

扇:何ならここでお前を終わらせてやろうか?

鈴;ふっ、返り討ちにしてくれるわっ!

扇:最近それオキニやね。
仕方ない、メインライターの俺がやるか。
長男の温司(あつし)。
いわゆる黒髪美形、表面上だけカタブツタイプ。
超女嫌いで、自分の旅館から女性従業員をすべて叩き出した無茶な奴。
ただし、一話でいきなり潮に惚れて転向した……一話で終わっときゃ笑える人。

次男の泉水(いずみ)。
白髪、ナンパ男、んでこの物語の脱ぎ役。
ゴージャスと言うほど描き込み激しくないので、キャラ属性と絵が一致してない。
ちなみに、兄貴といがみ合ってるように見えて、バリバリのブラコンなのは基本。

三男の遊(ゆう)。
ロリだけど少年、カツラ脱ぐと凄いことに。(笑)
成長したらナンパ野郎になる可能性大、つか、最終巻で示唆されている。
いっつも泣いているが、末っ子のポジションを上手く利用しているだけという噂も。

鈴;うわぁ、全部書いちまったよ、相棒……。
じゃぁ、キャラ紹介も終わったことだし、そろそろ終わっとくかぁ。

扇:そうだな、そろそろ死ぬか?

鈴:死なんわっ。
死んだように寝るだけじゃ(どこが違う?)
……さておき、ホントに終わっとくかね。
では、今回の木曜劇場はこの辺で、さよ~よなら~

扇:さっさと逃げおったな、こやつ。
絵は新人とは思えないぐらいこなれてるんですが、話はちょっと……。
巻数少ないので、騙されても後悔しない人だけ読んで下さい。
では、今宵はここまでにいたしとうございます。さようなら。
(ところで、「さよ~よなら」ってどこの挨拶よ?)

ギルガメスの伝説

2006-02-15 18:25:43 | ゲームブック
さて、これも紹介してなかったなと思う第442回は、

タイトル:悪魔に魅せられし者
著者:鈴木直人
文庫名:創元推理文庫

であります。

伝説のカルトゲーム『ドルアーガの塔』のゲームブック。
三部作の第一巻で、一階から二十階までの冒険を描きます。
微妙に設定が変わってたりしますが、気にする程ではありません。

苦難の末、英雄ギルガメスは悪名高きドルアーガの塔に辿り着いた。
王国に愛と平和をもたらしていたブルークリスタルロッド。
悪魔ドルアーガは、この塔のどこかにそれを隠している。

長旅の唯一の友であった愛馬と別れ、黄金の甲冑を身に纏う。
塔内は魔物のひしめく迷宮、生きて帰れる保証はない。
求めるは神々の至宝ブルークリスタルロッド、そして、捕らわれた恋人――カイ。

以前紹介した『パンタクル』もそうでしたが、素晴らしい完成度を誇るゲームブックです。
8×8ブロックのフロアをほぼ自由に動き回れるシステムを採用し、元になったゲームの核である『迷路』を無理なく再現しています。
さすがにセレクトボタン一回押しや、呪文を三回受ける等の宝探しシステムはありませんが、たまに隠しアイテムも出てきます。(例えば七階の……以下略)

特徴としては、原作にはない作者独自の演出が非常に多いこと。
塔の中に闘技場や牢獄や食堂があったり、魔法を知らない筈の主人公が呪文を使えたり、ドルアーガが下の階層に出てきたり……これが本当に面白い。
今のゲームでは当たり前になっているマルチエンディングも採用されており、ついつい二度三度と遊んでしまいます。

ゲームブックの醍醐味である、秘密情報、嘘情報も満載。
北の扉は開けてはいけない、こう行けば迷路は突破できる、宝箱は罠だ、この中に嘘つきがいる等々、あの手この手でプレイヤーを惑わします。
誰を信じるかはプレイヤー次第、上手くいったら情報提供者に感謝の祈りを捧げ、騙されたら作者を呪って下さい。(笑)

以下、やった人だけ解るネタ。

・経験値は30でカンストだと思っているのは私だけでしょうか? 毎巻30稼ぐと、能力値的に最終巻のドルアーガと釣り合いが取れるのです。つか、そう考えないとホワイトナイト稼ぎでゲームバランスがボロボロに……。

・十二階の謎を覚えておいででしょうか? 私の場合、一階へZAPされる道と、正しい通路は見つけ出せたのですが、十三階への道がどうしても解りませんでした。気付いたのは三巻全部クリアして、もう一度やり始めてから……悔しい。

ゲームブック好きなら即買いです。
絶版本だけど、気合いと根性で探し出しましょう。

お嬢様は名探偵

2006-02-14 17:25:21 | ミステリ
さて、謎はまだ残っていると思う第441回は、

タイトル:覆面作家は二人いる
著者:北村薫
文庫名:角川文庫

であります。

読んだ後で知ったのですが、『覆面作家シリーズ』の第一作。
日常を扱った推理物なのでミステリにしましたが、内容的にはファンタジーです。
短編集なので、一つずつ感想を書いていきます。

『覆面作家のクリスマス』……『推理世界』の編集者・良介は怪しげな原稿と、それを書いた投稿者に会いに行く役目を先輩に押しつけられた。題名が『クリスマス』、著者は新妻千秋。会いに行ってみれば、家は豪邸、作者は深窓の令嬢、それでいて投稿理由はお金が欲しかったから(!)。仕事を忘れて話し込むうちに、良介はついつい、刑事の兄から聞いた事件の話をしてしまう――。二人の主人公、千秋と良介の紹介編。謎解きはかなり強引で首をひねってしまうが、家の内と外で性格がガラリと変わる千秋、兄と双子であることを利用して刑事のフリをする良介、といったキャラクターの味は上手く出している。問題は、これで終わっても別にいいんじゃないかと思えることだが、それは連作物全てに言えることかも知れない。

『眠る覆面作家』……『覆面作家』のペンネームでデビューした千秋。めでたく最初の原稿料受け渡し、となるはずだったが、約束の日の朝まで徹夜していた良介は見事に遅刻してしまう。意気消沈して家に帰ると、兄がその日にあった誘拐事件と、犯人とおぼしき少女に投げ飛ばされた顛末を話してくれた――。なんか良介が、ちょっと反抗期入った娘を相手にしている親父と化している。こーゆー娘が欲しいのか、作者? とか邪推してしまうのは私だけではなかろう。ちなみにミステリとしては非常に素直にまとまっていていい感じ。

『覆面作家は二人いる』……間の悪いことに、良介は兄と一緒にいる時に千秋と出会ってしまった。何だかんだ言っても刑事、長話をしていたら、すぐに千秋が自分を投げ飛ばした犯人だと気付いてしまうだろう。すったもんだのあげく、三人は良介達のアパートで一服することになる。千秋が帰った後、兄は一つの推理を口にした――。編集部の先輩の娘と姉が登場、少しばかり人間関係が込み入ってくる。今まで、いかにも間抜けな刑事役だった兄が、それなりにらしい所を見せるのも面白い。特に意味はないが、良介の「えげつな!」の台詞は笑えた。

ちょっと浮いたキャラクター達と手の平サイズに収まる事件がマッチしており、軽妙な文体と相まって非常に読みやすい作品に仕上がっています。
トリックを好み、謎解きに熱中するミステリファンには少し物足りないかも知れませんが、ちゃんと筋は通っているので御安心を。
作家がホームズ、編集者がワトソンという構図を上手く利用して、いつの間にか事件に関わって、ささっと解決してしまうという見せ方はお見事。

ただ、千秋のキャラクターについては、何だかなぁという気がしないでもない。
思わずぽかんとしてしまうような物凄い美人で、花も恥じらう清楚なお嬢様。
外に出ると気っ風のいい姐御肌に変身するのだが、微妙なところで弱々しげな仕草を見せる……あ、書いてて頭痛がしてきた。

そもそも、名前が新妻って時点でオジサンの萌え心全開なのは間違いなし。(笑)
外・千秋は最初から良介のことを名前で呼んでたりしますしねぇ……。
まぁ、都合のいいファンタジーって意味では、フェロモン全開で兄貴に迫る『血のつながらない妹』も大して変わんないのでこのぐらいにしときますが。
(おお、また敵が増えた)

息抜きのため、あっさりした作品を読みたいという方に最適。
個人的に引っかかる部分はありますが、作品としてはきっちりしているのでそれなりにオススメです。


☆クロスレビュー!☆
この記事はSENが書いたものです。
LINNの書いた同書のレビューはこちら

さて、真相は?

2006-02-13 22:19:16 | 時代劇・歴史物
さて、ちょっと奥の手を使う第440回は、

タイトル:NHK歴史発見〈1〉
著者:NHK歴史発見取材班
出版社:角川書店

であります。

ユニークな推理と大胆な仮説が売りの歴史バラエティ番組『歴史発見』を本として再構成したものの第一巻です。
番組内の会話の再現がメインですが、写真資料、用語解説、コラムなど、紙ベースならではのオマケ要素もあります。

☆『卑弥呼、王権の秘密』(平成4年5月8日放送)
何度でも思い出したかのように復活する邪馬台国のお話、ゲストは作家の黒岩重吾。卑弥呼と道教のつながりについて述べ、それがいかにして古代日本に伝わったか考察しています。論争の焦点である邪馬台国の位置については、畿内で出土した三角縁神獣鏡は卑弥呼が受け取った鏡ではないとし、九州説を主張。番組レギュラーの里中満智子が、ちょっと可愛らしい感じで卑弥呼について述べているコラムも面白いです。

☆『仕組まれたクーデター 由比正雪の乱』(平成4年5月1日放送)
あまりにも有名な幕府転覆計画のお話、ゲストは作家の村松友視(本来はネ偏ではなく示偏ですが、表示の関係上こちらで表記させて頂きます)。由井正雪は本物の策謀家か、それともただの山師か? 乱世が終わり太平の世となってから、軍事コメンテーターのような軍学者が溢れていた中、正雪だけは他と違っていたのではないか、と推測。紀州大納言と正雪の結びつきや、老中松平信綱の立場などに触れ、最終的に勝ったのは人間ではなく幕藩体制だった、と述べています。

『写楽を探せ1 絵に刻まれた暗号』(平成4年4月17日放送)
140余りの作品を残して消えた浮世絵師写楽のミステリー、ゲストは作家・版画家の池田満寿夫。迫力はあるものの、部分的にデッサンが狂っていることに注目し、写楽は素人絵師であったと推理。版元と関係があった歌舞伎役者中村此蔵の名を挙げています。さらに、後期になって絵が大きく変化したことを指摘して、写楽はもう一人いたと仮定。ある絵に、その人物の名が暗号として隠されているという新説を披露します。

『写楽を探せ2 追跡・謎の能役者』(平成4年4月24日放送)
写楽探し第二弾、ゲストは作家の高橋克彦。先週と正反対に写楽はプロであったとし、写楽=歌麿説について解説しますが、結局これは間違いだと気付いたと語ります。以下、非常に推理小説家らしい推理を展開し、最終的に能役者斉藤十郎兵衛こそその正体であるとしています。

『薩摩発秘密指令 「竜馬を暗殺せよ」』(平成4年4月3日放送)
暗殺ミステリーの定番、ゲストは漫画家のさいとうたかを。まずは『ゴルゴ13』の作者らしく暗殺者の心理を追い、さらに、事件当時の情勢について分析していきます。龍馬を殺すメリットがない幕府、朝敵とされたため京都での行動が制限されていた長州を除外し、残るは薩摩と土佐。最終的には、自供した元見廻組の人々が後に薩摩藩に厚遇されたことから、明らかに薩摩が黒幕だと述べます。問題は西郷、大久保どちらの画策かですが……ここでは後者としてます。

会話主体なのでかなり軽く読めます、オススメ。
ガチガチに固い内容じゃなく、歴史四方山話みたいになっているのも良し。
今の『その時歴史が動いた』も好きですが、こっちももう一度視てみたいと思いました。

三部作よりは数出てるよなぁ

2006-02-12 16:25:46 | 事典/図典
さて、とうとうこのひとが出てしまうの第439回は、

タイトル:TALES
著者:いのまたむつみ
出版社:エンターブレイン

であります。

副題に「Tales of Destiny2・Tales of Destiny・Tales of Eternia いのまたむつみ画集」とあるように、ナムコが制作・販売しているアクションRPGの「テイルズシリーズ」の画集。

小説の表紙絵や挿絵では、「宇宙皇子」「風の大陸」シリーズで、アニメでは「ウィンダリア」「ブレンパワード」などのキャラクターデザインを手がけたいのまたむつみさんの最新の画集でもある。

もともとがゲームのもの、と言っても、最近はメディアミックスで小説になったり、後日談などがドラマCDになったりと、いろんなジャンルになっているから、そういうので描かれたイラストなども収録されている。

その関係もあって、収録されているのは、販促用のポスターなどに使われるような大きめのイラスト、それぞれのキャラクターごとのイラスト、小説の表紙絵に使われたもの、ドラマCDのジャケットのイラスト、あと弱冠のラフ画など。
大きめのイラストには、ところどころにいのまたさんのコメントも入っている。

順番は、副題そのままで、「Tales of Destiny2」から始まり、「Tales of Destiny」、「Tales of Eternia」となっている。
ちなみにゲームの発売は、「Tales of Destiny」「Tales of Eternia」「Tales of Destiny2」

あとは、最後のほうに、各ゲームごとでのインタビューがある。
とは言うものの、各4ページで、ラフ画3ページ、インタビュー1ページ程度なのでかなり物足りない。
どうせなら、もっとしっかりとあってほしかったところ。

まぁ、画集なんだからと言えばそれまでだが……。

で、なんでこんなもので書評?
なんてことは言いっこなしで。

ただ単に、私がいのまたさんの大ファンなだけ(爆)

何がいいって、キャラクターもそうだけど、あの色遣いがかなりツボ(笑)
あの淡い色彩がなんと言ってもいい。
特に、線のことなんかどうでもいいように滲んで、はみ出した感じのがまたよい。

この画集のイラストはゲームのものなので、比較的しっかりした色遣いではあるけれど、らしさは十二分に感じられるので無問題。
てか、なんてったって、いったい何年ぶりだ!? ってくらいの画集なので、さらに無問題(爆)

う~む、今度実家に戻ったときにいままでの画集を漁ってこようっと……。

三作目でも二本

2006-02-11 14:00:07 | ミステリ
さて、久々にご登場の第438回は、

タイトル:スペース
著者:加納朋子
出版社:東京創元社

であります。

加納朋子デビュー作の「ななつのこ」、2作目の「魔法飛行」に続く入江駒子を主人公としたシリーズ第3作。
表題作の「スペース」と、「バック・スペース」の2本が収録されている。

「スペース」は、大晦日のお昼過ぎ、受験を控えた弟を除いて正月準備に忙しい中、おせち料理の飾りを買いに行くことになったところから始まる。

買い物をすませ、残りは松の葉。
どこか公園で拝借してくればいいだけだったが、思わずデパートの正面玄関に据え付けられている門松の中から失敬しようとしたとき、「ななつのこ」の著者に出会う。

松の葉のことでひとしきりやりとりがあったあと、駒子はその著者にある手紙を読んでほしいと頼み、そうして物語が始まる。

構成は、この最初の駒子と「ななつのこ」の著者とのやりとり。
次に、この「スペース」の大半を占める駒井はるかと言うひとへの手紙の内容。
最後にまた駒子と「ななつのこ」著者とのやりとり、と言うもの。

「ななつのこ」も、駒子とその著者との手紙のやりとり、と言う体裁を取っていたけれど、こちらは著者宛ではなく、別の親しい間柄のひとへ宛てた手紙、と言うことで、どことなく他人の秘密を覗いているような、そんな感じがする。
まぁ、そういう雰囲気は読んでておもしろかったりするんだけど(笑)

「バック・スペース」は、この手紙に書かれた出来事の、実際のこと。
短大の授業でやっている「表現法演習」で、自分の書いた文章を朗読させられることや、東北への研修旅行のことなどが描かれている。

相変わらず、そっと包み込まれるような優しい雰囲気の作品ではあるけれど、内容はミステリと言うよりも、自分がいるべき場所を求める主人公を描いていて、内容的にはけっこう重いほうだと思う。

それでも、それをさらりと淡い、優しい雰囲気でくるんで一見そうとは見せないところは、これも相変わらずだけどすごい。
もっとも、これは駒子のキャラクターにもよるところが大きいとは思うけど。

それと、加納さんの小説には恋愛色があまりないけれど、これは恋愛小説とも言えるもの。
でも、どこにでもあるような恋愛色の濃いものではない。
掌の中の小鳥」の圭介と紗英もそうだったけど、けっこうあっさりとしている。
くすっ、としてしまうような、ほほえましくも軽やかな恋愛ものだろうね。

……にしても、やはりミステリはネタバレが出来ないので書くのが難しいね。
たぶん、読んでて「ん?」と思うところがあるとは思うけど、それは前の2作を読んでから、この「スペース」を読んでもらいたい。
「?」の意味がわかると思うから。

三巻目……なんて言わないよ

2006-02-10 21:57:34 | 小説全般
さて、リハビリに余念はありまくりの第437回は、

タイトル:幸福の遊戯
著者:角田光代
出版社:角川文庫

であります。

名前だけは知っていたけど読んだことがなかった作家さん。
本書は、「海燕」新人文学賞受賞作の表題作の他、「無愁天使」「銭湯」の3つの短編が収録された200ページあまりの文庫。

各話は以下のとおり。

「幸福の遊戯」
私と、大学院に通う立人、立人のところに転がり込んだハルオの女ひとり、男ふたりで始めた共同生活を描いたもの。

他愛ないやりとりからカメラを手にし、やりたいことを見つけて出て行くハルオをきっかけに3人の共同生活が壊れていく。
居心地のいい共同生活をいつまでも続けていたいと願う私を中心に話が進んでいく。

「無愁天使」
多額の保険金が入ったことで、ただひたすらに衝動的な買い物に走る女性の話。
中盤辺りから、あまりにも使いすぎ、デートクラブでの収入で補填しようとする中で出会ったかなり年上の男性とのやりとりが入る。

「銭湯」
主人公の八重子が現実の自分と、想像上の自分とを揺れ動く物語。
銭湯で出会った女性に想像上の自分を重ねてみたり、話し出すと止まらない老婆に捕まって断り切れない現実の自分に嫌悪したりと、平凡な女性の心情が淡々と描かれている。

以上。

……なんか、ふ~ん、で終わりばっかりの話だったなぁ。
まぁ、このところ、わかりやすいのばっかり読んでたから脳みそが溶けてると言えばそうなのかもしれないけど(笑)

あえてひとつ、よかったかもしれないと言うのをあげるならば、表題作の「幸福の遊戯」かなぁ。

けど、あくまで「あえて」なので期待しないほうがいいかもしれない。
アマゾンのレビューをちょろっと見ると、ダメといいとがあったりしたけど、私は完全にダメなほう。
と言うか、「この程度で新人賞かあ」ってのがあって、結構納得(笑)

文章はまずくはないので、読み進むには問題はない。
ただストーリーに魅力がなければ、キャラクターにもまったく魅力がない。
キャラだけでいえば、「銭湯」の八重子がいちばん味のあるキャラではあったが、それでも印象が薄い。

雰囲気もまったく感じられないしで、まぁ、いいとこはない。

とは言うものの、やはり最近のポリシー上、もう1冊は読むだろうけど。

三馬牌は眼に入りません

2006-02-09 17:36:03 | 木曜漫画劇場(白組)
さて、咲かせなくても読めるけどの第436回は、

タイトル:新暗行御史(第1巻~第12巻:以下続刊)
原作:尹仁完ユン・インワン  作画:梁慶一ヤン・ギョンイル
文庫名:サンデーGXコミックス

であります。

扇:最近、相方が『マリみて』にハマってるので頭痛がするSENでーす。

鈴:はまってるなんてとんでもないと言い返しつつ、あと1冊読んだら出てるのは読み終わるLINNで~す。

扇:どっぷり首まで浸かってんぢゃねぇか、ガキャア!

鈴:そういうことを言うかね……。
なら私の担当回、すべて「マリみて」にするぞっ!

扇:やめれ
まぁ、『乃木坂春香の秘密』で埋められるのとどっちって聞かれると、悩むところではあるが。

鈴:そんなん、悩まんでもよかろ。
どう考えても、私でさえ死ねるのだから『乃木坂春香の秘密』のほうがきつかろう(笑)

扇:いや、お姉様ぶってても実ははただのガキな人が出てくる『マリア様がみてる』もどうかと思うぞ。

鈴:思いっきりケンカ売ってんな、ファンに……。
まぁ、紅薔薇のつぼみロサ・キネンシス・アン・ブゥトン(2巻当時)がお子様なのはまったく否定できんがな。
しかしだな、あの主人公の天然ボケぶりがどーも人ごとのようには思えんのだよ(笑)

扇:個人的に言うと、あの主人公には冷静なツッコミ役でいて欲しかったな……。
「何考えて生きてるんだこいつら」みたいな感じで。
つか、同じ天然ボケの君としては居心地のいい世界かも知れないねぇ。

鈴;いや、居心地がよくなけりゃ、1週間で全巻読まんだろ(爆死)

扇:死んでるな、つーか、むしろ死ね。

鈴:ったく、そんなに私の間口の広さに嫉妬せんでもよかろうに……。
……で、今回のおネタは新暗行御史ではなかったのではなくて?

扇:ええ、「お姉様のおでましだ」に変えてもよろしくてよ……って。
うがぁ、俺の脳が、脳が死ぬぅ~!

鈴:死ぬならやんなよ……

扇:前フリが長くなりましたが、新暗行御史アメンオサであります。
舞台は聚慎ジュシンと呼ばれる滅びた国。
かつて王の特使として各地を駆け回り、悪徳役人を成敗して回っていた『暗行御史』と呼ばれるA級エージェント――の生き残りの話です。
ものごっつ水戸黄門に似てますが、作者もそれは意識してるらしく、まんま黄門様なキャラクターも出てきます。(爆)

鈴:出てくるのか……。
何代目の黄門さまだ?(笑)

扇:俺がリアルタイムで知ってるのは二代目からだ。
いや、それは置いといて。
君もちょっとは作品解説してくれ、今回は『マリみて』の紹介じゃないんだぞ。

鈴:え? このまま「マリみて」でOKじゃなかったのか!?

扇:来週から『コブラ』を一巻ずつ紹介してやろうか……。

鈴:やめれ
つか、ホントに新暗行御史の話をしよう。
じゃ、キャラ紹介ね(強引)

扇:その前にCMです。
(いつからキャスターになったんだ、俺は)


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扇:では主人公の文秀ムンス
暗行御史の生き残りで、聚慎を滅ぼした宿敵阿志泰アジテを追っている。
普段は銃器で戦うが、ここぞというときは究極の三馬牌――暗行御史の証明書みたいなもので、馬の数が多いほど格が高い――を使って、ピエロみたいな格好の幽幻兵士を沢山呼び出して敵をシメる。
エロ魔神、悪知恵の塊、結構冷酷、と何かダークヒーローっぽい奴だったが、山道と旅するうちにかなり甘~い性格になった……惚れたか?

鈴:あー、確かに、最初のころはダークヒーローっぽい感じで、かなりいい感じな主人公だったんだがねぇ。
やはりそこが分かれ目か……。
じゃぁ、文秀の恋人(?)の山道サンドか。

扇:だから、恋人じゃなくて部下だってば。
ヒロイン(?)の山道サンド
ボンテージにマント、巨大な剣に鉄の爪、という趣味丸出しのファッションで戦う女戦士。
文秀の護衛として、その姿からは想像できないほどの馬鹿力を振るう、結構人外。
性格はかなり弱気、泣き虫、お人好し……という文秀にいじめられるために出てきたようなキャラだが、たまーに鋭いツッコミを入れることもある。

鈴:ファッションは、最初っからかなりぶっ飛んでたよなぁ、こやつ。
でも、突っ込み入れるの、たまーにか?
なんか、結構痛いこと言ってる気がせんでもないぞ(笑)

扇:まぁ、無口なだけに喋る時は言いたい放題言ってる気もするな……。
では最後にラスボスの阿志泰アジテ
いわゆる美形悪役、善悪の概念が一般人とちょっとズレてる人。
本人は人を超越してるみたいな気でいるんだろうが、ヒ○ラーやアレク○ンドロスのような誇大妄想狂とどこが違うのかさっぱり解らない。
某滅びた会社の格ゲーのボスと同じく、パワーだけは鬼のようにでかいため、今のとこ文秀が勝てる要素はゼロ。

鈴:ゼロって、どうやって話終わらせんだ、これ(笑)

扇:俺が知るかっ!
敵は普通のバトル物のようにガンガン強くなるけど、主人公は飽くまで人間に毛が生えた程度で留まってるからなぁ。
ま、山道もボケキャラ卒業したみたいだから(そうか?)、そろそろ終わり方を考えないといけないんだろうがな。

鈴:そうだねぇ。
こっちもそろそろ終わりにしとかないと、どえらい長くなってんぞ。

扇:確かに、『新暗行御史』とは関係ないところで大いにスペース食ったからな。
絵はかなり上手いのですが……電波飛び交ってるんじゃないかと思えるぐらい和洋折衷時代無視な世界を描いているので、それを受け入れられるかがポイント。
戦闘シーンと掛け合い漫才は割と楽しいです。
さて来週は……とある温泉旅館のお話、さよーなら~。

鈴:素直にマリみてだと言ってもいいんだぞ(笑)
と言うわけで、なんか常になく、関係のない話に終始した気はまったくしないでもないところで、さよ~~~~~~~~な~~~~~~~~~ら~~~~~~~