さて、いよいよこれを紹介してしまう第435回は、
タイトル:コブラ(全18巻)
著者:寺沢武一
文庫名:ジャンプ・コミックス
であります。
以前、鴉天狗カブトを紹介した時に、『コブラを語り出したら、一巻ずつやらないとページが足りない』と書きましたが、さすがにマズイかなぁ、と思ったのでダイジェストで我慢します。
時は未来。
貿易会社に勤めるジョンソンは退屈な日常に飽き飽きしていた。
唯一の楽しみであるボーナスも、惑星旅行にすら行けない微々たる金額……。
彼は、ちょっとした刺激を求めてT・M社を訪れる。
そこでは、人の潜在意識を具現化し、望むままの夢を見せてくれるのだ。
ジョンソンは夢の中で無敵の海賊コブラとなり、宇宙を駈け巡った。
意気揚々と帰宅するジョンソン。
だが途中で、夢の中にしかいない筈の海賊バイケンと鉢合わせしてしまう。
危機に陥るジョンソン――その時、彼の左腕が閃光を放った!
というわけでスペース・アドベンチャー・コブラです。
今回は旧版コミックの紹介に留め、カラー版で発表された作品についてはまた別の機会に書きます。
主人公は、言わずと知れた不死身の男コブラ。
左腕に仕込んだサイコガンを武器とし、超人的なタフさを誇るスーパーマンです。
格好良さもさることながら、ピンチの時も平気で飛ばすジョークが楽し過ぎ。
「わっ、よせ! 今、手がふさがっているんだ。あとにしてくれ!」
(敵が待つわけないのに……)
「おかしな夢をみちまったぜ。ねる前にチョコレートエクレアを食べすぎたかな」
(いや、エクレアで悪夢は見ないだろう)
「顔はかんべんしてくれ。オレはともかく、女の子たちが悲しむ」
(たち、ってとこがらしいです)
そして、忘れてはならないのが彼の相棒レディーでしょう。
彼女はライブ・メタルと呼ばれる特殊金属のボディを持つアーマロイド。
宇宙船タートル号のメイン・パイロットであり、無茶ばかりするコブラの子守役であり、滅法強い戦士であり、ひじょ~に素敵な一人の女性でもあります。
あとは、コブラの宿敵クリスタル・ボーイかな。
強靱で、しかも光線銃が通用しないボディを持つ強力なサイボーグ。
デザインもさることながら、コブラとの会話がかなり洒落ています。
ではちょっとだけお気に入りの話の紹介をば。
『最終兵器の秘密』(三巻)……伝説の古代火星人が残した最終兵器。手にした者は全宇宙をも支配すると言われるそれを破壊するため、コブラ達は惑星ザドスに向かう――。番外編とも言える、ソード人の話がかなり面白い。ゾンビのように襲ってくる兵士や、奇抜な攻撃を仕掛けてくる偽王バベルなど、とにかく凝っている。本編の最後で戦うことになる最終兵器のデザイン、能力設定も上手い。実際のとこ、よく勝てたなってのが本音。
『ロボットはいかが?』(六巻)……ロボット市場にやってきたコブラ。目的はこの星の銀行だったが、一体のロボットに懐かれてしまい、仕方なくそれを購入する。ところが、そのベルマR78型には重大な秘密が――。六巻は非常に贅沢な短編集だが、その中でも一番好きなのがこれ。オチが卑怯? そんなことはない。コブラはおとぎ話である、こんなのもアリだ。蛇足だが、アニメ版はさらに出来が良くて非常に嬉しかった。レディーも出たし。(爆)
『黒竜王』(九巻)……全長六〇〇kmにも及ぶ巨大な船・ジゴルに飲み込まれたコブラとナタリー。ジゴル内部は黒竜王と呼ばれる謎の人物が恐怖政治をしく独立世界だった。コブラは脱出口を知るために、黒竜王に会いに行くが――。旧版コブラを語る上で、外せない話であろう。最初にゲームになったのがこれなのも頷ける。黒竜王の仕掛けてくる幻覚の描写がとにかく秀逸で、何度見てもヤバイ。特に、アップで迫る××××の絵(P93)なんかもう……。
『神の瞳』(十二巻)……この世に二個存在すると言われる指輪『神の瞳』。パピヨンとドローレは互いに相手の持つ指輪を狙っていた。二人の争いに巻き込まれるコブラだったが、サイコガンに限界が訪れ危機に陥る――。個人的に大好きな敵キャラ・マードック君が出る話。「俺の名はマードック!」って、聞かれてないのに名乗るとこや、二度も蘇って来たのに結局最後までコブラに名前を呼んでもらえなかったとこがいい。神の瞳が短期間のうちに見せる世界のバリエーションの多さには脱帽(よー、考えるわこんなに)。特に、最後の一個前の『小さな××の世界』のアイディアは素晴らしい。
まだまだ好きな話は沢山あるけど、とりあえずのくらいで。
豊富なアイディアを詰め込んだ不思議世界を舞台に、コブラの大活躍を描く本作は一級のエンターテイメントです、物凄~くオススメ。
カラーページを復活させた完全版も出てることだし、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか?
タイトル:コブラ(全18巻)
著者:寺沢武一
文庫名:ジャンプ・コミックス
であります。
以前、鴉天狗カブトを紹介した時に、『コブラを語り出したら、一巻ずつやらないとページが足りない』と書きましたが、さすがにマズイかなぁ、と思ったのでダイジェストで我慢します。
時は未来。
貿易会社に勤めるジョンソンは退屈な日常に飽き飽きしていた。
唯一の楽しみであるボーナスも、惑星旅行にすら行けない微々たる金額……。
彼は、ちょっとした刺激を求めてT・M社を訪れる。
そこでは、人の潜在意識を具現化し、望むままの夢を見せてくれるのだ。
ジョンソンは夢の中で無敵の海賊コブラとなり、宇宙を駈け巡った。
意気揚々と帰宅するジョンソン。
だが途中で、夢の中にしかいない筈の海賊バイケンと鉢合わせしてしまう。
危機に陥るジョンソン――その時、彼の左腕が閃光を放った!
というわけでスペース・アドベンチャー・コブラです。
今回は旧版コミックの紹介に留め、カラー版で発表された作品についてはまた別の機会に書きます。
主人公は、言わずと知れた不死身の男コブラ。
左腕に仕込んだサイコガンを武器とし、超人的なタフさを誇るスーパーマンです。
格好良さもさることながら、ピンチの時も平気で飛ばすジョークが楽し過ぎ。
「わっ、よせ! 今、手がふさがっているんだ。あとにしてくれ!」
(敵が待つわけないのに……)
「おかしな夢をみちまったぜ。ねる前にチョコレートエクレアを食べすぎたかな」
(いや、エクレアで悪夢は見ないだろう)
「顔はかんべんしてくれ。オレはともかく、女の子たちが悲しむ」
(たち、ってとこがらしいです)
そして、忘れてはならないのが彼の相棒レディーでしょう。
彼女はライブ・メタルと呼ばれる特殊金属のボディを持つアーマロイド。
宇宙船タートル号のメイン・パイロットであり、無茶ばかりするコブラの子守役であり、滅法強い戦士であり、ひじょ~に素敵な一人の女性でもあります。
あとは、コブラの宿敵クリスタル・ボーイかな。
強靱で、しかも光線銃が通用しないボディを持つ強力なサイボーグ。
デザインもさることながら、コブラとの会話がかなり洒落ています。
ではちょっとだけお気に入りの話の紹介をば。
『最終兵器の秘密』(三巻)……伝説の古代火星人が残した最終兵器。手にした者は全宇宙をも支配すると言われるそれを破壊するため、コブラ達は惑星ザドスに向かう――。番外編とも言える、ソード人の話がかなり面白い。ゾンビのように襲ってくる兵士や、奇抜な攻撃を仕掛けてくる偽王バベルなど、とにかく凝っている。本編の最後で戦うことになる最終兵器のデザイン、能力設定も上手い。実際のとこ、よく勝てたなってのが本音。
『ロボットはいかが?』(六巻)……ロボット市場にやってきたコブラ。目的はこの星の銀行だったが、一体のロボットに懐かれてしまい、仕方なくそれを購入する。ところが、そのベルマR78型には重大な秘密が――。六巻は非常に贅沢な短編集だが、その中でも一番好きなのがこれ。オチが卑怯? そんなことはない。コブラはおとぎ話である、こんなのもアリだ。蛇足だが、アニメ版はさらに出来が良くて非常に嬉しかった。レディーも出たし。(爆)
『黒竜王』(九巻)……全長六〇〇kmにも及ぶ巨大な船・ジゴルに飲み込まれたコブラとナタリー。ジゴル内部は黒竜王と呼ばれる謎の人物が恐怖政治をしく独立世界だった。コブラは脱出口を知るために、黒竜王に会いに行くが――。旧版コブラを語る上で、外せない話であろう。最初にゲームになったのがこれなのも頷ける。黒竜王の仕掛けてくる幻覚の描写がとにかく秀逸で、何度見てもヤバイ。特に、アップで迫る××××の絵(P93)なんかもう……。
『神の瞳』(十二巻)……この世に二個存在すると言われる指輪『神の瞳』。パピヨンとドローレは互いに相手の持つ指輪を狙っていた。二人の争いに巻き込まれるコブラだったが、サイコガンに限界が訪れ危機に陥る――。個人的に大好きな敵キャラ・マードック君が出る話。「俺の名はマードック!」って、聞かれてないのに名乗るとこや、二度も蘇って来たのに結局最後までコブラに名前を呼んでもらえなかったとこがいい。神の瞳が短期間のうちに見せる世界のバリエーションの多さには脱帽(よー、考えるわこんなに)。特に、最後の一個前の『小さな××の世界』のアイディアは素晴らしい。
まだまだ好きな話は沢山あるけど、とりあえずのくらいで。
豊富なアイディアを詰め込んだ不思議世界を舞台に、コブラの大活躍を描く本作は一級のエンターテイメントです、物凄~くオススメ。
カラーページを復活させた完全版も出てることだし、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか?