さて、最近営業サボっている第120回は、
タイトル:ファウンデーションへの序曲(上)(下)
著者:アイザック・アシモフ
文庫名:ハヤカワ文庫
であります。
ドラクエI、II、IIIやったことありますか?
私はIIが一番好きなんですけど、大抵の人はIII最高って言います。なぜじゃ。
かなりいい加減な説明ですが、ファウンデーション三部作をドラクエI、『~の彼方へ』と『~と地球』をドラクエIIとすると、本書及び次作『ファウンデーションの誕生』はドラクエIIIに位置づけされます。そして伝説へ……つまり、ファウンデーションの生みの親である勇者(嘘)ハリ・セルダンの物語ですね。しかし、ゲームやってない人には意味不明だなこの解説。
目に見えぬ腐食が銀河帝国を蝕み、科学もすたれ始めている世紀末。
時の皇帝の耳をくすぐる、非常に興味深い噂があった。
ある男が、数学的に未来を予測することを可能にしたというのだ。
奴の名はハリ・セルダン!
皇帝は彼を呼び出し、心理歴史学の有用性について尋ねる。
しかしそれは未完成であり、同時に皇帝の望むものでもなかった。
帝国の未来を憂慮するジャーナリストがいた。
首都トランターの出生率の低下、貿易の停滞、人民の無気力化。
彼――ヒューミンは来るべき無政府状態を救い得る者を探し、発見した。
奴の名はハリ・セルダン!
彼はセルダンに心理歴史学の有用性を説き、完成することを要請した。
これが、以後の銀河史を大きく変えることになる。
彼は辺境の一数学者に過ぎなかった。
彼は純粋に数学的興味から理論を導き出したに過ぎなかった。
彼は心理歴史学に他の者が感じたような驚異的な機能を求めてはいなかった。
奴の名はハリ・セルダン!
後に神格化され、最も敬われ、最も恐れられる男。
奴の名はハリ・セルダン!
銀河の未来を選択し、見えざる手で人々を支配すると言われる男。
奴の名はハリ・セルダン!
三十二歳の彼は、自身の未来を知ることなく迷い続ける。
B級映画の話をしているわけではない。
本作はファウンデーション・シリーズの第六作目ですが――恐らくアシモフ自身がそれまでの作品を前提として読んでもらうという形に疲れていたのでしょう――完全に独立した作品として成立しています。これから読み始めても支障がないぐらいです。(もっとも、読んだら読んだで第五部のネタが少し割れてしまうのだけど)
ちょっとアシモフを知らない人のために捕捉。
数学的に未来を予測、と書くと随分固いイメージがありますがそんなことはないです。
アシモフの基本は「おしゃべり」であり、必要なことはすべて会話で読み取れます。
だから、予備知識として『××理論』だとか『××の定理』だとか『××の法則』などの数学的知識を学んでおく必要はまったくなし。
実際のとこ彼にハマった理由はコレだったりします。
ハードSFが悪いとは言いませんし、好きです。
でも純粋に物語だけを楽しみたい人にとっては、敷居が高いかも。
それがSFだ! とか主張されると困るけど、SF嫌いを育てているのもそこじゃないかなぁ……。
読書を志すなら必要な知識は学ぶべきだとは思いますが、あんまり専門的過ぎると避けたくなるのも仕方ないかと思ったりします。
というわけで、改めて主張。
本作に限らずファウンデーション・シリーズはSF嫌いの人にもオススメ。
ド派手な戦闘も口から酸を吐く異星人も格好いいメカとかも出てきませんが、物語としては一級品です。
――【つれづれナビ!】――
◆ 『銀河帝国興亡史』のまとめページへ
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タイトル:ファウンデーションへの序曲(上)(下)
著者:アイザック・アシモフ
文庫名:ハヤカワ文庫
であります。
ドラクエI、II、IIIやったことありますか?
私はIIが一番好きなんですけど、大抵の人はIII最高って言います。なぜじゃ。
かなりいい加減な説明ですが、ファウンデーション三部作をドラクエI、『~の彼方へ』と『~と地球』をドラクエIIとすると、本書及び次作『ファウンデーションの誕生』はドラクエIIIに位置づけされます。そして伝説へ……つまり、ファウンデーションの生みの親である勇者(嘘)ハリ・セルダンの物語ですね。しかし、ゲームやってない人には意味不明だなこの解説。
目に見えぬ腐食が銀河帝国を蝕み、科学もすたれ始めている世紀末。
時の皇帝の耳をくすぐる、非常に興味深い噂があった。
ある男が、数学的に未来を予測することを可能にしたというのだ。
奴の名はハリ・セルダン!
皇帝は彼を呼び出し、心理歴史学の有用性について尋ねる。
しかしそれは未完成であり、同時に皇帝の望むものでもなかった。
帝国の未来を憂慮するジャーナリストがいた。
首都トランターの出生率の低下、貿易の停滞、人民の無気力化。
彼――ヒューミンは来るべき無政府状態を救い得る者を探し、発見した。
奴の名はハリ・セルダン!
彼はセルダンに心理歴史学の有用性を説き、完成することを要請した。
これが、以後の銀河史を大きく変えることになる。
彼は辺境の一数学者に過ぎなかった。
彼は純粋に数学的興味から理論を導き出したに過ぎなかった。
彼は心理歴史学に他の者が感じたような驚異的な機能を求めてはいなかった。
奴の名はハリ・セルダン!
後に神格化され、最も敬われ、最も恐れられる男。
奴の名はハリ・セルダン!
銀河の未来を選択し、見えざる手で人々を支配すると言われる男。
奴の名はハリ・セルダン!
三十二歳の彼は、自身の未来を知ることなく迷い続ける。
B級映画の話をしているわけではない。
本作はファウンデーション・シリーズの第六作目ですが――恐らくアシモフ自身がそれまでの作品を前提として読んでもらうという形に疲れていたのでしょう――完全に独立した作品として成立しています。これから読み始めても支障がないぐらいです。(もっとも、読んだら読んだで第五部のネタが少し割れてしまうのだけど)
ちょっとアシモフを知らない人のために捕捉。
数学的に未来を予測、と書くと随分固いイメージがありますがそんなことはないです。
アシモフの基本は「おしゃべり」であり、必要なことはすべて会話で読み取れます。
だから、予備知識として『××理論』だとか『××の定理』だとか『××の法則』などの数学的知識を学んでおく必要はまったくなし。
実際のとこ彼にハマった理由はコレだったりします。
ハードSFが悪いとは言いませんし、好きです。
でも純粋に物語だけを楽しみたい人にとっては、敷居が高いかも。
それがSFだ! とか主張されると困るけど、SF嫌いを育てているのもそこじゃないかなぁ……。
読書を志すなら必要な知識は学ぶべきだとは思いますが、あんまり専門的過ぎると避けたくなるのも仕方ないかと思ったりします。
というわけで、改めて主張。
本作に限らずファウンデーション・シリーズはSF嫌いの人にもオススメ。
ド派手な戦闘も口から酸を吐く異星人も格好いいメカとかも出てきませんが、物語としては一級品です。
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