つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

緊急企画!(どこがだ!?)

2005-03-07 20:12:39 | ファンタジー(異世界)
さて、またもや中途半端に企画する第97回目は、

タイトル:月の影 影の海(上) 十二国記
著者:小野不由美
出版社:講談社X文庫ホワイトハート

であります。

再び小野不由美先生であります。
なおかつ、十二国記シリーズの企画であります。

悪霊シリーズでティーンズ小説の中では名前が知られていた小野先生。
これによって、ティーンズの枠を超えた人気を得、そしてNHKでアニメにまでなった作品の記念すべき第1作。
(新潮文庫の「魔性の子」のほうが先だけど)

主人公は、ある女子校に通う高校生、中嶋陽子。
家族、クラスメイト、教師……そんな人間関係を上辺だけでもうまくやってきた陽子。

その陽子が1ヶ月前からずっと奇妙な夢を見る。
鳥や猿……だけど、見知ったそれとは違う奇妙なもの。
それがどんどん夢の中で近付き……そしてそれは現実になる。

そんなときに、現れ、事情も話さず、陽子を主だと言う謎の男。
わけもわからず、そしてホントにわけもわからないところへ連れて行かれる陽子……。

そこは、日本ではなかった……。

本作は中国風の異世界ファンタジーで、主人公の陽子が景と言う国の王になるまでを語った物語。

なんだけど、暗い。
とにかく暗い!

そりゃそうだろう。
わけもわからず、何も知らない世界へ連れてこられ、頼りになるはずの連中とははぐれたまま。

そんな中、陽子はとにかく不幸続き。

地元の人間には捕まえられ、ようやく親切な人に出会ったと思えば女郎宿に売られそうになり、おなじ日本から流れてきた人には裏切られ、化け物(妖魔)とは延々と戦い続け……。

また、わけのわからない化け猿や幻覚に悩まされ……。

そんな中で、陽子は極めて人間不信に陥る。
誰を見ても裏切るのではないかと疑い、いかにして利用できるかを考える。

そして、戦い続けて、もう動けない……ホントに身体が言うことをきかないところまで追い込まれる。

……はっきり言って容赦がありません。

後書きで、「暗さにめげず……」というくだりがあるけど、ホントに暗い。

この作品に出会ったとき、本気で暗すぎて下巻を買ってなかったら読む気がおきなかったくらい。

でも、ここでめげてはダメ。
ダメ……だけど、次回……(笑)



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