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さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

幼かった日の思いよみがえらせて心ウルウル

2019-08-22 | 日記

ルビーのように美しく輝く野いちごの実を見つけたのです

 

 

 

80数年前7歳か8歳の頃の私は山あい(山間)の小さな集落に住んでいました。山あいの居平らに茅葺きの屋根の家が10数戸寄り添っていました。

もちろん子ども向けのお店などありません。親から頂くおやつと言えば「ふくべ」と言われていた小さなひょうたんに未熟の青米と少量の大豆を炒ったものを入れてひもで首から提げて遊んで居ました。それは当然育ち盛りの子どもを満足させるものではありません。

子供達は野や川辺や山からおやつを見つけ食べていたんです。春先すか菜の茎に塩をつけて食べるのに始まって、桑の実(くわご)・あけび・やまぶどう・栗・さなずら(小さなやまぶどう)・はしばみ(皮をむいて白い実を割ると油濃い中身がありました)・晩秋の尾根道では山毛欅の落ち葉をかき分けて小さな三角錐の実を拾って食べました。

踊り子草の花は「うばっち」(乳母乳)と呼んでいました。花を摘んで尻を吸うとぽちっと音がして花の蜜がかすかに舌に落ちるのです。そのかすかな甘さも貴重でおいしいものでした。

とんでもないものに「かわらぐみ」と呼ばれている野生のグミがありました。美しい赤い実でしたけど酸っぱいんです。子供は種ごと食べます。食べ過ぎると種が詰まって便がでなくなるんです。母親にきつく叱られながら掘って出してもらうようになってしまうんです。思いだしても苦しく恥ずかしいことなんです。

そんな中で輝くように美しくおいしいものがこの野いちごなんです。これを見つけると子供達は歓声を上げて手の平いっぱいに摘んでたべるのです。それはそれはおいしいものでした。

散歩の堤の道でこの野いちごを見つけ子供の頃の思いがいっぱいよみがえって嬉しくてたまらなかったんですよ。