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2015年3月の記事でロンドンのPall Mall(ペル・メル)界隈を訪れたと載せましたが、少なくとも90年代末まではそこにはHardyのロンドン小売店があり、慇懃無礼な感じの販売員がHardy製品やその他の製品、書籍等を販売しておりました。ロンドンを訪問する際は必ずそこを訪れて何らかの買い物をしたものです。
そのロンドン店が1992年に開設100周年を迎えたのを記念して制作されたのが8フィートのGold Medalです。2 5/8の真鍮製のPerfect Houghton Reelと一緒にローズウッドの箱に納められたこの竿は全部で100セット制作されております。
私の手元にあるのはその中の008番目の竿。
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8フィートで3本継。赤い段巻きを身にまとっております。
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オスフェルールを守るための木製プロテクターも付属。
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90年代の特徴的な書体でPall
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Mall Centenaryと記載。
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1892年から
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1992年と100周年を表しております。
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グリップにはフックキーパーが付きます。
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一番下のリングは瑪瑙入りのもの。昔のHardyの竿では何の変哲もありませんが、制作されたのは1992年。その頃は流石のHardyもPalakona竿には瑪瑙リングは標準装備しておりません。
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更にそれに輪をかけて回顧的なのがこのスパイク付きのオスフェルール。尚、フェルールには008の刻印が押されております。
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一方、バットとトップ以外のリングはスネーク。Gold Medalのリングは通常フルオープンブリッジであるのですがこれはお愛嬌か。
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トップのオスフェルールにもスパイクが付きまた008の刻印が施されております。
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そしてトップはまた瑪瑙を入れたもの。
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これは私がHardyに直接発注して1995年9月に完成したCC de France 8'のインスクリプション。1992年製のGold Medalと同じ方が書かれたようです。
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更に、95年製のバットリングはその頃のPerfectのラインガードの様にセラミック。
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トップはPVCラインを前提とした瑪瑙無しのもの。
この様なリングが90年代に細々と制作されていたPalakona竿のスタンダード仕様だったと思われる中、Pall Mall百周年記念竿には瑪瑙入りを特別に誂えたのです。
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本当は8フィートの短竿等は日光湯川辺りに持ち出してHardy Marvelにはちょっと手強い鱒の相手をさせたいところですが、コロナ禍のここ数ヶ月中々憚られますので、同じ都内の養沢に行くのがやっと。残念ながら大きな魚は釣れませんでしたが、St. George Jr.にシルクラインを載せた胴調子気味のGold Medalは小さな魚でも楽しめる竿であります。まだまだ硬さの残る竿ですので使い込んで行けばより調子も柔らかくなるのではないかと思っております。
スパイクジョイントといい、瑪瑙リングの入ったガイドといい、当時は当たり前に作っていたものでも限定で復刻するのは大きなコストと手間がかかるのでしょうね。
グリップのコルクは一枚モノ?
ブリッジガイドは諦めたのですかねぇ。
いずれもマスプロメーカーだからこそできたことであって、小規模なメーカーでは到底無理なのでしょうね。
コメントを頂き大変ありがとうございました。
私の竿ですが、あの豪華セット一式を持っている訳ではありません。竿だけオファーされていたものを見つけ幸運にも入手出来たものです。
このスパイクの付いたフェルールとかを90年代に100本の竿に装着したりする手間暇は大変だっただろうとしんみり思います。コルクは本来一枚ものであるべきでしょうが、それは残念ながら違います。またフルオープンブリッジは多分諦めたものと思います。100本分でもありますし。。。
8フィート3本継の竿は湯川の様な渓流に電車で釣りに行くには使い易そうで気にしていたのですが、なかなか無く、そうしたらこれに出会ったもので、何かの縁と思い愉しみたいと考えております。Gold Medalの調子でPerfectionよりも胴調子。Marvelより強く、湯滝の下の大物に持ってこいの感じであります。