思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Hardy The "Traveller's Combined" Fly and Spinning Rod

2023-01-14 18:34:29 | Hardy Palakona

日本から遠く離れた北アフリカの西の外れモロッコに錦織則政氏が書かれた「The History of Lure Fishing」が届きました。
私はフライフィッシング一筋でもう40年以上過ごしておりますため、ルアーのことはさっぱり分からないのですが、私のコレクションの中にはルアー釣りに関係する竿もあります。

上がHardyのThe Traveller's Combined Rod (8'10''或いは6`10'')、下がFarlow'sのLe Voygeur Rod (8'10''或いは6'10'')です。

Farlow'sのLe Voygeurは2020年9月の佐渡外海府での釣行に使い当時の記事で触れておりますが、HardyのThe Traveller's Combined Rodは今回が初のお披露目。

両方の竿とも、10"のハンドルと5pcs、夫々2'のブランクから構成されており、旅行時にスーツケースに入れられ、且つ、毛鉤釣りでもスピニングの釣りにも使えるという竿。名前もTravellerにVoygeur(仏語で旅行者の意味)です。
所謂、キワモノ扱いされそうな竿ですが、欧州の空港が大混乱した昨年、ロッドケースがロストになり3週間程行方不明になった経験より、飛行機に乗っての釣行ではこの様なパックロッドをスーツケースに入れておく必要があると思い、前回秋の一時帰国の際にモロッコに持ち帰ったものです。

5pcsのブランクを太い順から1番とし5番まで番号を振りますと、上の写真はハンドルで5番の雄フェルールが入るところ。

上の写真はハンドルの反対側、4番の雄フェルールが入るところです。

4番と5番のフェルールの太さはこの様に違います。

製造番号はH9108。1956年製です。

5番の一番下のリングは赤瑪瑙入り。美しいものです。

1950年代のちんまりした書体でThe "Traveller's"

と書いてあります。

左から5番、4番、3番、2番、1番夫々の先端部分です。

サーモン釣り用のトップである2番を残し、ハンドルと5番、4番、3番、1番を繋ぐと8'10''の毛鉤竿となります。その調子はAngler's GuideによればGold Medalの様な調子とされております。確かに金属製フェルールの重さ等が増されておりますが、振ってみた感じではGold Medalの調子の様です。

ハンドルに4番、3番、1番を繋げば、4ポンドライン用の鱒釣り用スピニング竿6'10''となります。またこの組み合わせは短いドライフライ用毛鉤竿としても使えるとされております。この組み合わせに合わせるとすれば、Hardyが作り出した現在のスピニングリールの原型と言えるAltexの一番小さなNo.1。これはアンチリバース機構が付いていないMark III(?)。

ハンドルに5番、4番、2番を継げば、8ポンドライン用、6'10''のライトサーモンスピニング竿となります。この剛竿に合わせるのはシートラウト、ライトサーモン用のAltex No.2。これはアンチリバース機構の付いたMark IVとなります。

モロッコは昨年から雨が殆ど降らない超渇水が続き、昨年12月は給水制限で水圧が下げられ、自宅では朝夕一滴の水も出ず、水が辛くも出る時を見計らい風呂桶に溜めた水でトイレを流し、台所で沸かした風呂の水で朝の行水を行うという事態が一ヶ月続きました。今も通常であれば山地で雨・雪が降る筈のところカラカラ天気が続いております。
こんな状況ですと、モロッコでは3月のシーズンが始まっても全く釣りにならない事態も想定され、このパックロッドをスーツケースに入れて欧州に行くことが多くなるかも知れません。また、日頃釣りが出来ずにいるカサブランカの海で、スピニングによる小物釣りで無聊を慰めることも出来るかも知れないと思っております。

果たして2023年の釣りは一体どうなるのでしょうか。。。

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5 コメント

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御礼 (nori)
2023-01-15 21:52:11
budsek様

気軽に貴ブログを訪れたら、アレ⁉ びっくり(笑)
わざわざ日本からお取り寄せ頂いた上でご覧頂き、誠にありがとうございます。
もし貴兄に愉しんで頂けたとすれば、筆者としてこれに勝る歓びはありません。
トラベラー、私も振ったことはありますが、なんとも不思議な感じの竿でした。
でもまあ、モロッコではスピニングタックルの方が活躍の機会は多いかもしれませんね。
確か、アトラス山脈にはパイクも移殖されていると聞くので、一回試してみては如何ですか?

nori 拝
御礼 (nori)
2023-01-15 21:54:38
budsek様

気軽に貴ブログを訪れたら、アレ⁉ びっくり(笑)
わざわざ日本からお取り寄せ頂いた上でご覧頂き、誠にありがとうございます。
もし貴兄に愉しんで頂けたとすれば、筆者としてこれに勝る歓びはありません。
トラベラー、私も振ったことはありますが、なんとも不思議な感じの竿でした。
でもまあ、モロッコではスピニングタックルの方が活躍の機会は多いかもしれませんね。
確か、アトラス山脈にはパイクも移殖されていると聞くので、一回試してみては如何ですか?

nori 拝
楽しませていただいております (budsek)
2023-01-16 00:59:38
nori様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
ルアー釣りの発展の歴史には両軸受リール、スピニングリール(Fixed Spool Reel)の発展が直接的な影響を及ぼしていたことが理解出来、また、特に英国での毛鉤釣りとの確執も当然あったことなど、興味深いお話をまとめた本で大変楽しませて頂きました。
スピニングリールで女性も子供もキャスティングが出来る様になり、ベイトキャスティングリールの達人である一家のお父さんの権威が失墜というところは成る程でした。
私は毛鉤釣り専門ですが、シートラウトを毛鉤、ルアー、アップストリームウォーミングで狙ったHugh Falkusの様に色々なやり方で釣りを楽しめる様になりたいと感じてはおります。それが何時の話になるのかはインシャ・アッラーでありますが。
モロッコでは米国のゲームフィッシングを象徴するブラックバスがダム湖に放されていてそれを専門に狙う方々も多いそうです。2023年の釣りライセンスを取得したら考えてみたいと思います。
Unknown (yugawaski)
2023-01-18 23:08:46
こんばんは。
このにょろっとした字体は私も好みです。
もう少し新しくなると例の縦長の踊るような字体になりますね。
コンビ竿は、フェンウィックのクラスのものを試し振りしたことがあるのですが、印象はちょっと…
画像を拝見している限り、フライ竿としてもしっかりしているなと感じました。
グリップとリールフィッティングが非常に合理的ですね。
Unknown (budsek)
2023-01-19 05:45:10
yugawaski様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
この50年代のちんまりした字体は私も好きで、その為かどうか、50年代の竿、特に1956〜58年の竿にお気に入りのものが多い気がします。
コンビ竿でも毛鉤でしか使ったことがないのでスピニングを何時か使おうかと思いますが、Farlow'sのLe Voygeurは重量感がかなりあるのに比べHardyのTraveller'sは結構手に軽く感じられアクションも悪くはありません。
無論スペアロッドの位置付けですので、これの出番が無い方が良いのでしょうが。
HardyのThe Traveller'sの前のモデルの名前はN.A.A.Fですが、これはNavy, Army, Air Forceの略で海外派兵の軍人向けの竿かと勝手に想像しておりますが、50年代にこの手の竿をHardyもFarlow'sも販売していた背景に何があったのか気になります。ケニア独立をさせないために派兵された将校用?或いは駐ドイツ英軍の将校用?謎です。

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